カマキリよ

今日は、病院で血管検査があるので、
出かけるべくドアを開けて外に出たら、
足元にカマキリがいた。

さほど大きくないところをみると、オオカマキリ
では無さそうだ。

しかし、立派な枯れ色をしているので、大人の
ようである。

まあ今はカマキリにかまっている時間は
なかったが、「おい何してんだ！」と声を
かけてみると、天上から降って来た声に、
あの三角頭を動かして、こちらを見た。

時間があれば、ちょっと遊んでやるところだが、
なにせ病院での予約検査である。

「じゃあな」と言って、キョトンとしている
カマキリを後に、出かけた。

カマキリには、以前も声掛けをした事が
あるので、振り向くなど、反応するのは
知っていたのだ。

カマキリの　呼べば小癪に　振り返る
　　　　　　　　　　　　　　　　　issei
という一句を作ったことがある。

病院へ車🚙で向かいながら、待てよ、
行手を過るカマキリは、果たして、吉兆か
凶兆か…と考えてしまった。

黒アゲハ　横切って行く　今日の運
　　　　　　　　　　　　　　　　issei
なあーんていうのも作ったことが
あったのだ。

で、検査の結果は、血管年齢90歳以上、
ゲ！なんじゃこりゃ！なのに、お医者様は、
「まあ、この数値なら大丈夫でしょう」
とおっしゃるのだ。

エ〜どっちなの！と思いつつ帰宅の
ドア前に着いたが、既にカマキリの姿は、
どこにもなかった。

ヤツのいなくなった辺りを、チョピリ
淋しき風が、吹き抜けて行った…。