つぶや句

夢追いおっさんの近況および思うことを気まぐれに。

女性の肖像画

2009-03-13 02:05:35 | 絵・まんが
いよいよ4点展示させていただいている喫茶店が4週目の
最終週となり、最後の不肖画訪問となった。

この日はここを紹介してくれた画友のM氏が訪れてくれ、2人で
反省会である。彼は我が展示会には必ず来てくれ、わたしも
彼の展示会には必ず顔を出す間柄だ。

つらつら近況など話していると、彼が「いやあ描いてみたいなあという
女性が見つかったよう」と目を輝かせて言い出した。
親戚の結婚式に来ていた女性にビビっときたらしいのだ。そのとき
撮った写真を見せてもらったが、なるほど何か雰囲気のある20代と
おぼしき女性だ。

「彼女よりきれいな子はいたんだけどねえ、やっぱりこの子なんだよ」と
のたもう…。これは同じ絵描きのムジナとしてわかるのだが、確かにただ
きれいなだけでは絵描きの“描きたい!”という衝動を起こさせないのである。

何か、その人の内包するものに絵描きの感性が感応したとき“描きたい!”という
衝動が生まれるのだ。これに出会うということは絵描きにとってとても幸運と
いえるのである。ましてやそれが理想の描きたい女性であるなら、おそらく一生に
一度あるかないかの僥倖に違いない。

まあ…彼にはエールを送るしかないのだが…ちと…心配でも…ある。
というのも、異性の肖像画を描くということは、画家がその対象物に対して
全身全霊を注ぎ込むということになる。となると…ナノダ。
元々が心に感応している相手なのだからその危険度は半端ではない。

しかしまあ…彼はわたしより年上でもあり、女性を描いた経験もあるので
その点では大丈夫でありましょう。これがいまだ煩悩豊かなわたしなどは
そうはいかない気がして、実は女性の肖像画は避けて通っているのである。

一度きれいどころから「わたしを描いてよ」と何度か言われたのだが、
正直それを恐れて尻込みしたのである。言ってるほうはごくごく気楽な
気持ちで言ってると思うのだが、わたしの性格を考えると描くからにはあの
「モナリザ」に負けないような…などという大それた考えが頭をもたげるに
決まっているからだ。

そうなると、その人の一挙手一投足をつぶさに見つめ、一番いい表情を
描こうとするので、その人のことを思いうかべなければならないのだ。
これは、ヤバイ…のである。しかして、その希望はかなえて
あげたかったので、筆まんとして描かせていただいたのである。

しかし絵描きの表現方法は他にもいろいろあるのだ。実は今回の展示作品
4点の中にも、とある人物のイメージと合うと思える作品が1点あったので、
本当に合ってるかどうか本人と見比べて確認したかったのだが、神様の
おぼし召しかなわず、実現しなかったのである。

これはきっと日頃の行いが悪かったせいに違いない。反省…反省…。

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やっと釈然

2009-03-07 06:33:53 | 食べ物
料理がウマイかマズイかなどということはかなり主観的な
ことで、決まりがあるわけではない。
しかし、作った本人の納得感というものがある。

これまでさんざんカルボナーラを作ってきたのだが、ちょっと味が薄かったり、
ちょっと卵の混じり具合にばらつきがあったりとか、なーんか今ひとつ
釈然としなかったのである。

そも…カルボナーラとは英語でカーボンということらしく、北イタリアの
炭焼き職人が、山中で、栄養をとるために作り始めた料理らしいのだ。
食べてるときに炭の粉が、飛んできて入ったことから、黒コショウをふるように
なったらしい。

なので、けっこうこってり味になるのはやむを得ないのであるが、この
こってりが強いのがカルボナーラの旨さだという。
何となく今の日本の味には合わない感じなのだが、ひょんなことから
作り始め、十数回に及ぶも、釈然としないまま今日まで来ていたのだ。

が…ついに釈然としたものが、出来たのである。「バンザーイ!」っと。

この前、ワタシに変わって作った身内のちょっとした手順違いが
ヒントになって、出来たのである。
これには食べた全員が納得できる味だったので、やっと歯にはさまったような
ものが取れた感じで、スッキリしゃっきりした。

こうなってら、ついでに次はミートスパゲッティーにでもチャレンジ
してみようかなっと…。




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チキショー!

2009-03-02 03:42:35 | 絵・まんが
またまた春めいた街へ出掛けた。
例によって我が不肖の絵に会いに行くためだ。

きょうはゆえあって午後からのんびり出掛けた。
「いつもワタシの絵がお世話になっています」と店の人に挨拶して
コーヒーを注文して席についた。

いつもだと絵の正面は外して隅っこに座るのだが、きょうは絵の
真正面の席に陣取った。それには訳があって、今回絵にまつわる俳句と
「はいまん彩」のタイトル、その「はいまん彩」の解説を書いたものを
絵の近くにピンで貼り付けるためなのだ。

もちろん店の人には先週来たときに了解を得ていたのである。
今までただ漫然と飾っていた絵に物足りなさを覚えたからなのだ。
張り終えると、まあ少しは展示作品らしくなった気がした。
一時間ほどいて店を後にした。

まだ帰るバスの時間まで余裕があったので、いつもやっている路上ライブを
聴きに行った。「ム、ム…」すでにいい音が聴こえているではないか。
そしてボーカルの声…が耳に入ってきたとき、わたしの足はゆっくり止まった。

なんと女性ボーカル5人のバンドで、5人とも20才前後と思われる
若さである。「チクショー!」うめくように心の奥からしぼりだされた
わたしの第一声である。

澄んだボーカルの声、メロディーラインもいいし、ハーモニーもすばらしい…
歌詞も奇をてらってなくてすんなり心に染み渡る。

すでに我が眼は、じんわりと涙がにじみ、脚の震えも止まらない。
ギュッとハートをつかまれてしまったのである。「こいつらスゲェ~…
チキショウ…」もうわたしの心はスッピンにされてしまったのである。

次々と人が集まり、道行く人も足を遅くして聴きながら歩いている。
彼女らの真ん前では子供たちが歌にあわせて手を振っている。
後ろのほうではお年寄りが座って聴き入っていて、もう分厚い人垣ができていた。

そうなのだ…いいものは否応なく人を引き付けてしまうものなのだ。
わたしとてクリエターの端くれのつもりである。感動に身を震わせながらも
何だか悔しさがこみ上げてきてやっぱり「チキショウ…。」

思わず沸き起こった拍手の中、曇ってぐちゃぐちゃになった街を後にした…。

   ☆ちなみにグループ名は「BIG・BEN」と書かれたのぼりがあった。
※後で確認したところ、「BIG・BEN」というグループではなかった。 










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