残暑も影をひそめてきた頃から、「猫探偵かよ?」と自分でも思うほど、
立て続けに脱走猫の捜索の相談が続きました。
ワタシ自身、ウチの猫の脱走で本当に眠れない日々を過ごしたので他人事に思えません。。。
「そのうち戻ってくる」と思っていては手後れになってしまうケースが多々あります。
幸いにも、今回の3件とも無事に脱走猫を保護することができましたが、
見つからないままの子もたくさんいるでしょう。
最初の行動によって、猫の捜索は大きく変わってしまいます。
万が一にでも猫に脱走されてしまった時には、躊躇わずにすぐ行動すること。
現場に何度も足を運ぶこと。絶対に見つけると誓うこと。諦めないこと。
●脱走経路を確認し、近所を捜索する
脱走した場所から戻ってくる場合があるので、好物のフードを置いて脱走経路を開け放ちます。
その際、他に猫がいる場合は二次脱走が起こらないよう十分に注意します。
家の敷地の周りに使っていたトイレ砂などを撒いて、「帰る場所」であることを知らせます。
家の中でゴロゴロに人慣れしている子でも、外に出たら怖くて固まっていることがほとんどです。
軒下や木の茂み、車や倉庫の中など、雨風がしのげて暗くて狭い場所を名前を呼んで探します。
「怖くて出てこれない」以外に「怪我をして動けない」という場合もあります。
呼び掛けに反応する鳴き声がないか、耳を澄ませてみてください。
捜索の時間帯は、寝静まった真夜中、明け方、夕食時など。
時間帯を変えて、何度も見回りをしてください。
家族以外の人が呼んで出てくることはあまり期待できないので、捜索は基本的に家族がメインになります。
かなり根気が必要なので、睡眠と食事は時間のある時にしっかりと取ってください。
●連絡・届け出をする
譲渡された猫ならば、まずは保護主さんへ連絡してください。
経験豊富なボランティアさんなら、捜索のノウハウや的確なアドバイスをくれるでしょう。
脱走後すぐに収容される可能性は少ないですが、ゼロではありません。
①各都道府県の愛護センター
②地域の保健所
③警察
④清掃局
それぞれの担当部署に届出を入れます。
基本的に受付は平日昼間のみですので、休日や夜間は翌営業日の朝イチに必ず届けましょう。
残念ながら各部署の連携は期待できませんし、隣接地域の業務も横の繋がりはほぼナシ。
地域をまたぐ可能性がある場合は、隣の地域の部署にも連絡が必要です。
一度届け出たからといって安心せずに、こまめに確認の連絡を入れてください。
興奮している場合など固体識別がきちんとできていないこともありますし、
飼い主でなければ区別がつきにくい場合もあります。
必要に応じて、収容場所に確認に出向いてください。
●ポスター、ポスティング用チラシを作成する
「迷子猫を探しています」「分かりやすい顔写真・全体写真」「分かりやすい色柄・特徴」「必ずつながる連絡先」
ポスターはカラーで大き目の方が分かりやすいですが、
ポスティング用のチラシは小さくて構わないので、100枚単位で配ります。
ポスティングチラシから有力情報を得られるケースはとても多いです。
文章が長くなっても、一般の方々にはなかなか読み込んではもらえません。
色柄も、黒っぽい(実はサビ柄)とか、白と黒(実はキジ白柄だったりする)とか、猫飼いでないと識別は難しいものです。
連絡をもらったら無駄足と思わずに現地に出向いて確認をしてください。
チラシは、犬の散歩中の方や近所の小学生にも配ります。意外と猫を見ていることが多いです。
怪我をした場合は動物病院に運ばれることもあるので、病院にもポスターを貼らせてもらいます。
ペット用品屋さんや人目につきやすい駅前のスーパー、コンビニなども可能なら貼らせてもらいます。
ポスター貼りやポスティング、聞き込みなどは人手が多いほうが助かります。
友人・知人に協力をお願いしてみましょう。
●近所の餌やりさんやボランティアさんを探す
数日はその場に留まっていることが多いですが、お腹がすくとゴハンのある場所に移動します。
猫好きの餌やりさんは新顔にはいつも気を配っていますし、猫の識別もかなり確かです。
我が家の兄さんが脱走した時も、餌やりさんの餌場に顔を出しました。
近隣の猫飼いさんからの情報も入りました。
近所に猫ボランティアさんがいる場合、色々と情報や協力を得られることがあります。
「捨て猫」と間違われて保護されている可能性もありますので、保護猫の中に該当猫がいないかも確認してもらいます。
●捜索範囲や方法を変える
猫の性格や環境、去勢の有無やその時の天候などによって左右されますが、ほとんどの場合は数日間は近場にいます。
最初の一週間の頑張りによって、発見できるかできないかが分かれてしまいます。
一週間経っても有力な目撃情報がない場合は、ポスターの貼りなおしや、ポスティングの範囲を広げます。
新聞の折り込みチラシや、地域の情報誌に情報を掲載させてもらい、捜索範囲を広げます。
一旦遠くに行ってまた戻ってくることもあるので、引き続き近場の見回りも続けてください。
情報を集め、本猫の居場所さえ掴めたら、餌付けをしてその場に留まらせてください。
●無理に素手で捕まえようとしない
いくら慣れている子でも、素手で捕まえようとするのは危険です。
再度逃がしてしまったら捕まり難くなりますし、パニックになって車道に飛び出して事故になることもあります。
落ち着いているようなら、大きなタオルでくるんで抱きかかえるか、ハードキャリーに誘き入れます。
キャリーに入れる時に失敗して逃がしてしまうこともありますので、くれぐれも無理しないように。
キャリーに入れるのが無理そうな場合は、トラップを使用してください。
地域の保健所や猫ボランティアさん、動物病院で貸出先を紹介してくれることがあります。
取り扱い方法や注意点も、きちんと説明を受けてください。
トラップは悪意の使用も可能なものですので、
人目につかないよう使用し、紛失や取り扱いには細心の注意を払ってください。
猫の性格や環境によって、捕まるまでの時間も方法もまちまちですが、
神隠しにあったわけではないので、必ずどこかにいます。
首輪は外れてしまう可能性も高いですし、外れなければ絡まって大怪我になる可能性もありますが、
「見かけない飼い猫」と気づいてもらえる可能性が高くなります。
マイクロチップは「GPS」機能があると間違われている方も多いですが、単なる登録番号の識別です。
愛護センターや動物病院に収容されてリーダーで読み取られたときに効果を発揮します。
引越しや連絡先が変わった場合には登録の変更をする必要があります。
異物を挿入することに抵抗のある方も多いと思いますが、
関西・東日本の大震災を経験した獣医さんたちは必要性を訴えます。
実際に、関西地区や東北ではマイクロチップの登録数が増えているそうです。
東京都の愛護センターでは収容動物は全てリーダーで読み取りを行っています。
リーダーを設置している動物病院も数年前より格段に増えてきています。
実際に、お世話になっているボランティアさんが保護した猫は動物病院で読み取りをして飼い主が見つかりました。
ウチは大丈夫・・・とみんな考えていると思います。
でも、あのような災害にいつ見舞われるかは、誰にもわかりません。
水や食料の備蓄と共に、物言えぬ動物たちの非常時の対応もぜひ一度考えてみてください。
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立て続けに脱走猫の捜索の相談が続きました。
ワタシ自身、ウチの猫の脱走で本当に眠れない日々を過ごしたので他人事に思えません。。。
「そのうち戻ってくる」と思っていては手後れになってしまうケースが多々あります。
幸いにも、今回の3件とも無事に脱走猫を保護することができましたが、
見つからないままの子もたくさんいるでしょう。
最初の行動によって、猫の捜索は大きく変わってしまいます。
万が一にでも猫に脱走されてしまった時には、躊躇わずにすぐ行動すること。
現場に何度も足を運ぶこと。絶対に見つけると誓うこと。諦めないこと。
●脱走経路を確認し、近所を捜索する
脱走した場所から戻ってくる場合があるので、好物のフードを置いて脱走経路を開け放ちます。
その際、他に猫がいる場合は二次脱走が起こらないよう十分に注意します。
家の敷地の周りに使っていたトイレ砂などを撒いて、「帰る場所」であることを知らせます。
家の中でゴロゴロに人慣れしている子でも、外に出たら怖くて固まっていることがほとんどです。
軒下や木の茂み、車や倉庫の中など、雨風がしのげて暗くて狭い場所を名前を呼んで探します。
「怖くて出てこれない」以外に「怪我をして動けない」という場合もあります。
呼び掛けに反応する鳴き声がないか、耳を澄ませてみてください。
捜索の時間帯は、寝静まった真夜中、明け方、夕食時など。
時間帯を変えて、何度も見回りをしてください。
家族以外の人が呼んで出てくることはあまり期待できないので、捜索は基本的に家族がメインになります。
かなり根気が必要なので、睡眠と食事は時間のある時にしっかりと取ってください。
●連絡・届け出をする
譲渡された猫ならば、まずは保護主さんへ連絡してください。
経験豊富なボランティアさんなら、捜索のノウハウや的確なアドバイスをくれるでしょう。
脱走後すぐに収容される可能性は少ないですが、ゼロではありません。
①各都道府県の愛護センター
②地域の保健所
③警察
④清掃局
それぞれの担当部署に届出を入れます。
基本的に受付は平日昼間のみですので、休日や夜間は翌営業日の朝イチに必ず届けましょう。
残念ながら各部署の連携は期待できませんし、隣接地域の業務も横の繋がりはほぼナシ。
地域をまたぐ可能性がある場合は、隣の地域の部署にも連絡が必要です。
一度届け出たからといって安心せずに、こまめに確認の連絡を入れてください。
興奮している場合など固体識別がきちんとできていないこともありますし、
飼い主でなければ区別がつきにくい場合もあります。
必要に応じて、収容場所に確認に出向いてください。
●ポスター、ポスティング用チラシを作成する
「迷子猫を探しています」「分かりやすい顔写真・全体写真」「分かりやすい色柄・特徴」「必ずつながる連絡先」
ポスターはカラーで大き目の方が分かりやすいですが、
ポスティング用のチラシは小さくて構わないので、100枚単位で配ります。
ポスティングチラシから有力情報を得られるケースはとても多いです。
文章が長くなっても、一般の方々にはなかなか読み込んではもらえません。
色柄も、黒っぽい(実はサビ柄)とか、白と黒(実はキジ白柄だったりする)とか、猫飼いでないと識別は難しいものです。
連絡をもらったら無駄足と思わずに現地に出向いて確認をしてください。
チラシは、犬の散歩中の方や近所の小学生にも配ります。意外と猫を見ていることが多いです。
怪我をした場合は動物病院に運ばれることもあるので、病院にもポスターを貼らせてもらいます。
ペット用品屋さんや人目につきやすい駅前のスーパー、コンビニなども可能なら貼らせてもらいます。
ポスター貼りやポスティング、聞き込みなどは人手が多いほうが助かります。
友人・知人に協力をお願いしてみましょう。
●近所の餌やりさんやボランティアさんを探す
数日はその場に留まっていることが多いですが、お腹がすくとゴハンのある場所に移動します。
猫好きの餌やりさんは新顔にはいつも気を配っていますし、猫の識別もかなり確かです。
我が家の兄さんが脱走した時も、餌やりさんの餌場に顔を出しました。
近隣の猫飼いさんからの情報も入りました。
近所に猫ボランティアさんがいる場合、色々と情報や協力を得られることがあります。
「捨て猫」と間違われて保護されている可能性もありますので、保護猫の中に該当猫がいないかも確認してもらいます。
●捜索範囲や方法を変える
猫の性格や環境、去勢の有無やその時の天候などによって左右されますが、ほとんどの場合は数日間は近場にいます。
最初の一週間の頑張りによって、発見できるかできないかが分かれてしまいます。
一週間経っても有力な目撃情報がない場合は、ポスターの貼りなおしや、ポスティングの範囲を広げます。
新聞の折り込みチラシや、地域の情報誌に情報を掲載させてもらい、捜索範囲を広げます。
一旦遠くに行ってまた戻ってくることもあるので、引き続き近場の見回りも続けてください。
情報を集め、本猫の居場所さえ掴めたら、餌付けをしてその場に留まらせてください。
●無理に素手で捕まえようとしない
いくら慣れている子でも、素手で捕まえようとするのは危険です。
再度逃がしてしまったら捕まり難くなりますし、パニックになって車道に飛び出して事故になることもあります。
落ち着いているようなら、大きなタオルでくるんで抱きかかえるか、ハードキャリーに誘き入れます。
キャリーに入れる時に失敗して逃がしてしまうこともありますので、くれぐれも無理しないように。
キャリーに入れるのが無理そうな場合は、トラップを使用してください。
地域の保健所や猫ボランティアさん、動物病院で貸出先を紹介してくれることがあります。
取り扱い方法や注意点も、きちんと説明を受けてください。
トラップは悪意の使用も可能なものですので、
人目につかないよう使用し、紛失や取り扱いには細心の注意を払ってください。
猫の性格や環境によって、捕まるまでの時間も方法もまちまちですが、
神隠しにあったわけではないので、必ずどこかにいます。
首輪は外れてしまう可能性も高いですし、外れなければ絡まって大怪我になる可能性もありますが、
「見かけない飼い猫」と気づいてもらえる可能性が高くなります。
マイクロチップは「GPS」機能があると間違われている方も多いですが、単なる登録番号の識別です。
愛護センターや動物病院に収容されてリーダーで読み取られたときに効果を発揮します。
引越しや連絡先が変わった場合には登録の変更をする必要があります。
異物を挿入することに抵抗のある方も多いと思いますが、
関西・東日本の大震災を経験した獣医さんたちは必要性を訴えます。
実際に、関西地区や東北ではマイクロチップの登録数が増えているそうです。
東京都の愛護センターでは収容動物は全てリーダーで読み取りを行っています。
リーダーを設置している動物病院も数年前より格段に増えてきています。
実際に、お世話になっているボランティアさんが保護した猫は動物病院で読み取りをして飼い主が見つかりました。
ウチは大丈夫・・・とみんな考えていると思います。
でも、あのような災害にいつ見舞われるかは、誰にもわかりません。
水や食料の備蓄と共に、物言えぬ動物たちの非常時の対応もぜひ一度考えてみてください。
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