いつもの中岳へ。案の定、金山滝登山口は満車の為、ザ・ブーン登山口からの登り始めは11時を回っていた。トレースはしっかりついていても女人堂へは13時、中岳頂上には14時を過ぎていた。
途中大勢の下山者とすれ違うも、この時間に頂上へ登っていたのは他に1人だけだった。例年より雪が少ないと感じていたが、頂上神社は頭だけ出た状態でこの時期では例年並みか。
目の前に奥岳の堂々たる山容が迫る。なかなかどうしてアルペンムードが漂っている。
登行中は風雪が強く低温に苛まれたが、徐々に晴れ間が覗くようになり、山頂では冬の陽射しが山々の表情をより豊かに醸成してくれる。彼方に田沢湖スキー場も見ることが出来た。
ブナ林の後方に中岳。日曜日とあって多くの登山者が登っていたこの日も時間帯をずらせば静寂の「山」に浸ることが出来る。
女人堂の仏跡群のお地蔵さんに着せられた赤い着物、今回初めて見た。
ようやくSOTOのバーナーSOD-310を入手、低温下で初めて使用したがマイクロレギュレーターの威力を発揮、無風状態にも助けられ数分で800CCの水を沸騰させた。ゴミと化していたオプションの長いゴトクがようやく日の目を見ることに。ただ、Snowpeakの極Titanだとわざわざ長いゴトクは必要ない。バーナー自体も少し嵩張るので冬季以外ではSOD-320の出番もあり。
2年ほど前に新品で購入していたMarvelPeakのDIAPLEX製アルパインジャケットをこの日初めて着用。適度なストレッチと裏生地微起毛で暖かい、一見ソフトシェルのような実は完全防水機能を持ったハードシェル。日本メーカーのPhoenix製なので袖の長さ、身幅、着丈などフィット感に優れ、とても着やすい。袖も甲側の丈が長かったり、フードの作りも大きすぎず細部への拘りも見られる。低温下でも下はウール混の化繊ベースレイヤー1枚で事足りた。ボトムスは同じくMarvelPeakのSchoellerDryskin製のソフトシェル。石井スポーツで5年ほど前に購入して冬山で4~5回ほど着用しただけなのに表裏の素材が所々で剥離してきた。スイス製のSchoellerはかつて山岳ウェアのマテリアルを席巻したソフトシェルの草分け的存在。何着か使ってきたがその耐久性には少々疑問が残る。ソフトシェル素材ではWindstopperを筆頭に、山岳メーカーの自社開発素材が進歩して、それらは今Schoellerに取って代わろうとしている。
MarvelPeakはPhoenixが設立した本格山岳仕様のブランドで、mont-bellに次ぐ国産アルパインメーカーとして注目されたが最近の動向は寂しい限り。著名な海外ブランド勢に押されて売り上げが伸びないのかもしれない。
ブーツはHanwagのGore-Tex。中敷きにスーパーフィートを入れているので疲れ知らず。ビブラムが少し硬化しているせいか、圧雪されたトレース歩行では結構滑るのが難点。
年のせいか最近山での寒さが堪える。特に指先の冷えが尋常でなく古傷のある左中指が特にひどい。おそらく末端への血流が滞っているためであろう。次回は中で指を握れるオーバーミトンにしようかと思う。