天満敦子のヴァイオリンコンサートに出かけた。ルーマニアのPormbescu作曲の”Balada(望郷のバラード)”、バッハの”Partita”、アンコールで演奏してくれた坂本九の”見上げてごらん夜の星を”が特に良かった。繊細さと力強さのいずれにも豊かな表現力のある、しかも音色に深みのあるすばらしい演奏だった。前日青森で演奏したということだが疲れを感じさせない演奏で、しばし満ち足りた時間を過ごすことができた。作曲家Pormbescuは祖国ルーマニアの独立運動に身を投じ29歳の若さでこの世を去ったが、100年の時を経て彼の楽譜が天満の手に渡り、世界中の人の心を魅了しているとのことで、作曲家の思いを心に浮かべながら聴いた無伴奏のその調べには、やはり心を打たれた。
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