いよいよ4点展示させていただいている喫茶店が4週目の
最終週となり、最後の不肖画訪問となった。
この日はここを紹介してくれた画友のM氏が訪れてくれ、2人で
反省会である。彼は我が展示会には必ず来てくれ、わたしも
彼の展示会には必ず顔を出す間柄だ。
つらつら近況など話していると、彼が「いやあ描いてみたいなあという
女性が見つかったよう」と目を輝かせて言い出した。
親戚の結婚式に来ていた女性にビビっときたらしいのだ。そのとき
撮った写真を見せてもらったが、なるほど何か雰囲気のある20代と
おぼしき女性だ。
「彼女よりきれいな子はいたんだけどねえ、やっぱりこの子なんだよ」と
のたもう…。これは同じ絵描きのムジナとしてわかるのだが、確かにただ
きれいなだけでは絵描きの“描きたい!”という衝動を起こさせないのである。
何か、その人の内包するものに絵描きの感性が感応したとき“描きたい!”という
衝動が生まれるのだ。これに出会うということは絵描きにとってとても幸運と
いえるのである。ましてやそれが理想の描きたい女性であるなら、おそらく一生に
一度あるかないかの僥倖に違いない。
まあ…彼にはエールを送るしかないのだが…ちと…心配でも…ある。
というのも、異性の肖像画を描くということは、画家がその対象物に対して
全身全霊を注ぎ込むということになる。となると…ナノダ。
元々が心に感応している相手なのだからその危険度は半端ではない。
しかしまあ…彼はわたしより年上でもあり、女性を描いた経験もあるので
その点では大丈夫でありましょう。これがいまだ煩悩豊かなわたしなどは
そうはいかない気がして、実は女性の肖像画は避けて通っているのである。
一度きれいどころから「わたしを描いてよ」と何度か言われたのだが、
正直それを恐れて尻込みしたのである。言ってるほうはごくごく気楽な
気持ちで言ってると思うのだが、わたしの性格を考えると描くからにはあの
「モナリザ」に負けないような…などという大それた考えが頭をもたげるに
決まっているからだ。
そうなると、その人の一挙手一投足をつぶさに見つめ、一番いい表情を
描こうとするので、その人のことを思いうかべなければならないのだ。
これは、ヤバイ…のである。しかして、その希望はかなえて
あげたかったので、筆まんとして描かせていただいたのである。
しかし絵描きの表現方法は他にもいろいろあるのだ。実は今回の展示作品
4点の中にも、とある人物のイメージと合うと思える作品が1点あったので、
本当に合ってるかどうか本人と見比べて確認したかったのだが、神様の
おぼし召しかなわず、実現しなかったのである。
これはきっと日頃の行いが悪かったせいに違いない。反省…反省…。
最終週となり、最後の不肖画訪問となった。
この日はここを紹介してくれた画友のM氏が訪れてくれ、2人で
反省会である。彼は我が展示会には必ず来てくれ、わたしも
彼の展示会には必ず顔を出す間柄だ。
つらつら近況など話していると、彼が「いやあ描いてみたいなあという
女性が見つかったよう」と目を輝かせて言い出した。
親戚の結婚式に来ていた女性にビビっときたらしいのだ。そのとき
撮った写真を見せてもらったが、なるほど何か雰囲気のある20代と
おぼしき女性だ。
「彼女よりきれいな子はいたんだけどねえ、やっぱりこの子なんだよ」と
のたもう…。これは同じ絵描きのムジナとしてわかるのだが、確かにただ
きれいなだけでは絵描きの“描きたい!”という衝動を起こさせないのである。
何か、その人の内包するものに絵描きの感性が感応したとき“描きたい!”という
衝動が生まれるのだ。これに出会うということは絵描きにとってとても幸運と
いえるのである。ましてやそれが理想の描きたい女性であるなら、おそらく一生に
一度あるかないかの僥倖に違いない。
まあ…彼にはエールを送るしかないのだが…ちと…心配でも…ある。
というのも、異性の肖像画を描くということは、画家がその対象物に対して
全身全霊を注ぎ込むということになる。となると…ナノダ。
元々が心に感応している相手なのだからその危険度は半端ではない。
しかしまあ…彼はわたしより年上でもあり、女性を描いた経験もあるので
その点では大丈夫でありましょう。これがいまだ煩悩豊かなわたしなどは
そうはいかない気がして、実は女性の肖像画は避けて通っているのである。
一度きれいどころから「わたしを描いてよ」と何度か言われたのだが、
正直それを恐れて尻込みしたのである。言ってるほうはごくごく気楽な
気持ちで言ってると思うのだが、わたしの性格を考えると描くからにはあの
「モナリザ」に負けないような…などという大それた考えが頭をもたげるに
決まっているからだ。
そうなると、その人の一挙手一投足をつぶさに見つめ、一番いい表情を
描こうとするので、その人のことを思いうかべなければならないのだ。
これは、ヤバイ…のである。しかして、その希望はかなえて
あげたかったので、筆まんとして描かせていただいたのである。
しかし絵描きの表現方法は他にもいろいろあるのだ。実は今回の展示作品
4点の中にも、とある人物のイメージと合うと思える作品が1点あったので、
本当に合ってるかどうか本人と見比べて確認したかったのだが、神様の
おぼし召しかなわず、実現しなかったのである。
これはきっと日頃の行いが悪かったせいに違いない。反省…反省…。