母の幻視は 子供が多い

母においては　変に静かな日なのかもしれないけれど

 

幻視に多いのが子供の事

「小っちゃい子が遊んでいるから　気を付けてやらないといかんねぇ」

「今子供が二階に上がったから　見に行ってやらんといかんねぇ」

「いまあんた　背負っていた子は　どこへやったの？」

『へぇ～？』

「はよ　探してこな　怪我でもしたらどうするの？」

「早よ行って　つれてきて」

『どんな子なのよぉ　私には見えんから　

教えてくれな　探しようもないよ』

「・・・・・」

 

どんな子かと聞いてみると　いつも　言葉は途切れる

 

いつまでも同じことを言ってしつこい時は

『いったい誰の子供なのよ』と聞いてみると

「私の子に決まっとるでしょ」と答える

 

全くしつこくてうるさいから

 

「あなたは　おとしは　いくつですか」と母に聞いてみる

しばらくして

『わたし　わたしは　80だったかなぁ・・・・・９０だったかなぁ』

 

「そがぁな歳で　なんで　小っちゃい子を連れているのよ

９０で赤ちゃんいたら　困るでしょうが」

・・・しばらく無言・・・・

 

『もぉええわ　あんた　冷たい人やなぁ』

 

それでも　一段落して静かになる

 

 

2018年1月4日撮影　水仙

ひと葉折れ　気をしっかりと　水仙花　ふた葉折れては　寒さがつらし

自己愛に　生きる姿の　水仙花