窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

2位確定も…-日本プロ野球2022 横浜vs中日22回戦

2022年10月09日 | スポーツ観戦記


 投稿が遅くなってしまいましたが9月27日、横浜スタジアムに横浜vs阪神17回戦の観戦に行ってきました。やはり前回観戦の8月30日が勢いのピークであり、そこへ追い打ちをかけるように僅か2日しか休みがないという9月の過密日程へと突入したベイスターズ。恐らく疲労の極みにある中、それでもその9月をこの試合が始まる前まで10勝13敗で持ちこたえたのは立派だったと思います。

 実は前の試合、25日のヤクルト戦で横浜は敗れ、二年連続でヤクルトの優勝に立ち会うことになりました。しかし、まだ2位となり、CS第1ステージを本拠地で行うという大事な目標が残っています。



 その重要な試合の先発を託されたのは、今季3勝6敗と不本意な成績に終わった2018年ドラフト1位上茶谷投手。先発の枚数が足りない現状において、ローテーションの一角を担ってもらわなければ困る投手です。来期以前に、ポストシーズンに繋がる復活の投球を期待したいところです。

 その上茶谷投手ですが、立ち上がりの2回は見違えるような投球を見せます。初回などわずか5球でした。2回も中日打線の中軸相手に2三振を含む13球で終了(三振を二つとるには最低でも6球必要です)



 ところが3回表。一死から8番の土田選手に死球を与え出塁を許すと、



 勝野投手の犠打で二死二塁となったところで、1番の岡林選手にレフト線ギリギリ、先制の二塁打を浴びてしまいます。



 続く首位打者を争う大島選手にも低めの球を上手くセンター前に持っていかれ2点目。



 3回裏。横浜は先頭の7番伊藤選手がセンターヒットで出塁。



 8番、9番が倒れ二死となりますが、何とそこから桑原選手、楠本選手、佐野選手と三者連続四球で押し出しの1点。ただ、この回はその1点止まり。得点を許した後、すぐに返せたのは良かったですが、このような相手が自滅している状況に付け込んで攻めきれないところが、実は勢いのあった8月から下降気味だった現在の横浜打線を象徴しているように思えました。



 さらにいけないのが上茶谷投手。二死とはいえ満塁で四番の場面で攻めきれなかったところに、直後の4回表、先頭のビシエド選手にホームランを浴びます。真ん中高めのストレート、そりゃ打ちますよという球。失点はこれだけでしたが、その後も下位打線に2安打を許し、次回はまた1番からという巡りあわせ。



 この嫌な流れを救ったのが4回裏の宮崎選手。ど真ん中のストレートを捕らえた打球は高々と舞い上がり、放物線を描いてレフトスタンドへ。



 さらに続くソト選手までもが初球、これもほぼど真ん中のストレートを弾丸ライナーでレフトスタンドへ。これで3vs3の同点。上茶谷投手以上に、一体何を考えているのかという投球でした。勝野投手はこの後の伊藤選手にも四球を与え、3回79球で降板。



 上茶谷投手は、その後も3安打許しながら無失点で切り抜け、6回81球3失点と試合を作り(ただ、現状の横浜打線では3点は結構重いです)、ある程度役割を果たしました。しかし、5回以降の打たれた場面を見ていると、何となく単調というか、投げたらリズムよく弾き返されているというか、シート打撃を見ているかのようでした。これだとポストシーズンには正直不安です。2回までのような見事な投球を最低6回までできるようになればエース格、そのポテンシャルはあると思うので、ぜひ僕のネガティブ評を裏切ってもらいたいなと思います。



 中盤の膠着状態の中、中日は山本投手、藤嶋投手、祖父江投手、ロドリゲス投手と勝ちバターンの継投で8回裏は清水投手が登板。一方、横浜も伊勢投手、入江投手をつぎ込み必勝の構えを見せます。ただ、結果的にこの日は清水投手が大誤算でした。



 まず先頭の神里選手は討ち取ったのですが、つづく代打関根選手にセンターへの二塁打。



 森選手、四球。



 戸柱選手、ショートのフィールダーズ・チョイスで一死満塁。



 そして桑原選手が、桑原選手らしい積極的な初球打ち。ど真ん中に甘く入ってしまったフォークボールをレフトオーバーの二塁打。これで3vs5と勝ち越し。



 中日は清水投手から森投手に交替しますが、楠本選手がライト前ヒットで再び満塁。



 そして佐野選手がこの試合二度目となる押し出しの四球。3vs6。



 さらに牧選手の三塁側に叩きつけた打球は、バウンドが高く三塁手の頭を超えレフト前へ。これが2点タイムリーとなって試合が決まりました。3vs8。

 9回は点差もあって、ロメロ投手が2三振を含む三者凡退で締め。この日、追う阪神も勝ったのですが、横浜が勝利したことにより2位が確定。2022年のレギュラーシーズン、僕の観戦成績は3勝4敗。シーズン中盤から本拠地17連勝もあり、横浜はこの試合終了時点で本拠地38勝27敗1分でした。

 さて、この記事を書いている前日から、クライマックスシリーズ第1ステージが始まり、横浜は阪神に0vs2で敗れ初戦を落としました。あまりにも過酷だったシーズン終盤。2位確定後も7連戦が続き、しかも主力をあまり休ませることなく最後まで全力で臨んだ様子が伺えました。これには賛否あると思いますが、モチベーションも含め現場が判断してのことですから、それが正しいのだと思います。しかし、昨日の1戦を見る限り、つながりのない打線は相変わらずで、得点力を欠いたままCSに突入してしまったようでした。投手陣はそれなりに堪えているので、勝ち抜けるか否かは偏に打線にかかっていると思います。

 これから、その第2戦を観に横浜スタジアムへ馳せ参じます。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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王者の王者たる所以(大敗を目の当たりにして)-日本プロ野球2022 横浜vsヤクルト18回戦

2022年08月30日 | スポーツ観戦記


 前回観戦の8月9日以降も横浜は快進撃を続け、首位ヤクルトとの直接対決を迎えるまでで8月16勝3敗。通算58勝47敗で貯金11(前回観戦時が貯金1)、4ゲーム差まで接近しました。既に巷でも言われていることですが、やはり思い出すのが1997年のシーズンです。この年の横浜は8月に球団記録となる20勝6敗を挙げ、僕が24歳の誕生日を迎えた前後に当時も首位のヤクルトに2.5ゲーム差まで肉薄しました。しかし、9月頭の首位攻防戦でノーヒットノーランを含む3連敗を喫し、そこで力尽きてしまいました。


【引用:Sportsnavi】

 そのような状況で前日に行われた直接対決の初戦は、ヤクルトが横浜の右の柱である大貫投手を6回に攻略し、6vs3で勝ちました。得点差以上に力でねじ伏せられた印象です。そう、首位ヤクルトがここでやるべきことは勢いに乗り、かつ消化試合数が5試合少ない横浜を完膚なきまでに叩き、挑戦する意欲を挫くことです。当然それが分かっているので、この日もヤクルトは目下3冠王へ邁進する村上選手に復調の兆しを見せる山田選手に加え、外国人を3人配置するという攻撃型オーダーで臨んできました。

 横浜スタジアムは観衆32,426人の満員御礼。ファンもこの一戦をいかに重く見ていたかが分かります。



 両チームの先発は横浜が石田投手、ヤクルトが小川投手。横浜勝利の条件として、石田投手が最低6回まで試合を作ることと、立ち上がりに不安のある小川投手に対し、序盤早打ちで助けないことが欠かせないと戦前考えていました。



 その石田投手の立ち上がり。無失点で切り抜けはしたものの、山田選手、村上選手に連続ヒットを許し、球数も22球を要する不安な船出。



 この流れでますます横浜打線がいかに小川投手の立ち上がりを揺さぶれるかが重要になってきたわけですが、その横浜はまず先頭の桑原選手が幸先よくヒットで出塁。



 つづく楠本選手の3球三振はいただけませんでしたが、三番佐野選手の時に桑原選手が盗塁を決めると、



佐野選手がセンター前にヒットを放ち、鮮やかに1点を先制。



 牧選手はセンターフライに倒れるも6球投げさせ、つづく宮崎選手は5球投げさせて四球。さらにソト選手も6球投げさせて四球と、ここまでは良い展開。返す返すも悔やまれるのはここで小川投手を攻めきれなかったことです。結局、初回の横浜は1点止まり。



 2回表。ヤクルトは一死から内山選手が7球目をセカンドゴロ。ところがこの遊撃手真正面のゴロを守備に定評のある柴田選手がまさかのトンネル。これさえなければ、8番で終えることができていただけにもったいなかったです。結果的に、1点で終わった横浜の攻撃に続き、これもヤクルトに完全に流れを引き渡す要因になったと思います。蟻の一穴、小さなミスから大きな流れが変わることがあります。

 さらに良くなかったのが2回裏の横浜の攻撃。8番からの下位打線だったとはいえ、わずか5球で終わってしまったのです。これが制球に苦労していた小川投手を立ち直らせてしまいました。



 そして3回表。先頭塩見選手の強烈な打球を三塁手宮崎選手がジャンピングキャッチ。ここまでは何とか横浜も堪えていたのですが、つづく途中加入でまだ本塁打のないギブレハン選手に来日第1号となる本塁打を浴びてしまいます。ギブレハン選手はこの日、5打数4安打(うち3本塁打)+死球と、5打数5安打(うち2本塁打)+1敬遠の村上選手と並び、信じられないような大活躍でした。



 つづく山田選手の打球は詰まったのですが、レフト前に落ちるヒット。さらに盗塁を決め、一死二塁。村上選手は申告敬遠で一死二塁一塁。サンタナ選手は打ち取ったのですが、オスナ選手に四球を与え、二死満塁。



 そして内山選手にセンター前へ弾き返され、走者2人が生還。3vs0。これだけも十分でしたが、さらに悪いのは8番長岡選手に四球を与え、結局次の回もまた先頭打者からという局面を作り出してしまったことです。しかも石田選手はわずか3回で72球。これだけ悪いリズムを作り出せば、後の回に起こったことはおまけのようなもので、これ以降横浜は総崩れとなります。ヤクルトのスコアボードには3回以降、3、4、2、0、5、0と数字が並び、まるで電話番号。村上選手の史上最年少150号到達のメモリアルを含む7本塁打、23安打、16得点。横浜投手陣が雪崩のように崩壊したこともありますが、最後まで手を緩めなかったヤクルトもさすが王者の王者たる所以です。最近はデータ重視の風潮から「試合に『流れ』は存在しない」という意見もあるようですが、僕は必ずあると信じていますし、軽視してはならない要素だとさえ思っています。「善く人を戦わしむるの勢い、円石を千仞の山に転ずるが如き者は、勢なり」です。



 4回表、横浜は二番手としてガゼルマン投手が来日初登板。2軍でも打ち込まれる試合が続いていたのでどうかと思いましたが、結果は1本塁打を含む4安打3失点。しかし、安打は不運なものもありましたし、思っていたより球は走っているようでした。制球も来日前に言われていたほど悪くはないようです。お世辞にも良いとは言えませんが、ビハインドの場面で投げさせられる目途はついたのではないかと思います。というより、9月に28試合という過密日程が待ち受けており、投げてもらわなければ困る台所事情があるのですが。

 なお余談になりますが、マンガ「キン肉マン」にガゼルマンという超人が登場することから、登板時はアニメ版のOPテーマ「キン肉マン GO FIGHT!」にのっての登場でした。残念ながら初登板は「見事に転ん」でしまいましたが、次回期待しています。



 5回表は、中川虎大投手。8月に入ってからの登板はいずれも無失点とビハインドの場面ながら好投を見せてくれていました。ただ、三試合連続登板だったのが仇となったのか、二死満塁から村上選手にタイムリーを浴び二失点。しかし、つづく6回はオスナ選手にヒットこそ許したものの、下位打線ながら後続を断ちました。



 初回以降、横浜ファン唯一の盛り上がりは6回裏出た牧選手の2ラン。しかしすでに9vs3。



 7回表になると、今度は、同じく三連投の宮國投手がメッタ打ちに遭います。



 まず一死からギブレハン選手にこの日2本目となるホームラン。



 続く山田選手は二塁打。



 村上選手、タイムリー。



 サンタナ選手、2ラン。



 挙句は今シーズンまだ1本塁打の内山選手にまで、二者連続となる本塁打。



 なおも止まらず、長岡選手にヒット。



 小川投手の代打、2021年ドラフト2位の新人丸山選手にもヒットを浴び、1イニング打者10人に対して7安打5失点、3本塁打とまるで打撃投手のような内容に終わりました。もはや数えても仕方ありませんが、14vs3。横浜スタジアムに通って44年、初めて途中で帰ろうかと思いました。



 7回裏、横浜は桑原選手のタイムリーで1点を返します。8回表は8月25日に中継ぎに回ってから好投を見せてきた坂本投手。ただし、彼も三連投。



 その坂本投手、ギブレハン選手にこの試合3本目第3号、村上選手にもこの試合2本目の第48号を浴びます。これでヤクルトは7本塁打(日本記録は9本塁打)。村上選手は本塁打2位の丸選手に24本差、すなわち二倍の差をつけました。2013年にヤクルトのバレンティン選手がシーズン60本の日本記録を樹立した時でさえ、2位のブランコ選手とは19本差でした。いかに村上選手が群を抜いているかが分かります。因みにこの時点でヤクルトは残り28試合を残していますので、このペースを最後まで持続できればバレンティン選手の記録を抜くことになります。



 横浜の救いは、9回表に平田投手がヤクルト打線をこの試合初めて三者凡退に討ち取ったことです。



 追い上げる2位チームを16vs4という圧倒的大差で退ける、まさに横綱相撲のヤクルト。一方の横浜はこの翌日の試合も5vs4で敗れ、3タテ4連敗という最悪の結果。しかし、28日の内容を見る限りまだ立て直せる可能性はあると感じました。今日(8月30日)からの中日戦、応援しています!

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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不沈艦攻略!―日本プロ野球2022 横浜vs阪神17回戦

2022年08月11日 | スポーツ観戦記


 8月9日、横浜スタジアムに横浜vs阪神17回戦の観戦に行ってきました。



 前回の観戦は6月24日でした。この時点で横浜は借金7、その後今シーズン苦手としている広島に連敗し、借金は最大の9まで膨らんだ時期でした。ところが、その後チームは徐々に勝てるようになり、この日の試合の3試合前の中日戦でついに借金を完済。その後1勝1敗で、恐らく首位独走のヤクルトを除いた団子状態の5球団の中では投打の戦力が最も整っていると思われる阪神戦を迎えました。



 横浜としては今シーズン掲げている「横浜反撃」のためにチームは波に乗れるか否かを占う重要な一戦。しかも、この日の阪神先発は地元神奈川県出身、ここまで何と12勝1敗というほぼ無敵のエース青柳投手。さらに横浜は特にこの青柳投手を苦手としており、昨年から何と0勝8敗という成績です。チームとしても対阪神戦はここ数年ほどではないにせよ、ここまで8勝8敗。チーム浮上の条件としては非常に高い壁と言えました。



 対する横浜の先発は今永投手。ここまで5勝3敗ですが、何しろ立ち上がりが不安定なのと、丁寧な投球にこだわり過ぎているのか、非常に球数を要する結果、6回位までしか持たない(結果として、中継ぎ投手に負担がかかる)投球が続いています。個人的な話ですが、僕が観戦する時今永投手が登板することは結構多く、今永投手が入団した2016年以降観戦した横浜戦26試合(他球団同士の試合2試合を除く)のうち、6試合が今永投手の先発でした。そしてその成績は2勝4敗、イメージ通りあまり相性が良くありません。

 しかし、この日の立ち上がりは、先頭打者の近本選手を初球で片づけると、つづく島田選手には8球粘られはしたもののショートゴロ。3番ロドリゲス選手もショートライナーと、三者凡退。課題の立ち上がりでしたが、14球で上々の滑り出しを見せます。



 因みに、ショートはこの試合1番でスタメン出場の森敬斗選手。躍動感があり、守備機会のたびに観客の注目を集める華のある選手です。



 さて、一方横浜の初回。一死から二番桑原選手が4球続けての四球で出塁します。ところがその桑原選手、青柳選手の投球間隔が空いた隙を突いて盗塁を試みますが失敗。牽制(というより一塁への送球)が苦手とされている青柳投手を揺さぶる上で、アイデアとして悪くなかったと思いますが、結果的に余裕のアウトでした。ただ、この日宮崎選手を外してまで左打者をずらりと並べてきたように、やられっ放しの青柳投手を何とか攻略しようという意欲は伝わってきました。



 そしてありがちなことですが、走者がいなくなった直後に佐野選手がセンター前にきれいに弾き返し、出塁。さらに牧選手も5球で四球を選び、二死二塁・一塁のチャンスを作ります。しかし、続く楠本選手がファーストライナーに倒れ、無得点。



 2回表。序盤不振に苦しんだとはいえ、このところ徐々に調子を取り戻しつつある強打者佐藤選手をまず三球で討ち取り、一死。ところが、続く糸原選手の何でもないレフトフライを宮本選手が目測を誤り落球。記録上はヒットでしたが、背走とはいえ決して取れない打球ではなかったので事実上のエラーですね。これで二死走者なしとなるところが、一死二塁のピンチに。



 惜しむらくは、続く陽川選手をカウント1-2と追い込みながら、外角ど真ん中に甘く入ってしまったこと。これがセンター前に落ち、1vs0。



 (カメラの電池が切れてしまい、以降スマホ撮影のため写真が小さくなります。申し訳ありません)さらに、二死二塁から木浪選手にカウント2-2から真ん中低めに落ちるボールを見事にすくわれ、これもセンター前に。これは打った木浪選手を褒めるしかありません。2vs0。また序盤大量失点のパターンかと思いましたが、2点で食い止めたこと(それでも相手が青柳投手では限界の失点ですが)、今永投手のテンポが3回以降非常に良くなってきたことが救いでした。しかし、強力な上位打線をしっかり抑え、下位打線に向かってからの失点だったのがもったいない。



 4回裏。横浜は一死から牧選手がセンター前に弾き返し出塁。



 楠本選手もレフトへ運んで続きます。これで一死二塁・一塁。続く戸柱選手はキャッチャーフライで二死二塁・一塁。



 ここで宮本選手はボテボテのセカンドゴロ。ところがこれを糸原選手が一塁に悪送球。思わぬ敵失で1点を返します。2vs1。



 地味な貢献としては、柴田選手。結果としてサードゴロに倒れたものの、ファウルで粘って青柳投手に8球投げさせました。青柳投手は4回終了時点で77球。このように、淡白なイメージのある横浜打線ですが、この日は何とか青柳投手に球数を投げさせようという意欲が見られました。結果的に、青柳投手は6回までで116球を要することになったのです。因みに、柴田選手は4回表にも三塁手として非常に好プレーがありました。



 5回表。阪神は木浪選手が一死から再びヒットで出塁します。続く青柳投手はバントの構えから2球目でヒッティングに切り替え。これがセカンドゴロとなり、まず二塁手牧選手が遊撃手森選手に送球し、一塁走者の木浪選手がアウト。しかし、青柳投手がバントの構えを見せていたため一塁手の佐野選手と今永投手が前に突っ込んでおり、一塁が誰もいません。すると、二塁手の牧選手が自ら一塁に入り、森選手からの送球を受け、併殺プレーが完成。4-6-4という珍しいプレーでした。牧選手が一塁に入るまで待っての森選手の強肩ぶりも素晴らしいものでした。

 今永投手は尻上がりに調子を上げ、6回終了時点で77球。結果的には9回を投げ切り、113球、被安打4、奪三振5、無四球、失点2という素晴らしい内容でした。試合前の「(後ろの投手を休ませるため)長いイニングを投げる」という宣言通りでした。



 6回裏、ついに青柳投手攻略の時が。すでに100球に達した青柳投手に対し、先頭の牧選手がレフトへの二塁打で出塁します。続く楠本選手が送って一死三塁。



 外野フライでもという局面で、とっておきの代打オースティン選手が登場します。そのオースティン選手、期待された外野への大飛球ではなくセカンドゴロでしたが、打球が青柳投手のグラブをはじいた結果、打球方向が変わり二塁手糸原選手がバランスを崩したため、打球処理がワンテンポ遅れました。その結果、本塁送球ができず、牧選手が生還。ついに同点に追いつきます。



 そして9回裏。阪神は7回浜地投手、8回湯浅投手とつなぎ、9回は加治屋投手が登板。こうしてみると阪神は本当に中継ぎ陣が充実していると思います。



 しかし、横浜は先頭の楠本選手が9球粘って四球で出塁。代走で蛯名選手が一塁に立ちます。ところが、続く嶺井選手がバント失敗。幸い併殺崩れで嶺井選手は何とか生き残ります。このプレーは阪神矢野監督からのリクエストによりリプレイ検証となりますが、肉眼で見ても二塁はアウトでしたし、一塁はセーフでした。これで一死一塁。さらに、宮本選手が送って二死二塁とします。

 ここで横浜は柴田選手に代えて宮崎選手を送りますが、当然申告敬遠となります。



 さらに三浦監督は今永投手の代打に地元東海大相模出身、大田選手を指名。沸き立つ観衆。その大田選手に投じた初球が暴投となり、走者がそれぞれ進塁。二死三塁・一塁となります。1点目の時もそうでしたが、この試合、小さなミスが結果的に命取りとなりました。恐らく二塁・一塁のままであれば、嶺井選手は生還できなかったかもしれません。



 そして二球目。暴投の影響もあったのか、カットボールが真ん中やや外寄りに甘く入りました。これを大田選手が逃さずレフト前へ。サヨナラ打となり、横浜はついに天敵青柳投手登板の試合をモノにしました。今永投手の投球、柴田選手、牧選手、森選手等の好守備、そして青柳投手攻略のためあの手この手で仕掛けた打線。今後上位を狙う上で最も難敵となるだろう阪神相手に三連戦の頭を取ることができました。

 横浜は47勝46敗で二位阪神に0.5ゲーム差と肉薄。今後の結果次第では、この試合は大きなターニングポイントだったと言える試合になるかもしれません。

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野球は表の回しかないのか?-日本プロ野球2022 横浜vs広島10回戦

2022年06月25日 | スポーツ観戦記


 6月24日、横浜スタジアムに横浜vs広島10回戦の観戦に行ってきました。今シーズン、横浜は何とここまで対広島1勝8敗。セリーグはヤクルトが2位巨人に9ゲーム差をつけ独走。2位から最下位まではわずか4.5ゲーム差でしたので、両チームにとって今後のAクラス入りをかけた重要な一戦と言えました。



 横浜の先発は前々回の日本ハム戦でノーヒットノーランを達成した今永投手。しかし、前回登板の阪神戦では初回に4点を失い、6回6失点、球数92球という内容でした。今シーズンは怪我で出遅れ、復帰登板が5月17日だったのですが、怪我の前から三振こそ数多くとるものの球数が多く6回くらいまでしか持たないといったところに課題がありました。個人的にですが、質の高い投球をしようと考えすぎるあまり、かえって球のキレや躍動感が失われているように思えます。



 結果から言ってしまうと、この日の今永投手は前回阪神戦と全く同じ轍を踏んでしまいました。まず、先頭の上本選手はサードゴロだったものの8球粘られ、



 宇草選手もセカンドゴロに討ち取ったものの、ボール先行。



 2アウトまでこぎ着けまずが、三番菊池選手にファウルで粘られ5球目の内角甘めに入ったストレートをレフトに弾き返されます。この試合、広島の打者の投げてから打つタイミングを見ていますと、ストレートを狙われていた気がします。



 四番マクブルーム選手はカウント1‐2と追い込みますが、やはりストレートをセンター前へ運ばれます。これで二死二塁・一塁。



 そして五番坂倉選手には2球目のカットボールがほぼど真ん中に入ってしまいました。これがセンターフェンス直撃のタイムリー二塁打。広島があっという間に2点先制。今永投手、初回に要した球数なんと27球。



 一方、広島の先発はエースの大瀬良投手。少しでも球数を投げさせてリズムを崩してくれればと思っていたのですが、横浜打線は何と先頭打者からわずか5球で三者凡退。正直、これでこの試合は決まってしまっていたように思います。せいぜい、「2点ならまだイニングがあるから…」という程度。球数からも明らかなように、それ位両先発の差は歴然としていました。



 2回裏。横浜は二死から六番楠本選手がレフト前ヒット。



 続く嶺井選手もショート内野安打で二塁・一塁。下位打線でチャンスを作りましたが、森選手が三球三振。森選手、まだ大瀬良投手には手も足も出ない雰囲気でした。因みに2回終了時点で今永投手42球に対し、大瀬良投手24球。



 3回表。先頭の上本選手にカウント2‐1から真ん中やや低めの甘いストレートをセンター前に。やはり、カウントを悪くしてからのストレートを狙われているようでした。肉眼で見ている限り、球速こそ150㎞前後でているのですが、置きに行ったようなストレートで球が走っているようには見えませんでした。ですから、いずれもきれいに弾き返されているのです。



 そして一死一塁から菊池選手に真ん中高めのストレートをレフトスタンドに運ばれてしまいます。ファウルかなという当たりではあったのですが、この球場独特のレフト側の風で球は切れず。この試合横浜にはツキもありませんでしたが、そうは言っても甘い球ではありました。これで4vs0。前回の阪神戦(初回4失点、3回1失点)の再現を見ているかのようでした。



 さらに4回表。先頭のルーキー中村選手に3球目のこれもストレートをレフトスタンド上段に運ばれます。申し訳ないですが、ほぼど真ん中の打って下さいと言わんばかりの球でした。



 4回裏、横浜は一死から交流戦後調子を落としている牧選手がライト線に落ちる二塁打で出塁しますが、後が続かず。



 今永投手はもはや5回を投げ切るというのが唯一の使命。結局、5回8安打5失点93球という内容でした。6回表からは二番手入江投手が登板。入江投手は力のあるストレートで6回を1安打打者4人で抑えます。



 回跨ぎとなった7回表、宇草選手、菊池選手を討ち取り二死としますが、菊池選手には6球粘られました。たとえアウトになっても、こういう何かリズムを崩す仕掛けが大事だと思うんですよね。この試合、横浜の打者でそれらしき様子が伺えたのは桑原選手だけでした。

 そして、続くマクブルーム選手が四球で出塁。



 坂倉選手がセンター前ヒット。



 さらに堂林選手がレフトの頭上を越えるタイムリー二塁打で6vs0。ただ、二死だったので坂倉選手生還できなかったのかな?というのはありました。



 7回裏、横浜は一死から宮崎選手がレフト線付近に落ちる長打コースのヒットを放ちます。クッションボールが内側に跳ね返った不運は確かにありましたが、ふと内野方向を見ると宮崎選手がまだ走っています。いくら何でもこれは…。DBスターマンが走っているのかと思いました。レフトからの返球で宮崎選手は二塁タッチアウト。リプレイ検証のリクエストが出ますが、判定通りアウト。ひょっとすると今シーズン宮崎選手は肉離れで一時離脱していましたので、脚の具合が思わしくないのかもしれません。



 8回表。横浜は三番手三上投手が登板。



 回跨ぎとなった9回表、二死から坂倉選手にライトへの一発を浴びます。これで7vs0。



 9回裏、横浜は先頭の蝦名選手がヒットで出塁しましたが、続く中軸打線が悉く討ち取られ万事休す。大瀬良投手は結局、104球6安打8奪三振の完封。7点も入った試合だというのに、まだ8時41分。いかに広島が効率よく得点を重ね、一方の横浜が淡白だったかということです。このブログの写真の赤青比率を見ても分かる通り、横浜にはチャンスらしいチャンスも反撃の様子もほとんど見られず、野球には表の回しかないのかと思われたほどでした。波に乗れそうで乗れない、苦難の戦いが続きます。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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反撃の烽火となるか-日本プロ野球2022 横浜vs楽天1回戦

2022年06月05日 | スポーツ観戦記


 6月3日、横浜スタジアムに横浜vs楽天1回戦の観戦に行ってきました。心配された雨も午後の一時的なもので済み、試合開始前には晴れ間も見えるようになりました。横浜は交流戦、ソフトバンクに2勝1敗で勝ち越したものの、西武とオリックスに1勝2敗、ここまで4勝5敗です。一方、対戦相手の楽天はシーズン序盤で圧倒的な強さを見せ、首位を独走していましたが、現在パリーグ2位です。

 このところの横浜は先発投手陣が炎上続きで軒並み2軍落ち。仮にそこそこの失点で抑えていたとしても、四球が多いなどリズムを作れず、そんな時は打線が沈黙するという悪循環が続いているように思えます。目下頼れるのは今永投手、大貫投手ぐらいで、あとは投げてみなければ分からない。一方、序盤苦しんだ中継ぎから抑え陣は少し安定しつつあります。この日、怪我で戦列を離れていた大田選手、森選手が待望の一軍登録。ぜひこの二人に出場機会のあるような展開を期待したいところです。



 さて、横浜の先発は何とか頼れる二人の一人、大貫投手。ここまで3勝2敗ですが、これでもチームの勝ち頭というところに現状の苦しさがあります。



 その立ち上がり。不振に苦しむ西川選手にファウルで粘られ、結果三振でしたが、討ち取るのに9球を要しました。



 続く小深田選手は2‐1と追い込んでから4球目でレフトフライ。



 しかし、3番浅村選手にはフルカウントからの8球目をセンター前に、それもきれいにライナーで弾き返されます。



 さらに島内選手もフルカウントからの8球目をレフト前へ。単打ではありましたが、いずれも強い当たりでこの先が思いやられる内容でした。



 案の定、マルモレホス選手は初球レフトフライでしたが、フェンスギリギリ。何とか無失点で切り抜けたものの、ボールが先行し、打者3人にフルカウント。初回だけで30球を要するという不安な立ち上がりでした。



 1回裏、楽天の先発は昨年2年目で二桁勝利を挙げたものの、今季はまだ1勝と振るわない瀧中投手。



 その瀧中投手の立ち上がり。横浜は一死から二番柴田選手がセンター前ヒットで出塁。



 すると続く宮崎選手が、外角から真ん中よりの低めに入ったストレートをレフトへホームラン。立ち上がりに苦しむ大貫投手に大きな2点をプレゼントします。



 2点を貰って落ち着きを取り戻してほしい大貫投手でしたが、2回表もピリッとしません。先頭の辰巳選手を不運といえば不運なセカンドへのボテボテのあたりで出塁させると、



 続く鈴木選手もセンター前へ。あっという間に無死二塁・一塁。その後は下位打線に向かう中で抑えましたが、2回で52球。このペースでは4回途中で100球に達してしまいます。



 2回裏、二死から8番関根選手が四球を選び、この回を9番で終わらせます。次の回に投手を残して簡単に3人で終わらないこと。地味な貢献ですが、大事なことだと思います。



 3回表。この回も先頭の小深田選手をボテボテのピッチャーゴロに討ち取りながら、送球が走者に当たるというプレーで出塁を許すという嫌な展開。しかし、中軸打線を迎え、ここから大貫投手が粘りました。3番浅村選手を4球で三振、4番島内選手はまたしてもボール先行で3‐1となりましたがライトフライ、そしてマルモレホス選手も4球で三振。立ち直りの兆しを見せます。



 3回裏、一死から柴田選手が四球で出塁。



 続く宮崎選手も四球。現在三冠王に最も近い男、牧選手の前にランナーを貯めるという理想の形が出来上がります。



 そうなれば横浜ファンの期待は牧選手のホームランに集中します。何とその初球、よりによってチェンジアップがど真ん中に甘く入りました。これを牧選手が逃すはずもなく、打った瞬間それと分かるレフトスタンド上段への3ラン。これで0vs5。あとは不振に喘ぐソト選手が復調してくれば、オースティン選手の復帰を待たずとも相当破壊力のある打線になります。



 4回まで持つかと心配された大貫投手でしたが、4回表を下位打線とは言え三者凡退に抑えます。結果、先に先発に見切りをつけたのは楽天の方でした。楽天は4回裏から酒居投手が登板。酒居投手は嶺井選手にヒットを許しますが、下位打線のこの回を無失点で抑えます。



 5回表の大貫投手。酒居投手の代打渡邊選手にまたしてもフルカウント。結果的にファーストゴロで、続く西川選手はピッチャーゴロに討ち取りますが、そこから小深田選手、浅村選手に連続四球。最後、島内選手を三振に切って取り、この回無失点。悪いなりにゲームを作ったとは言えますが、5点のリードを貰いながら最後までフラフラした感じが拭えませんでした。ただ、全体的には制球が定まらなかったというより慎重になりすぎた印象です。



 横浜は6回、7回と入江投手が登板。この入江投手が素晴らしい投球でした。150㎞超の力強いストレートと140㎞前後のフォークボールが冴え、打者6人を完璧に抑えました。特に圧巻だったのは7回表、炭谷選手、山崎選手、西川選手と三者連続三振。2回4三振という素晴らしい内容でした。入江投手が試合を締めてくれたことにより、流れは完全に横浜に傾いたと感じましたし、安心して見ていることができました。



 さらに球場の雰囲気を盛り上げたのが、7回裏。一死二塁から代打大田選手が登場。良い時と悪い時のムラがある大田選手ですが、この選手には雰囲気を変えるオーラがあります。結果は死球でしたが、



 ここでもう一人。お待ちかねの森選手が代走で登場します。球場の横浜ファンは大喜び。



 その7回表をも上回ったのが、8回表、牧選手と森選手2つのファインプレー!特に森選手、絶好調のオープン戦で好調故の怪我で離脱し、その鬱憤を晴らすかのように躍動していました。明らかにセンター前に抜けるかという当たりに追いついただけでも凄いのに、そこからの送球動作の早さ、さらには送球も投手やれるんじゃないかと思わせるほどの肩の強さ。目の前で見て度肝を抜かれました。



 古い話ですが、往年のオジー・スミス選手を彷彿とさせます。まさに次代のスーパースターに駆け上がる素質十分です。



 8回裏、横浜は一死一塁から、こちらも復調が待たれる桑原選手の二塁打でさらに1点追加。これで0vs7。



 最後は宮國投手がやや不安定ながらも無失点で締めました。もちろん課題がなかったわけではありませんが、見どころ満載の完勝だったと言えるでしょう。選手の顔つきにも集中の様子が見て取れますし、大田選手や森選手が復帰してきたことによって、横浜反撃の機運を感じました。

 横浜ファンは1回勝っただけで「横浜優勝!」とか大はしゃぎするとよく言われます。それは一つには、ここ最近のオリックス戦、西武戦を見ても分かるように、せっかく良い内容で勝っても後が続かない。こうした傾向も一因としてあると思います。今度こそ、この試合が反撃の烽火となりますように!

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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しのぎ切った守備陣に感謝!-日本プロ野球2022 横浜vsソフトバンク3回戦

2022年05月28日 | スポーツ観戦記


 5月26日、交流戦最初のカードの3戦目横浜vsソフトバンクを観戦してきました。1戦目は今永が初回に2点を許しながらもその後粘って4vs3の逆転勝ち。2戦目はロメロが5回に6失点し、2vs8と大敗。1勝1敗で迎えた3戦目、天気も暑すぎず寒すぎず、野球観戦にはもってこいでした。



 さて、今年の交流戦は全ての主催試合で横浜OBのコーチと対戦チームOBとの対決が企画されています。この日は元ヤクルトでチームメイトだった、五十嵐亮太氏と田中浩康氏。現役時代剛腕で鳴らした五十嵐氏は136㎞、137㎞と徐々に急速を挙げ、3球目は140㎞に達しました。その3球目を田中氏が見事センター前に弾き返し、現役さながらの対決で球場を沸かせました。



 始球式は地元横浜出身のシンガーソングライター、瑛人さん。名前にちなんで背番号8で登場。中学生まで野球をやられていたそうですが、なかなか良い球を投げていました。



 さて、横浜の先発は復帰登板となる濱口投手。濱口投手といえばルーキー時代の2017年日本シリーズでソフトバンク相手に見せた快投(8回一死までノーヒットノーラン)が強く印象に残っていますが、何しろ投げてみなければ分からないといった側面もあります。



 その立ち上がり。先頭の三森選手を4球で三振に討ち取り上々かと思われたのですが、二番の野村(勇)選手に2球目をレフトスタンドに運ばれてしまいます。あっという間にソフトバンクが先制。



 さらに柳田選手にはレフト前ヒット、グラシアル選手、中村選手には連続四球を与え、一死満塁。しかし、その後松田選手をファーストファウルフライ、柳町選手をセカンドゴロに討ち取り、何とか最少失点で切り抜けましたが、不安な立ち上がりでした。



 一方、ソフトバンクの先発は、身長193㎝、速球が持ち味の杉山投手。好調の先頭打者佐野選手を初球でファーストゴロ、続く柴田選手はカウント3‐1としますが、サードファウルフライ。



 しかし、二死から宮崎選手がセカンドへの内野安打。前日の途中交替でコンディションが心配されていましたが、この日宮崎選手がスタメン出場できたことが、チームを救うことになったと言っても過言ではありません。ただ、この回は期待の牧選手がサードゴロに倒れ、無得点。



 2回表の濱口投手。下位打線で立ち直りのきっかけを掴んでほしいところです。甲斐選手を三振、杉山投手は1球でライトフライでしたが、DH制を採用するパリーグの投手としては非常に良い当たりでヒヤッとしました。さらに1番三森選手にはファウルで粘られ、カウント3-2。結果的にはセカンドゴロでしたが、討ち取るまで8球を要し、立ち直れたとは言い難い内容でした。



 一方の杉山投手も球は速いですが制球に難があり、必ずしも良い内容とは言えませんでした。2回裏の横浜は先頭のソト選手がセンター前ヒットで出塁しますが、続く蝦名選手が併殺打であっという間に二死走者なし。



 ありがちなことですが、そこから関根選手がライト線際に二塁打。ボールがセカンド方向に跳ね返ってきたので少しヒヤッとしました。ただ、嶺井選手がサードゴロに倒れ、この回も無得点。



 3回表。ソフトバンクは野村選手がショートの深いところへヒット。



 続く不振の柳田選手を四球で歩かせ、またも無死二塁・一塁のピンチ。しかし、グラシアル選手を併殺打に討ち取り、二死三塁。ここから次の中村選手に対しては、見事な制球で三振。



 3回裏も横浜は無得点で終わりますが、二死から柴田選手が四球で出塁します。前の打席も倒れこそしましたが、3‐2まで粘り、ここでは四球。実は第三打席も四球、第四打席は死球。第五打席も犠打と目立ちこそしませんが、二番打者として大きな貢献をしていたと思います。



 4回表も濱口投手はピリッとしません。6番からの下位打線で二死までこぎ着けますが、8番甲斐選手を四球で出してしまいます。ここは8番で切っておきたいところでした。ただ、この回の先頭打者、松田選手のサードへの強烈な当たりを宮崎選手が見事なジャンピングキャッチ。こうしたバックの盛り立てが崩れそうな試合を何とか押しとどめていたと思います。



 ここまではずっとソフトバンクが押し気味。濱口投手も4回で早くも73球だったので、この調子では次の回まででしょうし、その後どう継投して凌ぐのかという不安がありました。しかし、そんな時に一発でムードを変えてくれるのが四番の牧選手。恐らくストレートを狙っていたでしょう、この球場のライト方向に吹く風にも乗り、12号ホームラン。この試合終了時点で、牧選手は打率トップ、打点と本塁打数で3位となりました。みなさん異口同音に言われることですが、とても二年目の選手とは思えません。

 

 さらにソト選手がセンターに二塁打。流れが変わり始めます。蝦名選手セカンドゴロの間にソト選手は三塁に。



 ここで関根選手が初球をきっちりライトに運び、犠牲フライで勝ち越し。関根選手、いい仕事をしてくれました。



 しかし、5回表の濱口投手、この流れの変わり目に水を差してしまいます。先頭の俊足三森選手をわざわざ四球で出してしまいます。三森選手、一塁に行く機敏な動きからして足が速そうと分かります。



 野村選手サードゴロの間に二塁に進塁した三森選手は、その後三盗を決め、一死三塁。



 なおも柳田選手に、6つめの四球を与え、一死三塁・一塁。さらに続くグラシアル選手には暴投で、一死三塁・二塁。



 そのグラシアル選手はセカンドゴロ。牧選手からの素早い送球は本塁クロスプレーとなり、判定はアウト。当然藤本監督からのリクエストでリプレイ検証となります。見る角度により非常に微妙でしたが、判定通りアウト。もしこれがセーフだったら、恐らくこの試合はソフトバンクのものになっていたでしょう。



 何しろ濱口投手はその後も中村選手に四球を与え、二死満塁としてしまう有様。結果的には松田選手の不調に助けられましたが、5回被安打3、1失点とはいえ、99球、7四球は一歩間違えば大敗していてもおかしくない内容でした。



 5回裏、横浜は濱口投手に代えて代打宮本選手。この交替は先ほど述べたことから妥当だったと言えるでしょう。しかし、その宮本選手は4球で三振。蝦名選手も宮本選手も二軍戦では良い活躍をしているだけに、チャンスを掴んでほしかったのですが、この試合は残念ながら結果を残せませんでした(蝦名選手は一四球)。



 しかし、続く佐野選手。初球の真ん中やや内側に入った甘いストレートを見逃しませんでした。ライトスタンドに飛び込む4号ホームラン。これで2点差。まだまだ安心はできませんが、流れはようやく横浜に傾いたように思えました。

 

 6回表。7番からの下位打線でしたが、横浜は平田投手、田中投手と二人の投手をつぎ込み、得点を挙げた後の回をゼロで凌ぎます。



 6回裏、ソフトバンクも杉山投手から2019年新人王、アンダーハンドの高橋投手に交替します。



 その高橋投手。先頭のソト選手は三振で仕留めますが、続く蝦名選手には4球続けての四球。



 さらに関根選手は4球ファウルで粘ってのセンターへの二塁打。これで一死三塁・二塁のチャンス。



 嶺井選手はボテボテのサードゴロでしたが、松田選手のフィールダースチョイスで蝦名選手が生還。松田選手の選択、これは仕方ないですね。蝦名選手もよく突っ込みました。



 さらに代打藤田選手が四球で出塁し、一死満塁。



 ソフトバンクは三番手笠谷投手に交替。



 佐野選手はマウンドとショートの間辺りに転がるセカンドゴロでしたが、その間に関根選手が生還。これで5vs1。



 7回表の横浜はエスコバー投手が登板。このところ制球が定まらず乱調が続いていましたが、この日は打者3人でピシャリと抑えました。



 8回は伊勢投手、そして9回は山崎投手と繋ぎ、このまま5vs1でベイスターズの勝利。ハラハラの前半と違い、6回以降は安心して見ていられました。そして、僕も今シーズン3戦目の観戦にしてようやく勝ち試合でした。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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有吉反省会-日本プロ野球2022 横浜vsヤクルト9回戦

2022年05月24日 | スポーツ観戦記


 5月22日、横浜スタジアムへ横浜vsヤクルト9回戦の観戦に行ってきました。交流戦前の最終戦、横浜の先発は昨年国吉投手とのトレードで入団した、有吉投手。昨年はほとんど1軍で投げられませんでしたが、今年は2軍で安定していたということで1軍初登板となりました。



 注目の先頭打者塩見選手ですが、2ストライクと追い込んでいながら3球目で死球。ここまで盗塁数9でトップの嫌な走者を出してしまいます。



 すると二番山崎選手にはファウルで粘られた7球目、右中間を破られる三塁打を浴びてしまいます。あっという間にヤクルトが1点先制。



 三番山田選手は三振に切って取りますが、四番村上選手セカンドゴロの間にもう1点。さらに中村選手にもヒットを許しますが、初回は2点で終えました。



 一方、ヤクルトの先発は、2019年ドラフト2位の吉田大喜投手。



 横浜打線は一死から復帰間もない二番佐野選手がセンター前ヒットで出塁。この日佐野選手は5打数4安打の活躍でした。



 ソト選手が倒れますが、頼れる四番牧選手が二死二塁からレフト前に弾き返し、1点を返します。



 さらに宮崎選手もセンター前ヒットで続き、二死三塁・一塁。しかし、ここで攻めきれなかったのが悔やまれました。大和選手が倒れ、1点止まり。それでも取られてからすぐ取り返すことができたのと、前日の試合のような手も足も出ないという感じではなかったので、望みは大いにありました。



 問題は2回表です。7番からの下位打線で、一死から8番長岡選手がライト前ヒット。



 吉田投手の犠打で一死二塁。その状況で、1番塩見選手への初球ど真ん中のカットボール。これをセンター前に弾き返され、再び2点差。

 素人目ですが、ヤクルトの打者のファウルの仕方などを見ていると、有吉投手もある程度タイミングを外した投球ができていたと思うのです。四球で自滅という感じでもなかったですし。しかし、ここというところ、この打者にというところで甘い球が行ってしまったのが悔やまれました。



 2回裏。この回の先頭打者、この数年不振に苦しむ神里選手が、往時の彼らしい左中間を破る二塁打で出塁します。しかし、下位打線だったとはいえ後が続かず。



 3回裏も先頭の佐野選手がレフトへの二塁打で出塁。さらに、一死から牧選手が四球で出塁し、二塁・一塁。しかし、その後の頼りになる宮崎選手が、実は裏の意味でこれも宮崎選手らしいところなのですが、最悪の併殺打でチャンスを逸してしまいます。



 4回裏も一死から神里選手がセンター前ヒット。横浜は二死二塁から3回表、4回表と無安打で踏ん張ってきた有吉投手(4回で63球)に替え、代打宮本選手を送りますが得点できず。この試合、相手ヤクルトを上回る11安打を放ちながら、3得点9残塁。これでは勝利も、

遠ざか~る♪



 5回表、横浜は二番手入江投手が登板。



 得点できなかったとはいえ、ここまでどちらかと言えば押していたのは横浜打線。しかし、残念ながらこの追い上げムードに水を差してしまいました。まずいけなかったのが、先頭の山崎選手に5球で四球を出してしまったこと。その山崎選手はワンバウンドのフォークボールに易々と盗塁成功。

 山田選手はレフトフライに打ち取り、二死までこぎつけますが、村上選手に二球目真ん中高めのストレートを捉えられ、ライトの頭を越されてしまいます。これも甘かったと言わざるを得ないですね…。4vs1。



 しかし、5回裏横浜が反撃。まず先頭の桑原選手が四球で出塁。



 続く佐野選手がレフト前ヒットで無死二塁一塁。



 この日良いところがなかったソト選手は見逃し三振に倒れますが、頼りになる牧選手が真ん中低めのスライダーをセンター前に弾き返し、4vs2。牧選手、

君が好きだと叫びたい♬



 ヤクルトは吉田投手を諦め、二番手木澤投手に交替。しかし、ここでも横浜は押し切れませんでした。後続を断たれ、1点止まり。



 6回表、入江投手が回跨ぎでそのままマウンドに上がります。しかし、宮本選手にセカンド強襲のヒット、長岡選手に二塁打を浴びて降板。



 一死三塁・二塁から三番手田中投手が登板しますが、代打川端選手に犠牲フライを許し、5vs2。安定感のあるヤクルトのリリーフ陣を考えると、大勢は決した感がありました。



 7回表、それでも横浜は佐野選手がこの日4安打目となるレフトへの二塁打。



 ここまで2三振を含む三打席凡退だったソト選手にもようやくヒットが出て、二死三塁・一塁。



 牧選手は最低限の犠牲フライで1点。なお一死一塁でしたが、最後まで後が続かず。



 8回、9回はヤクルトのリリーフ陣に封じられ、5vs3。横浜は三連勝の後の連敗。開幕から続出するケガ人、コロナによる主力の離脱、投手陣の不調など、掲げる「横浜反撃」の糸口もつかめないまま、交流戦を迎えることとなりました。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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2シーズンぶりの観戦も見どころなく-日本プロ野球2022 横浜vs巨人4回戦

2022年05月02日 | スポーツ観戦記


 新型コロナの影響で遠ざかっていましたが、4月27日、実に一昨年10月以来の野球観戦に行ってきました。観衆は発表で19,862人と、巨人戦にもかかわらずまばら。4月の夜はまだ寒いということもありますが、観客が戻ってくるにはまだ時間がかかりそうです。東京オリンピックのためにせっかく増設した両翼の二階席が埋め尽くされる開幕戦のような様を早く見てみたいと思っています。そのためには、このチームの浮上が欠かせないのですが…。



 さて横浜の先発は3年目の坂本投手。期待の若手ではあるのですが、前回登板の阪神戦は味方の逆転で敗戦投手にこそならなかったものの、4回に四球、安打、四球から今シーズン4-0の代打小野寺選手に満塁ホームランを浴びています。



 この日も先頭の吉川選手にセンター前ヒット。一死からボランコ選手に四球。その後併殺で切り抜けますが、不安定な立ち上がり。5回ぐらいまでなんとかだましだまし行ってくれれば、という感じでした。



 対する巨人の先発は早くも来日6年目のメルセデス投手。数年前横浜にはアウディという外国人がいて、こちらは走りませんでしたがメルセデスは頑張っています。今シーズン早くも4勝を挙げています。



 ただ、この日のメルセデス投手は制球が定まらず、球数も多く、決して調子が良いようには見えませんでした。ただ非常にテンポよく投げ込んできて、何となく横浜打線がそのリズムにハマってしまっているように感じました。

 立ち上がり、一死から佐野選手がレフト前ヒットで出塁すると、続くソト選手、牧選手に連続四球。横浜にとっては一死満塁の絶好の機会でしたが、続く大田選手、大和選手が連続三振。結果的にはこれが唯一のチャンスらしいチャンスで、これを逸し主導権を握れなかったことがすべてだったように思います。



 坂本投手は3回までで早くも50球。それでも2安打1四球となんとか試合を作ってくれていました。むしろ打線の方が荒れているメルセデス投手に逆に翻弄されているようでした。特にソト選手はこの日全くタイミングが合っておらず。かといって、ポンポンと投げ込んでくるメルセデス投手のリズムを崩そうという工夫があったようにも見えず、淡白な攻撃が続いていました。

 そして悪夢の4回表。まず先頭のボランコ選手がレフト前ヒットで出塁。続く岡本選手は討ち取ったものの、ボランコ選手が盗塁。そういえば初回先頭打者の吉川選手もいきなり盗塁を仕掛けてきましたが、坂本選手は投球動作が読まれやすいのでしょうか(ランナーがいるので二段モーションではなくクイックだったのですが)? 一死二塁となって、続くウォーカー選手がライト前ヒット。さらに丸選手にはフルカウントから四球を与えてしまいます。これで一死満塁。

 こうなると蘇るのが前回21日の記憶。あの時も4回表、死球、ヒット、四球と自滅のような形で満塁となり、代打小野寺選手に一発を浴びました。打席に迎えた実績十分とはいえまもなく40歳になる中島選手。ボール先行でカウントを悪くし、フルカウントからファウル2球と粘られてからの8球目でした。打った瞬間にそれと分かる、レフトへの満塁ホームラン!この試合、さらにこの後4点取られましたが、展開から言ってこれで事実上決まっていました。

 それにしても二試合続けて満塁ホームランを浴びるなんて…。僕もこのチームを44年見てきて、試合開始直後、先頭打者から三連続でホームランを浴びるとか、1イニング5四球とかいろいろありましたけれど、二試合連続で満塁ホームランを浴びたというのは前代未聞です。ちょっとメンタル面の課題があるのではないでしょうか?恐らくこの試合後、二軍調整となると思いますが、そのへん含めてしっかり立て直してきていただければと思います。期待の高い選手ですので。



 坂本選手の後を継いだ三上投手も残念な結果に…。5回表、代わり端絶不調の坂本選手に四球を出すと、ボランコ選手センター前ヒット、岡本選手併殺崩れで一死三塁一塁。するとウォーカー選手にまたも四球を与え、一死満塁。そして丸選手に2球目をいとも簡単に弾き返され、0vs6。



 この試合、強いて収穫があったとすれば、6回から8回を継いだ入江投手、平田投手が好調だったことです。特にイニング跨ぎだった入江投手は球に力があり、堂々としたピッチングでした。



 それと状元楼さんからいただいた美味しい中華のおつまみですね。



 一方で残念だったのが、21日の阪神戦では素晴らしい投球を見せた5番手の池谷投手。



9回二死までこぎつけてから四球を出し、岡本選手に本塁打を浴びてしまいました。



 9回裏、連続四球にエラーも絡んで2点を返しますが、相手方直江投手の独り相撲に過ぎず。打線の方は結局3安打と沈黙、零封を免れるのがやっとでした。

 同じ負けるにせよ、何となく一方的にやられて終わった、感じるもののない試合だったのが残念です。「横浜反撃」はおろか、トラがすぐ後ろに迫っています。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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最後の学生vs社会人頂上決戦-第74回Rice Bowl

2021年01月12日 | スポーツ観戦記


 2021年1月3日。アメリカンフットボールの日本一を決める、第74回Rice Bowlの観戦に東京ドームへ行ってきました。試合後に分かったことですが、学生と社会人のチャンピオンが日本一を争う形式は今回が最後なのだそうです。前回も書きましたが、社会人と学生の差は近年顕著になってきており、Rice Bowlで学生側に多く負傷者が出てしまう点も問題だと思っていましたので、これは良いことだと思います。

 さて、学生側は4年連続で関西学院大学ファイターズ。この10年で実に学生王者8度。昨シーズン、1992年からチームを率いてきた鳥内監督が退任し、また今シーズンはコロナ禍の中、社会人相手にどのようなゲーム運びをするのか注目していました。一方、社会人はブログでもご紹介した通り、7年ぶりにJapan X Bowlを制したオービック・シーガルズです。



 国歌独唱は、ソウル・シンガーのクリス・ハートさん。



 試合は関西学院K/P永田選手のキックでスタート。作戦通り、オンサイドキックでLB都賀選手がリカバー。自陣48ヤードからの攻撃開始。関西学院はファーストダウンを二度更新、オービック陣エンドゾーンまで残り10ヤードまで攻め込み1stダウン10。すると、RB前田選手が密集を抜け出し、エンドゾーン右にタッチダウン。2:31、関西学院が先制します。しかし、キックはオービックDLバイロン・ビーティ―・ジュニア選手のブロックにより失敗。



 オービックの反撃は5:38。自陣41ヤードから着実にファーストダウンを更新し、関西学院陣32ヤードからの1stダウン10。すると、QBロックレイ選手からWR野崎選手への24ヤードのパスが通り、エンドゾーン残り8ヤードまで攻め込みます。ここからRB望月選手がエンドゾーン中央に走り込み、タッチダウン。



 フィールドゴールは、オービックオフェンスにフォルス・スタートの反則があり5ヤードの罰退。しかし、練習ながら73ヤードのフィールドゴールを成功させたこともあるというK/P山崎選手にとって、これは問題にならず。オービックが7vs6と逆転。山崎選手は、この試合も再三のロングキックで関西学院のリターンを許さない活躍を見せました。



 さて、山崎選手のパントは関西学院陣エンドゾーンまで届き、タッチバック(関西学院自陣25ヤードからの攻撃)。ファーストダウンを更新しますが、その次のシリーズが阻まれ、自陣45ヤードからの4thダウン1でパント。ところが、ここでフォルス・スタートの反則があり、5ヤード罰退。すなわち、自陣40ヤードから4thダウン6のパントとなりますが、何とこれをオービックのDL平澤選手がブロック。拾い上げたボールを関西学院陣14ヤードまで持ち込みます。一転して、オービックのチャンス。20ヤード切られると、社会人同士でも防ぎきるのは中々難しいと思いますが、QBロックレイ選手らのパスが、左エンドゾーンに走り込んだTEハフ選手へ通り、タッチダウン。ゴールも決まり、8:19、14vs6。



 このままオービックに流れが行くかと思われたのですが、2Qに入ると関西学院のディフェンスが健闘しました。両者とも、ファーストダウンこそ更新するものの、次のシリーズが続きません。無得点のまま2Qも終わりに近づいた11:25、関西学院にビッグプレーが飛び出します。関西学院は自陣16ヤードから3rdダウン10、ワイルドキャットフォーメーション(QBの位置にTBが入るフォーメーション)。RB鶴留選手からボールを受け取ったRB三宅選手が左サイドを突破、何度そのまま84ヤードを走り切り、タッチダウン。



 そして関西学院は2ポイントコンバージョンにトライしますが、これは失敗。とはいえ、前半を14vs12の2点差で折り返します。



 ハーフタイムショーは、再びクリス・ハートさん。今回、コロナ対策のためか分かりませんが、関西学院大学のチアリーダーは出場しませんでした。



 前半は健闘した関西学院でしたが、後半になると地力の差が顕著になり始めます。3Q、オービックは自陣47ヤードからの1stダウン10。ここでQBロックレイ選手が放ったパスをWR野崎選手が関西学院陣30ヤード付近でキャッチ。そのまま走り切ってタッチダウン(2:33)。ゴールも決まり、21vs12と突き放します。



 4:53、先ほどのタッチダウンパスをさらに上回るビッグプレーが。オービックは関西学院陣49ヤードからの1stダウン10。センター庄島選手からのスナップをQBロックレイがキャッチすると、左サイドから走りこんできたWR西村選手にハンドオフ、大きく右サイドを突破すると、そのまま49ヤードを独走しタッチダウン。ゴールも決まり、28vs12。



 4Q開始早々、オービックは自陣45ヤードからの1stダウン10。まず、WB西村選手へのパスが通り、2ndダウン4。WR成田選手へのロングパスは失敗に終わりますが、続く3rdダウンで再びのパスはWR西村選手に通り、1stダウン更新。関西学院陣42ヤードからの1stダウン10。まず、WR水野選手へのタッチダウンパスは不成功。しかし、2ndダウンでQBロックレイ選手からのパスを関税学院陣27ヤード付近でTEホールデン・ハフ選手がキャッチ、そのまま右エンドゾーンに走り切ってタッチダウン(1:48)。ゴールも決まり、35vs12。



 関西学院最後の意地は、その後。例によってK/P山崎選手のロングキックでタッチバックとなり、関西学院は自陣25ヤードから攻撃開始。最初のWR鈴木選手へのパスは失敗しますが、次のWR梅津選手へのショートパスは成功。3rdダウン9、WR鈴木選手への23ヤードパスが通り、ファーストダウン更新。オービック陣32ヤードからの1stダウン10。WR梅津選手へのショートパスが通り、2ndダウン5。続くパスは不成功と思われましたが、オービックにホールディングの反則。これでオートマチック・ファーストダウンとなり、オービック陣36ヤードからの1stダウン10。QB奥野選手からRB三宅選手へハンドオフ、2ndダウン8。QB奥野選手のスクランブルで3rdダウン1。エンドゾーンまで残り27ヤード、どうするかと思いましたが、QB奥野選手が自ら飛び込んでファーストダウン更新。オービック陣25ヤードからの1stダウン10。まずTE小林選手へのショベルパスで5ヤード獲得。2ndダウン5、QB奥村選手からドロープレー(パスと見せかけてラン・プレーをすること)でRB鶴留選手にハンドオフ。これでファーストダウン更新、ついにエンドゾーン13ヤードまで迫ります。1stダウン10、QB奥野選手のパスは不成功。続く2ndダウン、QB奥野選手からRB前田選手にハンドオフ、前田選手はオービックDFラインの中央を突破、そのまま左エンドに走りこんでタッチダウン(6:48)。しかし、その後の2ポイント・コンバージョンは失敗、35vs18。しかし、ここまででした。



 結果、オービック・シーガルズが7年ぶり、史上最多8回目の日本一を更新しました(リクルート時代を含む)。しかし、今大会で1984年から続いた学生代表vs社会人代表の形式は終わりを告げ、新たな歴史が刻まれていくこととなります。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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初の大晦日格闘技観戦②-RIZIN26(さいたまスーパーアリーナ)

2021年01月11日 | スポーツ観戦記


 (前回のつづき)そういう意味では、MMAの経験が豊富なこちらの試合は、地味なのですが見応えがありました。第9試合、カイル・アグォン選手vsクレベル・コイケ選手。両者互角の展開でしたが、1R残り1分となったところで、コイケ選手の右フックがアグォン選手の左顎を捕らえ、ダウン。そこからフロントチョークでテクニカルサブミッション(1R4分22秒)。頭が巻き込まれていたので、危なかったですね。



 第10試合の元谷友貴選手vs井上直樹選手も緊張感があって良かったです。5分3RのRIZIN MMAルール(肘あり)。プロフィールでは元谷選手170㎝に対して、井上選手173㎝とのことでしたが、それより身長差があるように見えました。元谷選手が先に仕掛け、グラウンドに持ち込んだのですが、井上選手は寝技も巧みですね。リアネイキッドチョーク(裸絞め)は井上選手、得意なのでしょうか?それにしても、今大会15カードの内4カードが61kg級であることからも分かるように、この階級は層が厚いですね。

 ここで、地上波の放送時間との関係から1時間におよぶ長い休憩に入りました。



 第11試合、MMAで日本人初の世界王者となり、長くこの世界を牽引してきた浜崎朱加vs山本美憂のスーパーアトム級タイトルマッチ。5分3R、RIZIN女子MMAルール。僕が知っている山本選手は、1991年に彼女が最年少でアマチュアレスリングの世界選手権を制した頃の話です。それから30年近くになるというのに、まだ現役を続けている。それだけでも頭が下がります。結果は、1R 1分42秒、ネックシザースからのタップアウトで浜崎選手の勝利。



 第12試合、こちらも大ベテラン五味隆典選手vs新生の皇治選手。3分3R、RIZINスタンディングバウト特別ルール、つまりパンチのみ。両選手とも少し太っているように見えましたが、エキシビジョンということで。結果は判定で五味選手の勝利。



 第13試合、今大会最注目選手の一人。プロ総合格闘技戦績13勝2敗、わずか40日前に行われたRIZIN25のフェザー級王座決定戦で斎藤裕選手に判定で敗れた朝倉未来選手。ずっと総合格闘技を見ていなかった僕でも朝倉兄弟の名前は聞いたことがあります。対するは、プロ総合格闘技戦績11勝5敗、RIZIN初参戦の弥益ドミネーター聡志選手。余談ですが、弥益選手は海城高校出身なんですね。わが母校の攻玉社と海城は、海軍予備校をルーツとしており制服も似ているので、昔から何となく親しみがありました。大学の近くでもありましたし。

 5分3R、RIZIN MMAルール(肘あり)。1R、緊張感のある攻防が続いていたのですが、残り1分でアクシデントのバッティング。これが効いたようには見えませんでしたが、その後朝倉選手の左フックで一瞬怯んだところに左ハイキック。これが強烈でした。そこへすかさず右フックで弥益選手はダウン。1R4分20秒KO、一瞬の機を逃さない朝倉選手はさすがです。わずか40日で調整も大変だったと思うのですが。一方の弥益選手、これからも見たい選手です。



 第14試合、セミファイナルですから当然ですが、こちらも注目カード。那須川天心選手vsクマンドーイ・ペットジャルーンウィット選手。那須川選手は既にボクシングへの転向を表明しており、キックの試合を観られるのもあと僅かです。3分3R、RIZIN キックボクシング特別ルール。ペットジャルーンウィット選手は、ムエタイで60勝31敗、攻撃力に定評があり、2年前、那須川選手を破ったロッタン・ジットムアンノン選手に判定で勝っているのだそうです。今回の計量では56.50kgsでしたが、ムエタイではバンタム級(53kgs以下)なので、階級を上げてきているのかもしれません。

 試合が始まってみると、確かにペットジャルーンウィット選手のロー、ミドルの蹴りは凄まじく、ビシビシと音が伝わってきます。試合後、真っ赤に腫れた那須川選手の上腕が、その威力を物語っていました。一方の那須川選手も、ミドルキックをホールドしては、的確にパンチを返します。1R中盤は激しいミドルキックの応酬。途中、ペットジャルーンウィット選手が那須川選手を投げる場面があり、注意。那須川選手の距離感を掴む上手さ、パンチのコンビネーションはさすがです。2Rには那須川選手のショートフックでペットジャルーンウィット選手がふらつく場面も。結果は3R判定で那須川選手の勝利でしたが、両者の意地がぶつかり合う激しい試合でした。



 最後の第15試合は、RIZINバンタム級タイトルマッチ。2019年8月に初めてのKO負けを喫し、RIZINバンタム級のタイトルを失った堀口恭司選手。対するは、そのタイトルを奪った朝倉海選手。堀口選手の怪我により約1年半ぶりのタイトルを賭けた再戦です。5分3R、RIZIN MMAルール(肘あり)。

 堀口選手は伝統派空手である松涛館の出身だそうですが、その影響なのかこの間合い。他の試合の写真と見比べても、この間合いの広さはやりにくいでしょうね。そして堀口選手が序盤から繰り出したカーフキック。これも伝統派の組手で良く使われる足払いに非常に近いです。1発目はまさに相手を崩す蹴りだったのですが、2発目は1発目よりステップインしてからの蹴りで、少し効いたように見えました。3発目で朝倉選手は体勢を崩し、膝をつく。朝倉選手の出足を封じるには良い牽制です。4発目は完全に斜め上から前足の脛に入りました、ダメージを与える蹴りです。これで朝倉選手が怯んだように見えました。そこへ堀口選手が遠い距離から右ストレート(これも伝統派の上段逆突きに近い)で一気に間を詰めると、右ショートフックが朝倉選手の顎を捉えダウン。倒れた朝倉選手に堀口選手がパンチを浴びせかけ、レフェリーストップ。1R2分48秒TKO、このように試合は始終堀口選手のペースでした。やはり序盤からのカーフキックが身体的にも試合のリズム的にも有効だったかなという感じです。

 前述のように、この61㎏級は良い選手がひしめき合っているようですので、今後も注目していきたいと思います。15年ぶり、それも初の生での総合格闘技観戦でしたが、良い経験をさせていただきました。このような機会をいただいた方に感謝申し上げます。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
コメント
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