Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

最後まで

2012-07-06 | 想い・雑感
末期がんの患者さんに対し
代替医療と銘打って
治療方法をアピールする人が
世の中にはたくさんいる

患者さんの体調を整えるといういみでは
ぜひ取り入れてみたいと思う
代替医療もあるが
癌治療という意味で効果があると思われるものは
いまのところほとんどない

それでも
真摯に治療を進め
そして最後まで目の前の患者さんに
付き合い寄り添う気持ちでやってくれているのならまだよいが
「効果ありまっせ!!」と宣伝している治療方法で
うまくいかないとわかると(うまくいかなくて当然のものが多いのだが…)
こちらの治療では無理なので
医療機関で対応してもらってくれと放り出す

そんなところが少なくない

私は外科医だから
手術技術を高めるために努力してきたつもりだが
手術はあくまで治療の一手段であり
手術ができない状態の患者さんだからと言って
放り出さないと決めてやってきた
抗癌剤治療 緩和ケア 栄養サポート…
患者さんが望めば 最後まで付き合う
それがわたしのやり方

だから
効かないとわかれば放り出す姿勢に
強い憤りを感じる

でも仕方がない
宣伝しているやり方以外の術を
知らないのだから

ただ
治療しなければ家庭で過ごせる時間が
2か月程度と思われる進行胃癌患者でも
きちっと抗がん剤治療を行えば
10か月くらい家庭で過ごせた可能性があったと考えた場合(これは統計的事実)
結局2か月しか家庭で過ごせなかった
代替医療を選択した人を思うと
あやふやな治療方法で患者を集める人間の罪は重いと思う

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