「夫婦1」
最近、近所を散歩していると、高齢のご夫婦が仲良く並んで歩いている姿をよく見かける。
ゆっくりと歩きながら、道沿いのお宅の庭木を眺めたり、鳥の声が聞こえると空を見上げたり、穏やかさを絵に描いたようだ。
これまでの人生には山も谷もあったはずなのに、それを夫婦で乗り越えて、最後はとても仲良しというのが素晴らしい。
私の周囲を見ていると、新婚当時は幸せ全開だったのに夫婦が40代になった頃から、様々な問題が噴出する。
妻は夫の鈍感さにあきれ、夫も妻の言動にウンザリし始める。
お互いに話し合う時間の余裕もなく、腹を立てているうちに気持ちがどんどん離れていくようだ。
20年以上前、雑誌の編集をしている人から聞いた話を思い出した。
彼が務めている出版社は発行している雑誌に賞を設けていて、小説を公募して優秀作を単行本化していた。
様々な内容の原稿が送られてくるのだが、その中のミステリー小説の殆どに一つの傾向があると教えてくれた。
「殺される被害者が殆ど主人公の妻なんです」
ミステリー小説となると殺人事件がつきもので当時は応募してくるのも男性が多かったらしい。
送られてきた原稿を選考委員に渡す前に編集部で下読みをする際に、あまりに妻が事件に巻き込まれて亡くなる設定が多いので彼らでも驚いたらしい。
なかにはここで妻が犠牲になる必要など全くないのに無理やり、消された印象がある内容のものもあったと言う。
つづく
シミ、シワ、タルミ専門店
SOU創顔
http://sougan.main.jp/