訳ありで16年前に家を出て、時運に乗り「軽費老人ホーム」入居を経て賃貸マンションで独居暮らしで過ごしたが、齢87歳、腰痛で入院加療・1か月後退院を機に我が家に帰ってきた
ヘルパーの支援を得て都会の便利な生活から、山奥のさびれた寒村に戻ってみると、覚悟していたとはいえ、病院はおろか郵便局や公共施設への遠距離徒歩・旧知の村人の高齢化でコミユニケーションの断絶は想像を遥かに超えて絶句した
然し、もはや多額の費用を費やし歳や体力を考えれば、受け入れてくれる社会はなく、日常の生活環境を整備し”健康維持と平穏”を目標に暮らす覚悟を決めた
今更、金銭欲もなくなり生活費の激減も心に響かない
森の中にポツンと立つ古木のように、遠からず朽ち果てる自明の摂理を脳裏に刻み、日々最善を尽くすことにした
”国破れて 山河あり”