携帯に着信があって、元の会社の上司からだった。
何事かと電話をしてみると、ハッサクを採りに行かないか
というお誘いの電話だったのだ。
会社に居たころ、この時期よく上司のお兄さんの
畑のハッサクを一緒に採りに行ったのだ。
わたしは二つ返事でOKし、後日落ち合った。
てっきりこれから採りに行くものと、ラフな格好を
してきたのだが、「もう採ってきて車に積んである」
と言って、食べきれないほどのハッサクをいただいた。
落ち合った喫茶店で、久々に昔話に花を咲かせ、
会社の近況なども教えてくれたのだった。
会社を辞めて1年半になるが、それが長いか
短いかわからないが、わたしは懐かしく、
いつの間にか当時の関係に返って話し込んでしまった。
上司に別れを告げた後、自分と会社関係の
ことを思った。正直、本質がお絵描き野郎の
わたしは、基本的に正直にしか物が言えない
ところがあって、人付き合いほど苦手なものは
なかったのだ。
会社は、云わば人付き合い中心の場なので、
うまく人間関係を築けるかどうか不安だった。
しかし、会社を辞めた今でも元の上司に、こうして
時折連絡をもらい、わたしより先に辞めたF氏とも
未だ交流は続いている。また元の女性従業員の方も、
作品展示には顔を出してくれたりしている。
思えば、会社での不慣れな作業、精神的プレッシャー
などのとき、いろんな方に助けられて、お絵描きしか
出来ない私が、有形無形で助けられていたのだと、
改めて思うのだった。
ホント、感謝してます。