日本は古来、秋津島(あきつしま)と呼ばれていた。秋津は、トンボのこと。水の豊かな島国にトンボが舞い飛ぶ姿は、日本の象徴でもあったのだろう。ところが。
9月30日の東京新聞、こちら特報部。1ヶ月近くたってしまいましたが、気になる記事だったので、忘れちゃいかんとブログにクリップしておきます。
特に保護などしていない福井県勝山市は、容疑のかかっている農薬がたまたま普及していなかったことで、赤とんぼの急減を免れた、というのが、とてもわかりやすい。
20年位前、那須高原に行った時に、朝晩、赤とんぼの大群が竿という竿に止まって、ずらーっと並んで休んでいたのを思い出す。
アキアカネは、水田のある里で生まれ、トンボになってからは山で夏を過ごし、秋になって色が濃くなってきてまた里に降りてきて、卵をうむ。
突然秋になって姿を洗わず赤とんぼに、それまでどこにいるのかと疑問だったのだけれど、そんなことも20年前の私は知らなかった。夏の那須高原で赤とんぼの群れに出会えたことで長年の謎が解けた(笑)。
今は、群れになって飛ぶ姿も、見られないのだろうか。
秋津国・秋津島とは、どちらも「日本」の古語名。トンボの飛びかう島国が日本という国。・・・愛国心とはなんだろうと思うことがある。
愛国心とは、ナショナリズムを煽り他民族を差別することや、国家体制に何も疑問を持たずに従うことではないはず。
国を愛することは、先祖から受け継いだ、生まれ育った国土や文化を大切にすること、そして、それを次の世代に手渡してゆくことではないか。だとしたら、国土を汚染する原発も農薬も、愛国心から遠く離れたものではないか。
★関連サイト
自然しらべ2014 赤とんぼさがし!
9月30日の東京新聞、こちら特報部。1ヶ月近くたってしまいましたが、気になる記事だったので、忘れちゃいかんとブログにクリップしておきます。
赤とんぼ急減 絶滅の恐れ?
赤とんぼの代表種「アキアカネ」が全国的に減っている。環境省は今月、稲作に使われる農薬のトンボの生態に与える影響の実態調査に乗り出した。研究者らは以前から、農薬の問題を指摘していた。日本の原風景のひとつともいえる赤とんぼが舞う秋の風景の今後は―。(白井正和)
■環境省初の農薬関連調査
政府による調査は今回が初めてだが、アキアカネの現状はどうなのか。
三重県は今年、絶滅の恐れがある生物を記載する「県レッドリスト」の「準絶滅危惧種」に、アキアカネを加えた。県みどり共生推進課は「身の回りでは、目に見えて減った現象」と話す。富山県は2012年に、六段階で上から五番目の「絶滅にいたる可能性があるが、情報が不足しており、今後生息・聖域状況に注意すべき種」に指定していた。
今回の調査は国立環境研究所が請け負い、全国7ヶ所の池や湖沼の水や堆積物の残留農薬、トンボの農薬に対する耐性を調べる。対象は、「フィプロニル」1種と「イミダグドプリド」などネオニコチノイド(ネオニコ)系七種の成分を含む農薬。使い勝手が良いと、全国の田んぼで使われている。
調査は来年3月まで。
「影響を確認できれば、農林水産省や農薬メーカーなどと対策を協議することとなる」と環境省農薬環境管理室は説明した。
調査開始のきっかけは、13年5月の欧州連合(EU)が、ミツバチ減少に影響しているとして、ネオニコ系の殺虫剤の使用を禁止したことだという。もう一つ、国内各地の研究者が、アキアカネの生息と農薬の問題を指摘し続けてきたことも大きく関係している。
■研究者試算「20年で生息数0.1%未満」地域も
石川県立大の上田哲行教授(動物生態学)が同県内で行った調査によると、水田1枚でヤゴから羽化したアキアカネは、1989年には平均30匹だったが、07~10年は1匹未満だった。
上田教授は「作付面積の減少などで生息数が変動することはあっても、ここまで極端な現象はおかしい。農薬の影響だと考えられる」と指摘した。みやぎ台の神宮寺寛准教授との共同研究では、ネオニコ系の2種類の成分を含む薬を使った水田は、不使用の水田と比べ、ヤゴの羽化率が3割と低かった。また、フィプロニルを含む農薬を使った水田ではヤゴはまったく羽化しなかった。
上田教授が、この羽化率と都道府県別の農薬流通量を元に試算したところ、半数以上の府県は2009年の時点で、アキアカネの生息数は1990年の0.1%に減少という結果が出た。減少が著しいが、石川県内の一部地域で確認した推移と、ほぼ一致したという。
童謡「赤とんぼ」の舞台、兵庫県たつの市でも、アキアカネの姿は見られなくなっている。市民団体は、アキアカネの影響の少ない農薬の使用を農家に呼びかけている。
一方で、福井県勝山市のようにアキアカネの急減を免れた地域もある。市環境政策課は「トンボの繁殖など特別な対策はしていない。環境省の調査対象となった農薬がたまたま普及しておらず、要因の一つになったと考えている」と説明した。
上田教授は「環境省の調査開始は、タイミング的に遅いといえるが、チェック態勢を整えることにつながれば意義がある。赤とんぼは国民に親しまれており、感心は高いはず。国は農家や市民に、農薬が害虫以外の生物に与える影響をきちんと説明することも大事だ」と話した。
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赤とんぼの代表種「アキアカネ」が全国的に減っている。環境省は今月、稲作に使われる農薬のトンボの生態に与える影響の実態調査に乗り出した。研究者らは以前から、農薬の問題を指摘していた。日本の原風景のひとつともいえる赤とんぼが舞う秋の風景の今後は―。(白井正和)
■環境省初の農薬関連調査
政府による調査は今回が初めてだが、アキアカネの現状はどうなのか。
三重県は今年、絶滅の恐れがある生物を記載する「県レッドリスト」の「準絶滅危惧種」に、アキアカネを加えた。県みどり共生推進課は「身の回りでは、目に見えて減った現象」と話す。富山県は2012年に、六段階で上から五番目の「絶滅にいたる可能性があるが、情報が不足しており、今後生息・聖域状況に注意すべき種」に指定していた。
今回の調査は国立環境研究所が請け負い、全国7ヶ所の池や湖沼の水や堆積物の残留農薬、トンボの農薬に対する耐性を調べる。対象は、「フィプロニル」1種と「イミダグドプリド」などネオニコチノイド(ネオニコ)系七種の成分を含む農薬。使い勝手が良いと、全国の田んぼで使われている。
調査は来年3月まで。
「影響を確認できれば、農林水産省や農薬メーカーなどと対策を協議することとなる」と環境省農薬環境管理室は説明した。
調査開始のきっかけは、13年5月の欧州連合(EU)が、ミツバチ減少に影響しているとして、ネオニコ系の殺虫剤の使用を禁止したことだという。もう一つ、国内各地の研究者が、アキアカネの生息と農薬の問題を指摘し続けてきたことも大きく関係している。
■研究者試算「20年で生息数0.1%未満」地域も
石川県立大の上田哲行教授(動物生態学)が同県内で行った調査によると、水田1枚でヤゴから羽化したアキアカネは、1989年には平均30匹だったが、07~10年は1匹未満だった。
上田教授は「作付面積の減少などで生息数が変動することはあっても、ここまで極端な現象はおかしい。農薬の影響だと考えられる」と指摘した。みやぎ台の神宮寺寛准教授との共同研究では、ネオニコ系の2種類の成分を含む薬を使った水田は、不使用の水田と比べ、ヤゴの羽化率が3割と低かった。また、フィプロニルを含む農薬を使った水田ではヤゴはまったく羽化しなかった。
上田教授が、この羽化率と都道府県別の農薬流通量を元に試算したところ、半数以上の府県は2009年の時点で、アキアカネの生息数は1990年の0.1%に減少という結果が出た。減少が著しいが、石川県内の一部地域で確認した推移と、ほぼ一致したという。
童謡「赤とんぼ」の舞台、兵庫県たつの市でも、アキアカネの姿は見られなくなっている。市民団体は、アキアカネの影響の少ない農薬の使用を農家に呼びかけている。
一方で、福井県勝山市のようにアキアカネの急減を免れた地域もある。市環境政策課は「トンボの繁殖など特別な対策はしていない。環境省の調査対象となった農薬がたまたま普及しておらず、要因の一つになったと考えている」と説明した。
上田教授は「環境省の調査開始は、タイミング的に遅いといえるが、チェック態勢を整えることにつながれば意義がある。赤とんぼは国民に親しまれており、感心は高いはず。国は農家や市民に、農薬が害虫以外の生物に与える影響をきちんと説明することも大事だ」と話した。
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特に保護などしていない福井県勝山市は、容疑のかかっている農薬がたまたま普及していなかったことで、赤とんぼの急減を免れた、というのが、とてもわかりやすい。
20年位前、那須高原に行った時に、朝晩、赤とんぼの大群が竿という竿に止まって、ずらーっと並んで休んでいたのを思い出す。
アキアカネは、水田のある里で生まれ、トンボになってからは山で夏を過ごし、秋になって色が濃くなってきてまた里に降りてきて、卵をうむ。
突然秋になって姿を洗わず赤とんぼに、それまでどこにいるのかと疑問だったのだけれど、そんなことも20年前の私は知らなかった。夏の那須高原で赤とんぼの群れに出会えたことで長年の謎が解けた(笑)。
今は、群れになって飛ぶ姿も、見られないのだろうか。
秋津国・秋津島とは、どちらも「日本」の古語名。トンボの飛びかう島国が日本という国。・・・愛国心とはなんだろうと思うことがある。
愛国心とは、ナショナリズムを煽り他民族を差別することや、国家体制に何も疑問を持たずに従うことではないはず。
国を愛することは、先祖から受け継いだ、生まれ育った国土や文化を大切にすること、そして、それを次の世代に手渡してゆくことではないか。だとしたら、国土を汚染する原発も農薬も、愛国心から遠く離れたものではないか。
赤とんぼ 由紀さおり 安田祥子 歌詞付き 童謡
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