長崎から帰って間もないというのに、東京へ行く機運が高まり
東京へ行くことになった。
というのも、感写さんと予定していたKさんのとこへの
キャンプが都合で9月に延期になったのである。
そこで、一昨年大病をされた我が漫画の先生Yさんに
無性に会いたくなったのだ。当時はまだ体調が優れず
お見舞いを遠慮した経過があったので、様子が心配
だったのである。
そこで電話をして、OKをいただいたので、上京することに
したのである。一昨年所用でとんぼ返りの上京はあったが、
改めての上京は30年ぶりぐらいなのだ。
滅多にない上京なので、スケジュールを調整し、2泊3日で
長崎の同窓会同様に、関東に散らばっている中学の同窓生に
連絡をとり、ミニ同窓会もやることにした。
スケジュールの都合で、1日目になったが、東京・埼玉・神奈川から
6名が駆けつけてくれ、わたしを入れて7名で同窓会を行うことができた。
当然ながらみんな歳をとり、当時の面影もおぼつかない者もいたが、
すぐに打ち解け、和気あいあい歓談に花が咲いた。
翌日Y先生と先生の住まい近くの駅で落ち合った。すっかり
髪は白くなっていたが、顔色や肌艶が30年前とほとんど
変わっていないのに驚いた。そして、バリトンの声量も
そのままで、そのことからもすっかり元気になったことがうかがわれ、
嬉しくなった。
話す言葉、身振り手振りも当時と変わった感じがせず、
安堵したのだった。近くのファミレスに入り、コーヒーを
飲んでいると、奥様も駆けつけて来て、3人になった。
奥様も元気そうで変わらぬ笑顔だった。
奥様も知る人ぞ知る女流漫画家だったのである。
駅近くの居酒屋がやってなく、このファミレスでビールを
呑みつつ、食べつつ歓談した。
わたしはY先生の漫画が好きで、20才の頃に上京し
押しかけアシスタントになったのである。世間知らずで
わがままなわたしを、広い心で接し、育ててくれたのだ。
時には、奥様の漫画の手伝いもやり、作っていただいた
食事に舌鼓をうち、夜は手伝ってくれた人や、3人で
打ち上げに飲んでわたしは、わかったようなくだまいていたものだ。
近くに下宿していたが、その居心地の良さに、よく寝泊り
させていただいたものである。
いま思い出しても、いい思い出ばかりしか出てこないのだ。
そして、このころの時間は私の中で止まった時間なのである。
3人でビールを飲みつつ、「ジェンマちゃんも変わらんじゃん」と
お二人に昔の呼び名でよばれると、たちまち当時に立ち返り、
止まった時間が戻って動き始めた…そして、またその温かい
懐に入り、甘えて御馳走になってしまったのである。
すでに真っ暗な外へ出て、お二人に見送られて駅を後にした。
来てよかった…返りの電車の中で、しみじみそう思ったのだった。
ありがとうございました。
東京へ行くことになった。
というのも、感写さんと予定していたKさんのとこへの
キャンプが都合で9月に延期になったのである。
そこで、一昨年大病をされた我が漫画の先生Yさんに
無性に会いたくなったのだ。当時はまだ体調が優れず
お見舞いを遠慮した経過があったので、様子が心配
だったのである。
そこで電話をして、OKをいただいたので、上京することに
したのである。一昨年所用でとんぼ返りの上京はあったが、
改めての上京は30年ぶりぐらいなのだ。
滅多にない上京なので、スケジュールを調整し、2泊3日で
長崎の同窓会同様に、関東に散らばっている中学の同窓生に
連絡をとり、ミニ同窓会もやることにした。
スケジュールの都合で、1日目になったが、東京・埼玉・神奈川から
6名が駆けつけてくれ、わたしを入れて7名で同窓会を行うことができた。
当然ながらみんな歳をとり、当時の面影もおぼつかない者もいたが、
すぐに打ち解け、和気あいあい歓談に花が咲いた。
翌日Y先生と先生の住まい近くの駅で落ち合った。すっかり
髪は白くなっていたが、顔色や肌艶が30年前とほとんど
変わっていないのに驚いた。そして、バリトンの声量も
そのままで、そのことからもすっかり元気になったことがうかがわれ、
嬉しくなった。
話す言葉、身振り手振りも当時と変わった感じがせず、
安堵したのだった。近くのファミレスに入り、コーヒーを
飲んでいると、奥様も駆けつけて来て、3人になった。
奥様も元気そうで変わらぬ笑顔だった。
奥様も知る人ぞ知る女流漫画家だったのである。
駅近くの居酒屋がやってなく、このファミレスでビールを
呑みつつ、食べつつ歓談した。
わたしはY先生の漫画が好きで、20才の頃に上京し
押しかけアシスタントになったのである。世間知らずで
わがままなわたしを、広い心で接し、育ててくれたのだ。
時には、奥様の漫画の手伝いもやり、作っていただいた
食事に舌鼓をうち、夜は手伝ってくれた人や、3人で
打ち上げに飲んでわたしは、わかったようなくだまいていたものだ。
近くに下宿していたが、その居心地の良さに、よく寝泊り
させていただいたものである。
いま思い出しても、いい思い出ばかりしか出てこないのだ。
そして、このころの時間は私の中で止まった時間なのである。
3人でビールを飲みつつ、「ジェンマちゃんも変わらんじゃん」と
お二人に昔の呼び名でよばれると、たちまち当時に立ち返り、
止まった時間が戻って動き始めた…そして、またその温かい
懐に入り、甘えて御馳走になってしまったのである。
すでに真っ暗な外へ出て、お二人に見送られて駅を後にした。
来てよかった…返りの電車の中で、しみじみそう思ったのだった。
ありがとうございました。