きゃらめるぽっぷこーん

きっかけは韓国映画、今は興味の赴くままに観ます。mottoは簡潔に。radiotalkでラジオ配信始めました。

そこのみにて光輝く

2014年05月05日 | 日本
そこのみにて光輝く  2014年  ☆☆☆☆☆
監督:呉美保
出演:綾野剛、池脇千鶴、菅田将暉、高橋和也
原作:佐藤泰志

こんなにドラマチックに人間の匂いのする映画を作ったことに感動する。
三人の若手の役者もすばらしく、見つめあう主人公と千夏や、
千夏思いの弟も、海で洗われたようにきれいだ。 井坂洋子さん(詩人)



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良かった、すごく良かった。
余韻がずっと残っていて頭から離れない。
今年ベスト3に間違いなく入る面白さでした。

「人間の匂いのする映画を作ったことに感動する」
本当にそうだと心から思う。

「ジョゼと虎と魚たち」大好きな作品なんだけど
あれからから10年が過ぎ、池脇千鶴って本当に素敵な女優になりましたね。
妙齢の女性らしく少し太った彼女の肉体の存在感が素晴らしかった。

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特筆すべきは弟役の菅田将暉。
粗暴だが人懐こい大城拓児にしか見えない。
歯も黄色く変色しちゃって、本人が完全に消えている。
何だこの子!
今後彼の作品は全作品をチェックしようと思いました。
それくらいに素晴らしかった。

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そして綾野剛、、、危く惚れそうでした。
インタビューで「作品に愛された」って話してたけど
なるほどねぇ、こういう作品に出会える俳優さんは幸せだよなぁって思ったもん。
良かったよ、背中が良かったよ(←そこ)
佇まいが最高です。
もともとガテン系に弱いワタクシにとってはたまらんものがあります。


綾野剛の背中、池脇千鶴の太もも、菅田将暉の髪、
高橋和也の尻、伊勢山ひろ子の二の腕、火野正平の眼、
函館の暗い夏に人が地を這うように生きていました。
冷えた体にひっそりと熱をはらんで。  大森立嗣(映画監督)


このコメントにすごい共感した。
やぱり名作には寄せられるコメントも名言になります。

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貧しくどん底の暮らしで、あんな父親を持つ家庭は特殊だと言えるけど
どの親から生まれるか、どんな暮らしをして育つのか、遺伝を受け継ぐのか
誰だって間違いなくそのしがらみを持って生きている。
決して彼らが特別だとは感じなかった。

拓児が自分の家に達夫を誘い、姉ちゃんのチャーハンを美味しそうに食べる姿は
他人から見たらこんな暮しと思うんだろうけど、彼にとってはかけがえの自分の場所。
バカにしながらも家族を大切にしているところがたまらなかった。
だからラストでまた同じ過ちを犯した後に達夫に言った言葉は、
泣けて泣けてしかたなかったよ。

千夏の最後の行動は決して本気はなかったと思うよ。
自分の境遇に何かの形で決着とつけたいという気持ちの表れだと私は思う。

これからどんなふうに生きていくのかわからないけれど、
彼らは人間の輝きを決して失わない。
いつまでも余韻の残る秀逸なラストシーンでした。




仕事を辞めブラブラと過ごしていた佐藤達夫は、粗暴だが人懐こい青年・大城拓児とパチンコ屋で知り合う。ついて来るよう案内された先には、取り残されたように存在する一軒のバラックで、寝たきりの父、その世話に追われる母、水商売で一家を支える千夏がいた。世間からさげすまれたその場所で、ひとり光輝く千夏に達夫はひかれていく。



この作品はちゃんと愛されるべき人が愛されなくてやいけないと思う作品だと思いますし、世の中に人を愛することができない自分のことを愛することもできない人たちを抱きしめてあげられる作品になっていると思います。この作品と共に旅をして下さい。

綾野剛くんの舞台挨拶。まさにそんな作品だと思うので素晴らし過ぎて泣けます



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