日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

番組スポンサーを降りると言うこと

2014-01-23 20:57:00 | CMウォッチ

日本テレビ系で放映されている「明日、ママがいない」というドラマが、様々な話題を呼んでいる。
我が家にはテレビが無いので、当然ドラマそのものを見てはいない。
そもそも、脚本を書いている野島伸司さんのドラマを見たことがない。
なので、ドラマについて云々書く気はない。
ただ、このドラマのスポンサーのうち3社が降りた、と言うことがこのドラマの問題性を表していると思う。
産経新聞:スポンサー3社がCM見合わせ

民放でスポンサーが番組から降りると言う場合、これまではスポンサー会社の不祥事だった。
例えば、お料理番組の単独スポンサーだった雪印は、集団食中毒事件を起こしたため、スポンサーを降りた。その後、番組そのものがリニューアルという形で、味の素がスポンサーとなった。
そして、新しいスポンサーが決まるまで「AC」のテレビCMが代わりに流れることになる。
そう考えると、番組スポンサー自らが降りると言うのは、異例のことだということが分かる。

今回、(とりあえず)スポンサーを降りた企業を見ると、キューピーやエバラという食品会社と、JX日鉱日石エネルギー(「エネオス」)の3社だ。
食品会社にとって、今回のドラマの問題というのは無視できなかった、と言うのは理解できる。
食品会社にとって、「家族」のイメージはとても大切で「家族団らんで楽しい食事を提供する」という、考えをもっている企業がほとんどだ。
にも関わらず、施設内での施設長と子ども達のやりとりには、「団らん」という言葉とはかけ離れた演出(当然脚本)がされていたようだ。
企業が求めるイメージと違い過ぎる(と言うよりも、真逆と言ったほうがよさそうな)内容では、スポンサー企業としては、提供名を外す→スポンサーを降りると言うのは、当然だろう。
スポンサーをし続けることで、社会から「あぁぁ、この会社は『家族団らん、楽しい食事』などと行っていても、違うんだな」という印象を持たれるリスクは、最大限避けたいと思って当然だろう。

もう一つ、スポンサーが降りた理由があるとすれば、テレビ局側の姿勢だと思う。
第1回目の放送直後、ドラマ内容の見直しを求めていた病院や施設、支援団体に対して、余りにも強行で上から目線の回答をしていたこともまた、スポンサー企業にとって自社のイメージを悪くする、と判断したのではないだろうか?
放送局の言い分よりも、社会の発言のほうがスポンサー企業にとって、様々な面で影響が大きいからだ。

既に、打ち切りという話もあるようだが、それだけ自信があるのであれば、スポンサーなしで最後まで放映して欲しい。
その上で、本当にドラマが社会提起できたのか、テレビ局側が検証すれば良いと思う。
個人的には「泣けば里親が早く見つかる」という程単純では無いと思うし、そんな「涙」で里親になられる方はいらっしゃらないと思う。



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