電人ザボーガー?このTV番組の名前は知っていましたが作品を見た記憶はありません。この番組が放映された時代、雨後のタケノコの様にTV特撮ドラマが製作されていました。もちろん粗製乱造のきらいはありましたが、今から思うと実に幸せな時代であったのでしょう。その中の一つであろう電人ザボーガーが映画としてリメイクされたとの事。私がこの映画に興味を持ったのは、一般ニュースでぴあの初日公開満足度1位を取った事を知り、各映画サイトのレビューなどでも高評価が並んでいるのを見て、これは観ておかねばと思うようになっていきました。とは言え上映しているのは大都市か一部の地方映画館中心で私が住んでいる四国では上映される見込みが無いようです。このまま座していたならば、上映は終了してしまいます。ちょうど休暇が頂けたので、旅の途中に広島に立ち寄り、ひょっとしたら傑作かもしれないこの映画を観ることにします。
やって来たのは、JR天神川駅近くにある巨大ショッピングモール内にあるバルト11です。この辺りは、土地勘があります。なんと言ってもJR貨物広島工場に近いので、工場公開時に食事のため寄った記憶があります。ちなみにここは何故か広島市ではなく安芸郡府中町となっています。ショッピングモールに一歩足を踏み入れると、巨大なクリスマスツリーが迎えてくれます。今年初めて見るクリスマスツリーです。信仰心なぞ無い私ではありますが、見ると気分が高揚してきます。
映画館の窓口でチケットを購入します。フロントの男性が御席はどうなさりますか?と聞いてきたので「真ん中あたりで、周りに人が居ない席はありますか?」と聞くと「大丈夫です。今の時点で2人しかいませんから。」と自信たっぷりの返事が返ってきました。ホールはボーイング737の客席数程あり、平日とは言え、私+2人は寂しいと言うべきか、気恥かしいというか複雑な気分です。とは言え、観たかった映画が見えるのは素晴らしい。
この映画は2部構成になっており第1部が、若き日の主人公大門が、父の残したバイクに変形するロボットザボーガーと一緒になって、秘密犯罪組織Σと戦う姿を描きます。おそらくTVシリーズを丁寧にリメイクしているのだと思います。主人公は血が有り余っている熱血青年として描かれ、守るべき政治家の腐敗に憤り、葛藤を見せたりもします。とは言え、シリアスにリメイクしたというのでも無く、笑わせてくれたり(時に失笑も)します。
そんな中、敵のミスボーグと心惹かれる様になり、成り行きで?子供番組にはふさわしくない事ですが関係を持ってしまいます。この事が、ザボーガーとの信頼関係を損ない、第二部での悲劇?に繋がっていくのですが・・・・。、劇中のアクションもテンポよく、観る者を楽しませてくれます。ともかく第1部のラストでザボーガーもミスボーグも爆砕してしまいます。そして25年の歳月が流れた時代から第二部がスタートします。若かった大門も板尾創路演じる哀しい47歳の中年となって登場します。ここから、ラストまでシリアス度はありませんが、怒涛の勢いで強引に話を持っていきます。多分、一般の観客はかなりおいてきぼりにされた気持ちになるんでは無いかな?一歩間違えば、<たけちゃんマン>、<仮面ノリダー>等のコントになりかねない場面の連続ですし。ただし、特撮ヒーローものに一度でもハマった事がある大人ならば、過剰ともいえる演出に身を乗り出してしまう事でしょう・・・・。
この映画、私が高校時代所属した映画部で製作に関わった映画の乗りに近いんです。もちろん製作3億円の本作と高校生の製作した8ミリ映画と比較するのは無茶なんですが、ベクトルというかスピリットというのは似ているのではないか。そう思ったのはベースとなったオリジナルに対するリスペクトの気持ちと情熱(間違っているかもしれないけれど)がひしひしと伝わってくるからなんです。とは言え広島までは遠かった・・・。
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