屯田物語

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雪渺茫の中に

2020年03月05日 | 春を呼ぶ朝


昨年12月11日から始めた詩集⦅春を呼ぶ朝⦆全59篇の紹介は「雪渺茫の中に」をもって最終となりました。
大村先生は昭和35年に旭川東高を退職され高岡に戻られましたが、先生の妹さんのお手紙(昭和52年:妹さんから弟さん宛てのお手紙です)によりますと「後年、兄は書道の月刊誌・臨池に漢詩をのせることになり、できると大てい私宅を尋ねて、夫、正之助とその詩についてくり返し推敲していた。」そうです。
漢詩に傾倒されたのはいつからかわかりませんが、「春を呼ぶ朝」には難解な漢字が度々出てくるので、あらためて詩人・大村正次の教養の深さに驚嘆しております。

大村正次著「春を呼ぶ朝」―故郷の電車―

 雪渺茫の中に

渺茫 雪にうづもれた
この山峡やまかひ
ひと住まぬ無垢の世界にも
生物のかすかなけはひ、、、がするよ。

沈黙 凛冽の 渓間を縫うて
チチ チチ チチ
春近い巣籠りの
小鳥の 秘かな歓喜よろこびであらう。


goo辞書:びょう‐ぼう【×渺×茫】 の解説
[ト・タル][文][形動タリ]遠くはるかなさま。広く果てしないさま。
「夕の海は―として」〈風葉・恋ざめ〉
類語:悠悠(ゆうゆう) 渺渺(びょうびょう) 茫茫(ぼうぼう)