この夏も全国各地で「野外フェス」が行われた。
行かれた方も、多かったのではないだろうか?
その「野外フェス」の先駆けとなったのは、静岡県掛川市にある「ヤマハリゾート・つま恋」だったような気がする。
その「つま恋」が、年内をもって営業を終了するという。
ヤマハリゾート:つま恋
「つま恋」よりも前に、ヤマハは三重県に「合歓の郷(現在は三井不動産に譲渡され「株式会社合歓の郷」となっている)」というリゾート施設をオープンさせている。
と同時に、「ポピュラーソング・コンテスト(「ポプコン」という愛称で親しまれてきた)」を開催している。
その「ポピュラーソング・コンテスト」の会場が「つま恋」に移り、1975年には、日本における野外コンサートとしては最大観客動員となった「吉田拓郎&かぐや姫」のオールナイトコンサートが開催され、これを切っ掛けに「野外コンサート会場」として、「つま恋」が認知されるようになった。
つま恋:音楽イベント・コンサートの歴史
以来、野外コンサート会場として様々なアーティストが登場し、多くの観客を集めてきたという印象を持っている。
だが、野外コンサート会場としての「つま恋」と、リゾート施設としての「つま恋」とでは、やはりギャップがあったのかもしれない。
コンサート会場としての魅力よりも、実際の営業面で考えればリゾート施設として収益を上げるコトのほうが、重要だっただろう、と思うからだ。
コンサート会場という点で見れば、出演するアーティストによって観客動員は決まってくる。
それに比べ「リゾート施設」というのは、施設そのものの魅力が重要だからだ。
もちろん、「つま恋」にリゾート施設としての魅力が無かったわけではないと思う。
約40年も営業を続けることができた、ということを考えれば、「リゾート」という言葉そのものが馴染みが無かった頃から、「リゾート」ということに着目し、営業をし続けてきたのだ。
それだけでも、十分魅力ある施設だった、という気がしている。
ただ、時代が変わり「リゾート」に対する価値観などが、大きく変わってしまった今となっては、40年前の「リゾート」の感覚では、時代遅れになってしまった・・・ということなのだと思う。
それでも「つま恋」が残した「野外で音楽を楽しむ」という、文化の創造は素晴らしいモノがあったと感じている。
「つま恋」が開業した頃中学生だった私は、NYのセントラルパークで行われる「野外コンサート」映像などは、一種の憧れのような世界だった。
「こんな緑豊かな公園で、大好きなアーティストの音楽を聴くことができるって、すごいな~」と、単純に感心をしたし、いつかはそんな会場でライブが観たい!とも、思った。それを実現させたのが「つま恋」だったのだ。
「つま恋」での野外コンサートの成功が、今の「野外フェス」へとつながっている。
その意味でも、「つま恋」が果たした文化的役割は大きかった・・・と言う気がしている。
2012年「つま恋」で行われたapbank fesがyoutubeにありましたので・・・
apbank fes2012:ミスチル「Tomorrow never knows」
「つま恋」の野外ライブの雰囲気を楽しんでください。
森のようなところから突然見える橋は「新東名」ではないかと・・・。
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