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花日和 Hana-biyori

母は「呼んでみたんだよ」と言った。

特養に入所中の母を兄の要請で内科病院に連れていくので、朝から施設まで行きました。

駅までダッシュしたら弁慶が筋肉痛!になりました。

電車を乗り継いで往復3時間。兄の方が近い(車で片道15分)のに…などなどなどの不満は飲み込みつつ。

兄が心配するような病状は特になく、というか内科ではわからず、血液検査もしてみましたが悪い所はありませんでした。

血液検査の結果を待つ間に売店でおにぎりを買って一緒に食べました。

そのとき、母が急に診察室のドアを指さし「診察室が8こもあるんだね」と感想を述べました。大きな病院だったので。(午後で空いてきたので待ち合い室で食べていいと言われてました)

それとびっくりしたのは、私がもう何もせず待つのに耐えきれずスマホで電子書籍を読んでいたら、母が「〇〜〇〜」と私の名前を呼びました。大きな声ではなかったけど目の前にいる割には遠くに呼びかけるような絞り出すような調子で。

続けて2回呼ぶのでなあに?と聞いたら「〇〇って呼んでみたんだよ」と子どものような口調で言います。「そっか〜久しぶりに名前呼ばれたわ」と答えるわたし。

一番しっかりした口調だったのが、帰りの施設車の中で、私と手を繋ぐと「あったかい手だね〜!」とビックリしたように言ったことです。

あ、それとまだ午前中に待っている時、だいぶ腹回りがだぶついた母のお腹をポンポンしていたら、胸かな?という感触があったので「お腹かおっぱいか分からないね」と言ったら、マスク越しに少し笑ったようでした。

4時間以上一緒にいて、私はあれこれ話しかけたり聞いたりしますが、母が「うん」以外の言葉を発したのが、そういう風に数えるほどでした。





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