4月26日、WBN(早稲田ビジネスネット横浜稲門会)において、朝倉久様を講師にお迎えしてのテキーラ、メスカルの試飲会がありました。内容が盛りだくさんでしたので、今日から3日間にわたってレポートしていきたいと思います。
僕にとってのテキーラのイメージと言えば、学生時代に親指の付け根に乗せた塩とライムで安いテキーラのショットを一気飲みしていた思い出や、マルガリータやテキーラサンライズなどカクテルのベースに使われているといった程度。つまり馴染みのないお酒でした。
まずテキーラというのは、竜舌蘭(マゲイ)を原料とするメキシコの蒸留酒「メスカル」の内、テキーラ村を中心とする特定の地域のみで作られたものを指す原産地呼称だそうです。ウィスキーにおけるスコッチやバーボン、ブランデーにおけるコニャックと同じですね。ただ「メスカル」も原産地呼称のひとつになっているので、竜舌蘭の学術名からアガヴェ蒸留酒と呼ばれたりもします。
竜舌蘭は去年、シンガポールの植物園「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」で確か見た気がします。リンク先の動画に映っているかどうか…
講義はその原料である竜舌蘭(マゲイ)を擬人化したアステカ神話の女神「マヤウェル」の悲しい物語から始まりました。マヤウェルは母性、豊穣の女神とされます。そういえば、ギリシャ神話のディオニュソス、日本神話の大物主大神、いずれも酒と豊穣の神です。農作物が自然の恵みによって変化し生み出されるお酒は、人々の心の深層で豊かさと結び付けられているのかもしれません。
さて前述のように、メスカルもメキシコ国内の生産地その他の条件により規格化された、様々な原産地呼称があります。
1.メスカル
メスカルの生産地(上の画像をクリックすると拡大します)。
メキシコ南部オアハカ州を中心とする先住民のお酒。メキシコ中部の諸州でも作られていますが、全生産量の90%がオアハカ州で作られているそうです。スペイン入植前から神事に使われていたお酒で、最近発見された壁画には素焼きの甕でメスカルが作られる様子が描かれていたそうです。ただ、それが蒸留技術なのかどうかは定かではないとのこと。
後述しますが、メスカルはその自然の力と手間暇かけて作られるイメージから近年カリフォルニア州を中心としてアメリカで人気が高まっているそうです。最も、生産量が少なく希少なため値段はテキーラよりも高いとのこと。
2.バカノーラ
バカノーラの生産地(上の画像をクリックすると拡大します)。
メキシコ北部ソノーラ州で200年の歴史を持つお酒。こちらも生産量が少ないそうです。
3.ソトル
ソトルの生産地(上の画像をクリックすると拡大します)。
犬のチワワの原産地、メキシコ北部チワワ州のお酒。やはり生産量が少ないそうです。
4.テキーラ
テキーラの生産地(上の画像をクリックすると拡大します)。
最も生産量が多く、知名度も高いお酒。現在145か所の蒸留所、約1,200銘柄ほどあるそうです。最古の蒸留所はクエルボ社で、1795年の創業。
<つづく>
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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