7月17日(土)その1
←前日午後6時半の姿。ここからの光景を初めて見た瞬間、明日の勝利を確信したのですが・・・・
時刻は午前5時半。函館本線の函館・長万部間の中間あたり、野田生・落部にある、崖上から噴火湾沿いに走る線路を見下ろすポイントにやってきました。いつか<来てみたい!>と思っていた憧れの場所です。夜行列車を扱う書籍の多くに、朝日に輝く車体をくねらせて当地を悠然と進んで行く姿が掲載されています。それらをみる度、自分もその現場に立ち会いたいものだと思ってきました。本日は下りカシオペア運転日です。今回の旅のスケジュールは、ここでのカシオペア通過時間を元に立てています。絶対に失敗の許されない瞬間が間もなくやってきます。が、時間の経過とともに恐れていた事態が・・・・。霧が海から少しづつ流れてきます。もう少しだけ天候がもってくれることを願いつつカシオペア通過を待ちます。やがて視界の遠方にあるトンネルを抜けて、近づいて来る青い機関車と、それに続く、銀色の列を確認します。まぎれもなく、現時点での日本の旅客列車の頂点に立つカシオペアです。想定していたアングル内に入ると同時に、シャッターを切り始めます。が、そのあたりは、当初考えていたより濃い霧に覆われていることに気がつきます。『ひえー』と情けない悲鳴が漏れます。あわてて、まだ視界の利く手前で撮影しようとしますが。ここでネックになったのが、カメラを三脚で固定していたこと。今回の撮影行では、必勝を期すため、初めて三脚を持参しました。いろいろなアングルでの撮影は犠牲になりますが、あらかじめ想定した最良のアングルで、ブレや水平方向のゆがみを防いで最高のカットを撮る為でしたが、突発事態には足かせになります。しっかり雲台に固定されたカメラはそう簡単に外れません。こうなれば三脚ごと抱えて撮影です。そんな風にもたもたしている間に、憧れの<カシオペア>は足元を通過して行きました。しばらくの間、脱力状態・・・・。とはいえ、10分ほど間隔をおいて<トワイライトエクスプレス>が通過します。今度は手持ちでスタンバイします。残念なことに、先ほどよりさらに霧が濃くなってきました。
今回は、カーブ途中でのカットを諦め、霧の薄い手前で勝負します。
相当の時間をかけて準備した今回の撮影旅行ですが、あっけなく撃沈してしまいました。現実は厳しい・・・!
さて、トワイライト通過後の次なるターゲット<北斗星>が来るまで、しばらく時間があります。海岸沿いのエリアは時間の経過とともに霧に覆われてしまい、慌てて、別の場所を探すことになりました。
野田生駅付近の国道5号線を北に少し進むと、山越駅との中間あたりに、函館バスのちょっと立派な待合室のあるバス停、由追二区(ゆいにく)が山側に見えてきます。そのあたりだけ線路に沿って茂っている草木が途切れている事に気がつきました。ここに腰を据え<北斗星>を待ちます。さすがは、物流の大動脈!コンテナ列車が次から次へやってきます。
とはいえDF200ばかりで、少々飽きてきたと思ったころ、遠くから重低音のエンジン音を響かせて、青い機関車に牽かれた<北斗星>がゆっくりと近づいてきます。
やはり、客車列車は、間近で見ると一段と良いものに思えま
す。悪天候で凹んでいた気持ち
が少しだけ、癒されます。
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