晴れ間の彗星

楽しく生きよう!

[5] アラバスター 1

2010年01月28日 | 手塚治虫全集
手塚治虫には、珍しい、救いのない話。

黒人のオリンピック・メダリストが世間からちやほやされる中で、

美人の”女優に恋をし、デートを重ねる。

しかし、あるときプロポーズを言い出すと、大笑いされ拒否されてしまう。「誰が黒人なんかと!」

やり場のない悔しさから罪を犯し刑務所に送られるが、そこで運命のマッドサイエンティストと出会ってしまう。

その博士は、人間の透明化を研究、透明化光線を発明する。

しかし、その光線では半透明が精一杯で、完全に透明化しようとすると人は死んでしまう。

それを知らないまま、自分の娘を実験台にして殺し、殺人罪で刑務所にいたのだ。

彼は博士から、発明品を託される。出獄してから自ら透明化に挑戦するが半透明状態でそれ以上は光を浴びていられなかった。

皮膚だけ透き通って血管が浮き出ているばけものののような姿になってしまったのだ。

で、博士に殺された娘は妊娠していて、半透明の姿で生まれたモノの、大きくなるに従い完全な透明体となってしまう。

アラバスターと名乗りアメリカで犯罪を続けた彼は、透明少女を求めて当時女性検事としてアメリカで活躍し、透明少女を養女にして日本に戻った女を追い、透明少女を手に入れる。

そして、美しいモノへの復讐をはじめる。

「この世に美しいモノはあるか、本当の愛はあるか!」

上辺だけつくろう人間に対する復讐戦。

手塚氏自身が、出来が良くなく全集なのでしょうがなく入れたと後書きでかいている。



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