1.北京東路・圓明園路交差点
南京東路を外灘に向かって歩くと、外灘の角にペニンシュラー・ホテルがありますが、ホテルの西側の通りが「圓明園路」です。
「圓明園」は北京にある清代に造営された有名な離宮公園ですが、1860年の第2次アヘン戦争で進行してきた英仏軍に完全に破壊され放置されていました。
今は徐々に復元されているとのことです。
さて、「圓明園」の名前を持った通りですが、以前は外灘ツアーのバスの駐車場となっており、観光客も振り向かない大勢の住民が住んでいる埃っぽい古いビルが並んでいました。
外灘源には14棟の歴史建築があり、改修され「万国建築博覧会」の様相を示しています。
2.旧「安倍洋行」ビル
交差点を左(北)に折れ、最初に左手にある建物で、ちょうどペニンシュラー・ホテルの西正面になります。
「安倍洋行」の記録は見つけられませんが、英国の貿易商社だったのでしょう。
「万国建築博覧会」の第一位ですが、3-4階にはレストランが入居予定だそうです。
今この通りは結婚写真のロケ地で人気です。天気の良い日は大勢のウエディングドレスの花嫁とタキシードの花婿がカメラマンの注文にポーズをとっています。
3.赤煉瓦の建物は外灘の洋館では「第二世代」の工法になります。
第一世代は上海が開港された1840年代以降の木造2階建て。英国領事館は上海に残る近代建築の第一世代の貴重な建物です。
第二世代は木造柱に煉瓦を使った混合工法で4-5階建てが可能だったようです。
第三世代は1920-30年代から多用された鉄筋コンクリート造りの高層ビルで、ニューヨークの摩天楼に代表される新工法になります。
4.円柱形の塔を左右に持ったシンメトリーなデザイン。
5.1階ではすでに喫茶店が開業しています。
6.優秀歴史建築を誇るエンブレム。
1907年の竣工となっています。
7.旧「圓明園公寓」
旧「安倍洋行」ビルの隣(北)にあるのは旧「圓明園公寓」です。
「公寓」の名前から住宅だったと思われます。
旧「安倍洋行」ビルより小ぶりですが、2つの建物は年代的にも工法的にも調和がとれています。
当時いくつかの企業がまとめて入居していたそうですが、ドイツの大きな化学品商社が借りていたそうです。
8.テラス付
左右対象の入口上はテラスになっています。
9.モルタル塗り
煉瓦の上から部分的にセメントが塗られていますが、当時はデザイン的に斬新だったのかもしれませんね。
10.上海最初の英国式マンション
玄関上に「APARTMENTS」の文字が読み取れます。
11.優秀歴史建築のエンブレム
「安倍洋行」ビルよりも古い1904年の竣工です。
当時の典型的な「アンナ女王ルネサンス風格」の建築様式だそうです。
撮影:CANON EOS5DIII + EF24-105mmL IS
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