二式大艇は昭和15年初飛行、当時世界一高性能を誇った大型飛行艇です。
昭和17年に正式採用され、偵察・哨戒・輸送など長大な航続距離を活かした任務で
活躍し、終戦までに合計167機が製造されました。
昭和20年3月11日、鹿屋基地から約3,000km離れた南のウルシー泊地奪還
の為の米軍艦艇への特攻作戦で「梓特別攻撃隊」として爆撃機「銀河」24機が鹿屋
基地から初の特攻攻撃をしました。この作戦の誘導、天候偵察任務に二式大艇3機が
鹿児島の鴨池基地から出撃しました。
戦後の昭和20年9月、米軍から「詫間基地に残されている二式大艇1機を横須賀に
空輸し、米海軍に引き渡せ」という命令が発せられました。米海軍はその二式大艇を
本国に空母で移送し、各種調査を行い、その高性能に驚愕したそうです。
この機の垂直尾翼には「菊水」マーク及び中央に「T-31」が表示されています。
この機は、第5航空艦隊(司令部:鹿屋)れい下部隊の詫間海軍航空隊所属の31号
機であります。
この二式大艇は、世界中で唯一残されている実機です。