ハル★ムジカ ~片貝晴美の・ジャズと歌と幸せ時間~

ある日、ひょっこり現れた★ジャズシンガーでヴォーカル講師な片貝晴美が綴る、日々のあれこれとライブ情報。

夕陽に、赤い帆

2019年08月13日 | おんがくなこと
私は宮崎に来て、まる5年になります。

先日、たいへんお世話になった方が、
かえらぬ人となりました。

多分、最初の年くらいか、その次の年
宮崎市の老舗ライブハウス・ポレポレさんで声をかけていただいて
それからのお付き合い。

ジャズが好きで、それが高じて
東京や各地、そして宮崎からも
たくさんのミュージシャンを毎月
高鍋の南町公民館に呼んで、
ライブを主催される。
「好きなミュージシャンを呼んで
そのライブを観ながらビールを飲みたい」
いつもギャグを交えながら、笑顔でいろんなことを話してくれた。

1ステージ後の休憩時間に
次回イベントの宣伝と一緒に
彼のこれまで経験したことなどをお客さんを前に語ってくれた
時には武勇伝だったり(笑)
そのなかに、ヨットがあった。

2ステージを始める前には
必ずあの黒いカーテンを開けて歌詞を出し
日本の名曲・故郷を、会場のみんなで合唱する、
その日のミュージシャンらが伴奏をして。

そんなイベントを毎月続け、
今月で70回目を迎える…そんな時でした。

ヨットで、高鍋で、80代。

新聞やテレビで拝見され、「これは彼では?」との連絡をいただき
知ることとなった彼の死。


頭のなかで、彼の声がこだまする。

ずっと残っているのは、電話口で

「片貝さん、忙しいという字はね、
心を亡くす、と書くんだよ。
だからあんまり、忙しいっていうのも、良くないよ。」

ちょうどバタバタしているときにかかってきた、
次のおすすめライブのお誘い電話だった。

この言葉で、ハッとなったのを覚えている。

忙しくしているのは、ほんとうは自分。
そして、忙しいことを理由に
心を亡くして、人に対して気遣う余裕がなくなってしまう。

こころに、生活に、余裕をつくらなければ
優しくなれない

そんなことを学ばせてもらった
山本さん。
たいせつな言葉を、本当に本当に、ありがとう。

みんなのこころのなかで、あなたはきっと、こうして、生きているよ

夕陽と、赤い帆を胸に。

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