羽生選手の演技動画でジャンプを見分ける! その3 「元気系のエキシビション・プログラム」 です。
今回と次回で、実際のエキシビション・プログラムの中で、それぞれのジャンプを見ていきたいと思います。
今回は、羽生選手の活発・元気系のエキシビション・プログラムばかりを集めました。 (次回その4は、しっとり系エキシビション・プログラムで)
ジャンプの種類と特徴、基本的な説明とスロー動画は、羽生結弦選手の演技動画でジャンプを見分ける!の「その1」を、
練習動画や試合プログラムを使った全種類の見分けについては、「その2」 をご参照ください。
(エキシビション・プログラムでは、羽生選手は時々、回によって違うジャンプを跳ぶことがあります。
ここで説明されている演技と同じ演技でも、回によっては跳んでいるジャンプが同じではない場合もありますので、そこはご注意ください。)
1: まず最初に、羽生選手がまだ14歳なりたて・中学2年時の、2009年の名古屋フィギュアスケートフェスティバルでの 「Change」を使ってみます。
全日本ジュニアで、優勝した後です。 見事な身のこなしです。 踊れる踊れる。 回る回る。
「ビールマンを男のくせにやるんですよ!」なんて解説の山田コーチ(村上佳菜子選手のコーチ)に言われています。(笑)
この動画では、ハイドロブレーディングの拡大スローモーションまで観ることが出来ます。
一つ目。 両足を開いてから、トウをつかずに、右足を振り上げて跳んでいますから、サルコウです。 3回転サルコウ。
(動画の最後に、スローモーションが出てきます。)
二つ目。 前向きに跳びあがりましたので、アクセルです。 3回転アクセル。
直後に続けた後続ジャンプは、左足を後ろに引いて、左のトウをついていますので、トーループです。 2回転トーループ。
したがって、このジャンプは、3回転アクセル + 2回転トーループ のコンビネーション・ジャンプだったことになります。
(最後、ちょっとステップ・アウトしてしまいましたが。)
三つ目。 左足を後ろに引いて、トウをついて跳んでいますので、トーループです。 3回転トーループ。
(注意: 解説で、「ハイドロ」を、ハイドロ”プレーニング”と呼んでいますが、「ハイドロブレーディング」(hydroblading)の間違いです。
最初にこの技を作った人が、水の「ハイドロプレーニング現象」の言葉からヒントに、ブレード(=スケートの刃)と掛け合わせて、「ハイドロブレーディング」とあえて名付けたそうですので、うっかり混同したのだと思います。
羽生選手は、この技を、「ハイドロブレード」ってよく呼んでいます。)
2: 次は、シニアデビュー年のエキシビション「Vertigo」を、2011年にやってくれた動画で、ジャンプを見てみます。
羽生選手、16歳、高校2年です。
一つ目。 前向きに跳びあがりました。 アクセルです。 3回転アクセル。
しかし、180度開脚して着氷するという、前代未聞の荒技を見せてくれました。(笑)
二つ目。 トウを使わずに、後ろ向きに跳びあがりました。 つまり、エッジジャンプのうち、候補はサルコウかループとなります。
右足を振り上げて跳びあがっています。 サルコウです。 3回転サルコウ。 着氷失敗ですが。
3: 今度は、羽生選手の2011年のエキシビション「somebody to love」 で、見分けてみたいと思います。 羽生選手16歳、高校2年の時です。
こちらも、最高おススメ演技内では紹介していない、2011年の中国杯のエキシビション動画を拝借します。
一つ目・ 最初に出てくるジャンプは、前向きに跳びあがって、ジャンプを開始していますので、アクセル。 3回転アクセルです。
二つ目・ 次が、くるくると左回転(反時計回り)を繰り返してから、そのままポンと跳んでいくのが解ります。
(= ジャンプを跳ぶ直前の、後ろ向きになった体勢の時に、左足のインサイドエッジに乗る)
右足を後ろに引いて右足のトウをついて跳んでいますので、フリップがルッツになりますが、
インサイドエッジ踏切でジャンプしたので、3回転フリップです。
(足の傾きが内側か外側かが見えずに解らなくても、直前の動きで、フリップを跳ぼうとしていると判断できます。)
三つ目 ・ 最後のジャンプは、ちょっと難しいかもしれませんが、まず、トウをつかずに跳んだことに気が付いて下さい。つまり、エッジジャンプです。
前向きに跳んだらアクセルですが、これは後ろ向きに跳びあがっていますので、候補はサルコウかループに絞られます。
腰を低く落として、右足を後ろに引き、左足を前に交差させてから後ろ足となる右足のアウトサイド・エッジで離氷していて、足がねじれるようにして跳んでますので、ループだと解ります。 3回転ループです。
エッジ・ジャンプは、右足が後ろで、両足を交差させて腰を深く落としてから跳びあがったら、ループ、
両足を横に(ハの字型に)軽く開いてから、右足を(左足の太ももの上に)振り上げるようにして跳びあがったら、サルコウ、です。(左足インサイド・エッジ踏切)
4: 今回最後に観るのは、2012年のエキシビション「Hello,I love you」です。 羽生選手、17歳。 高校3年生の時です。
一番ジャンプが見やすい、最高おススメでは紹介してないものを、ニコニコ動画から。
アイスショー「THE ICE 」の時のもの。(動画主様、拝借致します!)
実は、この映像がなんとも怖いのは、最後の最後に、正真正銘の「羽生選手のファントム(幻)」が出現するところです!
何それ?という感じですが、ぜひ、最後のスロー動画まで、注意してしっかり見て下さい。
画面上の文字を消すには、画面右下のセリフ吹き出しマークをクリックして消去して下さい。 (答えを書いてしまっている方がいるので!)
解説者が、ジャンプの種類をその場で言ってしまうものが二つありますが、スロー再生映像まで含めて、
残りの3つのジャンプが何なのかを、特に注意して見て下さい。
一つ目。 解説者が言ってしまいましたが、左足を後ろに引いて、そのトウをついて跳んでいますので、トーループです。 3回転トーループ。
二つ目。 前向きに跳びあがりました。 アクセルです。 しかし、回転が抜けてしまい、1回転アクセル。(=1回転半ジャンプです)
なんと見事な、ド派手な 1回転アクセルでしょう!このようなものを跳ぶ羽生選手は、滅多に見られませんね!(笑)
三つ目。 羽生選手、先ほどのリベンジに挑みました。 再び前向きに跳びあがりました。 解説者が答えを言ってしまいますが、アクセルです。
見事な 3回転アクセル(=トリプル・アクセル)でした!
四つ目。 トウをついていません。後ろ向きスタートのエッジジャンプです。 (=サルコウか、ループになります。)
両足を横に開いた状態から、右足を振り上げて跳んでいるので、サルコウです。 3回転サルコウ。
五つ目。 演技が終わって、スロー再生でのジャンプを、注意して見て下さい。
このジャンプは何でしょうか?
右足が後ろで左足を前に交差させた状態から、腰掛けるような、腰を落とした低い体勢からトウをつかずに跳びあがっています。
これは、エッジジャンプのうちの、ループです! 3回転ループ!
え? あれ? あれれ? 演技中に、ループ跳んだ瞬間なんて、ありましたっけ? そんな記憶はないような…?
・・・なんど動画を再生して確認してみても、ループを跳んでいる瞬間は、ないんですね… 一度もありません。
キャ~! 羽生選手の「ファントム」(Phantom)=幻 出現!!
誰よこれ!って、どう見ても羽生選手本人だよ!
この映像は、いったいどこから持って来られたのでしょうか… 謎です。(笑)
テレビ局の中には、羽生選手のファントムが大勢記録・保管されているのでしょうね、きっと。(苦笑)
衣装が同じなだけに、大混乱させられますが、どう考えても、別の回でループを跳んだ時のものが間違って流されたとしか思えません。
沢山のジャンプの種類が観られて、実にお得な映像を見たということにして、今回は笑って済ませておきましょう!
いかがでしたでしょうか。
羽生選手はアクセルが非常に得意なので、ほぼ必ずと言っていいほど、アクセルは跳んでくれます。
楽しく観ながら、覚えられるといいですね!
この続きの「その4」では、しっとり系のエキシビション・プログラムについて、観ていきます。
(万が一、間違いやミス等がございましたら、遠慮なくご指摘下さい。)