腹腔内は腹膜という薄い膜に覆われています。背中側の腹膜よりさらに背側にある臓器を後腹膜臓器といい、大動脈、下大静脈、膵臓、腎臓、尿管その他があります。胃癌がこの後腹膜方向へ進展していくことがあります(後腹膜浸潤)。❥その浸潤に伴ない胃癌の治療上特に問題となるのが、尿管狭窄です。癌の後腹膜への進展に伴ない尿管が締め付けられていくわけです。尿管は腎臓でつくられたおしっこを膀胱へ運ぶ管。それが詰まってくればおしっこを体の外へ出せなくなり急性腎不全となります。❥検査上腎機能低下が明らかになるのは、尿管がいよいよ狭くなってからですから、一旦悪化し始めると短期間のうちに一気に急性腎不全へとなってしまいます。そうなった場合、尿管の中に細い管(ステント)を入れてもらいます。それにより尿の通り道を確保するわけです。ステントを入れるのは膀胱鏡というカメラを膀胱に入れ、尿管の出口を確認して入れるので手術は必要ありません。ただ、見つかるのが遅れて、尿管が完全に締め付けられてしまいステントが入らない場合は、背中から直接腎臓に管を入れる(腎瘻)必要があり、これは手術が必要です。❥腎不全になれば命にもかかわりますし、抗がん剤の使用もできなくなります。進行癌で後腹膜浸潤が疑われる場合には、常に尿管狭窄の可能性を考えておく必要があります。
腹腔内は腹膜という薄い膜に覆われています。背中側の腹膜よりさらに背側にある臓器を後腹膜臓器といい、大動脈、下大静脈、膵臓、腎臓、尿管その他があります。胃癌がこの後腹膜方向へ進展していくことがあります(後腹膜浸潤)。❥その浸潤に伴ない胃癌の治療上特に問題となるのが、尿管狭窄です。癌の後腹膜への進展に伴ない尿管が締め付けられていくわけです。尿管は腎臓でつくられたおしっこを膀胱へ運ぶ管。それが詰まってくればおしっこを体の外へ出せなくなり急性腎不全となります。❥検査上腎機能低下が明らかになるのは、尿管がいよいよ狭くなってからですから、一旦悪化し始めると短期間のうちに一気に急性腎不全へとなってしまいます。そうなった場合、尿管の中に細い管(ステント)を入れてもらいます。それにより尿の通り道を確保するわけです。ステントを入れるのは膀胱鏡というカメラを膀胱に入れ、尿管の出口を確認して入れるので手術は必要ありません。ただ、見つかるのが遅れて、尿管が完全に締め付けられてしまいステントが入らない場合は、背中から直接腎臓に管を入れる(腎瘻)必要があり、これは手術が必要です。❥腎不全になれば命にもかかわりますし、抗がん剤の使用もできなくなります。進行癌で後腹膜浸潤が疑われる場合には、常に尿管狭窄の可能性を考えておく必要があります。