昨日の話の続きになるかも知れないけれど
ご近所の話を ふと思い出しました
大きな商売をしている会社の社長のお話し
その頃は 息子さんに代を譲って会長さんだったと思うのですが
もともと一代で その爺ちゃんが作った会社ですし
三人の息子がそれぞれに役割分担をして さらに大きくなっていました
爺ちゃん会長は とても元気で毎日大きな車を乗りこなしていましたが
ある時 帰る道が判らなくなったからと言って
ご自分で 自動車免許を返納したのです。
それからと言うものは 毎日自転車
従業員が来る前に 一番乗りに会社に入って お茶を入れておく
空気が悪いからと言って 窓を全開
時間がたつと 用心が悪いからと言って 全部の窓なり扉なりを閉める。
そのうち・・・それらの行動が あまりにも完璧になりすぎて
みんなが仕事中だと言うのに 鍵までかけられてしまう
息子らに じいちゃん 会社の事は気にせんでええからな と言われた
爺ちゃんは退屈のあまりに 一日中自転車で どこここと走り回る
同じ道を何度も何度もまわるので 有名になる。
家族としては 会社を休んでまで 爺ちゃんを見る余裕はないと言う
元気に暮らす婆ちゃんは 自由が好きで旅が好き
そんな爺ちゃんについて回るほどの余裕はなし。
それですぐさま 施設入り。
それでも 大切な会長さまですから
三人の息子 三人の嫁 9人の孫 そして 妻のばあちゃん
それぞれに 毎日爺ちゃんの顔は見に行く
ある日の事
わが家の母の話になって
その婆ちゃんと お話しする機会がありました。
「おしっこだの うんこだの こまるのよぉ」
『え~?はや そんなんですか?』
「じいちゃんは おしめとか ぱんつとか 穿かせていないの?」
『え!? わたし 見たことないから 解りませんわぁ』
見たこともないって
そりゃ換えたこともないのでしょうよ
なんせ 施設に入れるのは 超特急だったしねぇ
そんな人たちもいるのです。
爺ちゃんは 丸三年 施設にいて
一度も家には帰ってこず
そのまま 亡くなりましたとさ。
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