ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
毎日小さな幸せを見つけて暮らしたい。

『手のひらの音符』『硯の中の地球を歩く』

2018-11-25 20:05:35 | 
 妹から宇宙ステーションきぼうが見えると教えられた。きぼうが見える時間に見える方向で待機。と、見えた!金星くらいの明るさでス~っと飛行機ぐらいの速さで動いている。肉眼で見えるんだ!あの中に人がいて実験をしているんだ!太陽に反射して光っている宇宙ステーションを見ると不思議な気持ちになる。

『手のひらの音符』 藤岡陽子 新潮社
 デザイナーの水樹は、自社が服飾業から撤退することを知らされる。45歳独身、何より愛してきた仕事なのに…。途方に暮れる水樹のもとに中高の同級生・憲吾から、恩師の入院を知らせる電話が。お見舞いへと帰省する最中、懐かしい記憶が甦る。幼馴染の三兄弟、とりわけ、思い合っていた信也のこと。“あの頃”が、水樹に新たな力を与えてくれる―。
 次が知りたくて、どんどん読んでいった。貧乏にもいじめにも負けずに健気にがんばる人たち。三兄弟の長男正浩の「人によって闘い方はそれぞれ違うんや。だから、自分の闘い方を探して実行したらええねん」の言葉が重い。「ドはどりょくのド、レはれんしゅうのレ、ミはみずきのミ」という歌、リレー、サドルのない自転車のエピソードがあとあと心に響いてくる。
 最後のほうで水樹が神社にたたずむ場面が好きだ。神社の樹木を見て「人なんてわずかな時間を生きているのだから、いまこの瞬間にある本当の心を大切にしなければ、なんのために生きているのかわからなくなってしまう」という水樹の言葉がいい。やさしく、よかったと思える本。

『硯の中の地球を歩く』 青柳貴史 左右社
 職業は製硯師(せいけんし)。硯(すずり)に魅せられ、墨が磨れる石を探しにいく。
 熱い。暑苦しいまでの硯愛。硯の石の買い付けに中国へ行く話がおもしろかった。硯は使っているうちに墨がすれなくなるので、硯の表面を研いでやるという話。硯の石によって、墨のすり心地が違うとか。硯の世界は奥深い。読んでいるうちに書道をしたくなってきた。
コメント
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