ミツバチ大量失踪にも関わる可能性が非常に高いネオニコ系農薬。その規制緩和に関して、募集したパブリックコメントのほとんど全部と言っていいほどの意見が反対であったにもかかわらず、厚労省はそれを無視して、さらに緩和する方針であるとのこと。
厚労省は、国民の命と健康を守るはずの役所なのに、まったくその役割を果たしていない。
天下り先としての大企業との関係。薬害エイズに象徴されるような、官僚の怠慢と大企業との癒着が浮かび上がってくる。
中国の露骨すぎる汚職官僚とは規模が違うだろうけれど、結果として、起こってしまうこと・・環境汚染と国民の健康被害、同じではないか?
北陸中日新聞2月10日より
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厚労省は、国民の命と健康を守るはずの役所なのに、まったくその役割を果たしていない。
天下り先としての大企業との関係。薬害エイズに象徴されるような、官僚の怠慢と大企業との癒着が浮かび上がってくる。
中国の露骨すぎる汚職官僚とは規模が違うだろうけれど、結果として、起こってしまうこと・・環境汚染と国民の健康被害、同じではないか?
北陸中日新聞2月10日より
世界的ミツバチ大量失踪の原因か ネオニコ系農薬食品基準「99%緩和反対」なのに 厚労省、無視? 緩和案
ネオニコチノイド系農薬は、世界各地で起きているミツバチ大量失踪の原因とされる
世界で相次ぐミツバチの大量失踪の原因ともされる「ネオニコチノイド系農薬」について、厚生労働省が食品残留基準の緩和を強行しようとしている。パブリックコメント(意見公募)で圧倒的な反対を受けた緩和案を、断念するどころか逆に基準をさらに緩める案を示しているのだ。 (林啓太)
世界の流れに逆行 「意見検討したか検証を」
ネオニコ系の農薬は、日本で水田の害虫カメムシなどを駆除する目的で広く使用されている。昆虫の神経の働きを妨げて殺す仕組み。植物の葉や茎にも成分が残り、殺虫効果が続くのが特徴で、コストが安くて済む。
2000年代以降、ミツバチが姿をくらます現象が世界各地で多発。ネオニコ系農薬のためにミツバチの方向感覚が狂って巣に帰れなくなることが原因とされる。ほかにも生物への悪影響を指摘する研究結果が多く発表されている。世界的にネオニコ系農薬追放の世論が高まり、欧州連合(EU)は、13年5月、3種類のネオニコ系農薬の使用を禁止する決定をした。
ところが、日本ではこの流れに逆行。農林水産省はネオニコ系農薬の使用基準を緩和する方針。農水省の要請を受けた厚労省も、食品の残留基準緩和の検討を始めた。13年6月、ネオニコ系農薬の一種である殺虫剤クロチアニジンの残留基準を約40項目で緩和する方針を示した。食品1キログラム当たりの限度量を、ホウレンソウは従来の13倍の40ミリグラム、シュンギクは50倍の10ミリグラムなどとした。
厚労省が13年10〜11月に募集したこの緩和案についてのパブコメでは、圧倒的多数がノーを突きつけた。情報公開請求でパブコメ結果を入手したグリーンピース・ジャパンによると、寄せられた1657件の意見のうち、明確に賛成しているのははわずか1件。残りは「食の安全性を無視している」「影響のない根拠を示せ」など緩和に懸念を示す記述ばかりだった。
反対意見を受け、厚労省は緩和案を再検討した。ところが、昨年12月に示した新たな緩和案は、規制を前より緩める形になっていた。新緩和案は対象の食品をゴボウやシイタケなど10項目以上も増やし、限度量はゴボウを従来の10倍の0.2ミリグラム、シイタケを2.5倍の0.05ミリグラムなどとした。
厚労省食品安全部基準審査課の大田光恵課長補佐は「新たな案は、食品安全委員会の判断に基づき決めた。パブコメの反対意見のうち、科学的な知見に基づくものは食品安全委員会で検討した」と説明。反対意見が大勢を占めたことについては「反対意見が何件なら重く、何件なら軽いということはない。意見の内容次第だ」とする。厚労省は、新緩和案についてのパブコメを今月21日まで募集している。
市民団体「反農薬東京グループ」の辻万千子代表は「ネオニコ系農薬を使わなければならない理由さえ分からない。農薬を製造するメーカーの方を向いているとしか考えられない」と批判する。厚労省の薬事・食品衛生審議会の農薬・動物用医薬品部会の委員からも懸念が出ている。委員の大阪市立大の鰐渕英機教授(化学発がん)は「ホウレンソウだけ基準値がめちゃくちゃ高い。ほかにもっと(健康への害が少ない)効果のあるものを使うべきではないか」と疑義を示した。
学習院大の常岡孝好教授(行政法)は「厚労省がパブコメを考慮し当初案を強行しなかったことは評価できる。ただ、新緩和案で、環境やミツバチへの影響について長期的に調査すべきだという意見を検討したのかどうか。市民を含めて検証していくべきだ」と話した。
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厚労省が13年10〜11月に募集したこの緩和案についてのパブコメでは、圧倒的多数がノーを突きつけた。情報公開請求でパブコメ結果を入手したグリーンピース・ジャパンによると、寄せられた1657件の意見のうち、明確に賛成しているのははわずか1件。残りは「食の安全性を無視している」「影響のない根拠を示せ」など緩和に懸念を示す記述ばかりだった。
反対意見を受け、厚労省は緩和案を再検討した。ところが、昨年12月に示した新たな緩和案は、規制を前より緩める形になっていた。新緩和案は対象の食品をゴボウやシイタケなど10項目以上も増やし、限度量はゴボウを従来の10倍の0.2ミリグラム、シイタケを2.5倍の0.05ミリグラムなどとした。
厚労省食品安全部基準審査課の大田光恵課長補佐は「新たな案は、食品安全委員会の判断に基づき決めた。パブコメの反対意見のうち、科学的な知見に基づくものは食品安全委員会で検討した」と説明。反対意見が大勢を占めたことについては「反対意見が何件なら重く、何件なら軽いということはない。意見の内容次第だ」とする。厚労省は、新緩和案についてのパブコメを今月21日まで募集している。
市民団体「反農薬東京グループ」の辻万千子代表は「ネオニコ系農薬を使わなければならない理由さえ分からない。農薬を製造するメーカーの方を向いているとしか考えられない」と批判する。厚労省の薬事・食品衛生審議会の農薬・動物用医薬品部会の委員からも懸念が出ている。委員の大阪市立大の鰐渕英機教授(化学発がん)は「ホウレンソウだけ基準値がめちゃくちゃ高い。ほかにもっと(健康への害が少ない)効果のあるものを使うべきではないか」と疑義を示した。
学習院大の常岡孝好教授(行政法)は「厚労省がパブコメを考慮し当初案を強行しなかったことは評価できる。ただ、新緩和案で、環境やミツバチへの影響について長期的に調査すべきだという意見を検討したのかどうか。市民を含めて検証していくべきだ」と話した。
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