■第五世代戦闘機F-35B
88艦隊という案は、1974年の苦境という他ない経済状況下で認められた4個護衛隊群編成の最小限度の数の護衛隊である8個という数字を活かした作戦能力の分散と集約の最適解と信じます。
F-35B戦闘機、はるな型ヘリコプター搭載護衛艦の飛行甲板では運用が難しかったのかもしれませんが、30ノットで航行する護衛艦ひゅうが型飛行甲板であれば発着が可能で、いずも型護衛艦では既に運用改修が進められています。F/A-18E/F戦闘攻撃機やラファール戦闘機であればこの大きさの艦では運用は不可能であったのかもしれませんが。
F-35B,垂直離着陸さえ可能な第五世代戦闘機であり、もちろん戦闘機として制空戦闘には大きな威力を発揮できることは言うまでもなく、ステルス性を活用して脅威度の高い空域へ進出し、また機体そのものが各種センサーを駆使し戦闘の趨勢さえ左右する情報優位の中枢を担える、第4.5世代戦闘機を圧倒し得るというのが第五世代戦闘機です。
日米同盟により、このかなり思い切った施策で開発されたJSF統合打撃戦闘機としてのF-35Bを、必要に応じて増強できるという点は重要で、それは巨大な航空母艦を建造せずとも第五世代戦闘機を導入できるというところは重要です。これだけでも人的資源などでは、限られた現状でもかなり有用に運用できたのではないかと思えるのです。
こんごう型護衛艦後継がそろそろ具現化する時代、むらさめ型護衛艦の後継についても計画が確定された平成初期の脅威度と現状の脅威は根本から異なり、相応の能力がもとめられるようになります。もがみ型護衛艦についても拡大改良型が計画され、区分もFFMからFFG,ミサイルフリゲイトとしての区分に強化される時代となりました。
ミサイル護衛艦8隻体制、というよりは純粋に防空中枢艦、と改めて、今後想定される艦隊戦闘への脅威に対応できる艦が必要となります。故にヘリコプター搭載護衛艦8隻とミサイル護衛艦8隻、と表現するのではなく、全通飛行甲板型護衛艦8隻と広域防空中枢艦8隻、と表現を切り替えなければならないのかもしれません。
全通飛行甲板型護衛艦の増強が必要と考える背景には、現在大陸に整備されている地対艦ミサイルや対艦弾道弾の規模、飽和攻撃の脅威を直視するならば、一隻の中枢艦に対して十分な護衛をつけたとしても、かならず一カ所に集中するならば想定以上の飽和攻撃が行われるであろう、という顕在化している脅威の直視というもの。
飽和攻撃を回避するには、分散運用するほかありません。戦力は集中するべき、という原則論で反論する方がいるようですが、それは原則論の背景をうわつらしか読んでいない証拠で、戦力の集中とは敵対勢力に対する打撃力の集中であり、言い換えれば分散することは相手の集中を阻止すること、分散した先からこちらの攻撃を集中する。
F-35B戦闘機など、航空機は母艦が分散していた場合でも相手の正面でF-35Bそのものを集中できると言いますか、これこそが航空機運用の意義です。それだけの数のF-35Bを導入する計画はない、と反論もあるでしょうが、なにも日本のF-35Bだけしか搭載できないわけではありません、どの国もF-35Bでも搭載できるのが、母艦です。
8隻の全通飛行甲板型護衛艦、F-35B自動着艦誘導システムの整備費用は決して安いものではありませんが、いったん整備してしまえば、護衛艦という文字のポテンシャルが大幅に増大することを意味します。そしてなにより、全通飛行甲板型護衛艦を護衛隊群すべての護衛隊に配備するということは、すべての護衛隊が任務対応能力を高め。
センサーノード機能力としてF-35Bを前進したセンサープラットフォームとして用いて、F-35BのAPG-81レーダーをそのまま護衛艦に搭載するスタンダードSM-6ミサイルのセンサーとして誘導する研究がありますし、この延長線上にペトリオットミサイルとイージス艦やF-35Bを連接させる実験もすでに進められているのですから意義は大きい。
F-35B戦闘機と、もう一つアメリカではMQ-9無人機の艦上型を計画しており、このMQ-9にはAEWポッドを搭載して早期警戒機としての運用能力付与の研究も行われています。陸上の基地に縛られず、艦艇として任意の位置からこれらの装備を展開できるならば、防衛力の自由度というものはかなり高まることを意味するのですから。
2020年代、既にロシアが国際公序の原則を破り、また核兵器国以外に核兵器を拡散させない事を条件に例外的に核保有を妥協する核軍備管理枠組みがロシアにより崩れつつある、台湾海峡の緊張は高いまま推移し朝鮮半島情勢では核による先制攻撃の蓋然性から核抑止への要望が高まり続けている現代、88艦隊は地域安定化へ、有用な選択肢です。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
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(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
88艦隊という案は、1974年の苦境という他ない経済状況下で認められた4個護衛隊群編成の最小限度の数の護衛隊である8個という数字を活かした作戦能力の分散と集約の最適解と信じます。
F-35B戦闘機、はるな型ヘリコプター搭載護衛艦の飛行甲板では運用が難しかったのかもしれませんが、30ノットで航行する護衛艦ひゅうが型飛行甲板であれば発着が可能で、いずも型護衛艦では既に運用改修が進められています。F/A-18E/F戦闘攻撃機やラファール戦闘機であればこの大きさの艦では運用は不可能であったのかもしれませんが。
F-35B,垂直離着陸さえ可能な第五世代戦闘機であり、もちろん戦闘機として制空戦闘には大きな威力を発揮できることは言うまでもなく、ステルス性を活用して脅威度の高い空域へ進出し、また機体そのものが各種センサーを駆使し戦闘の趨勢さえ左右する情報優位の中枢を担える、第4.5世代戦闘機を圧倒し得るというのが第五世代戦闘機です。
日米同盟により、このかなり思い切った施策で開発されたJSF統合打撃戦闘機としてのF-35Bを、必要に応じて増強できるという点は重要で、それは巨大な航空母艦を建造せずとも第五世代戦闘機を導入できるというところは重要です。これだけでも人的資源などでは、限られた現状でもかなり有用に運用できたのではないかと思えるのです。
こんごう型護衛艦後継がそろそろ具現化する時代、むらさめ型護衛艦の後継についても計画が確定された平成初期の脅威度と現状の脅威は根本から異なり、相応の能力がもとめられるようになります。もがみ型護衛艦についても拡大改良型が計画され、区分もFFMからFFG,ミサイルフリゲイトとしての区分に強化される時代となりました。
ミサイル護衛艦8隻体制、というよりは純粋に防空中枢艦、と改めて、今後想定される艦隊戦闘への脅威に対応できる艦が必要となります。故にヘリコプター搭載護衛艦8隻とミサイル護衛艦8隻、と表現するのではなく、全通飛行甲板型護衛艦8隻と広域防空中枢艦8隻、と表現を切り替えなければならないのかもしれません。
全通飛行甲板型護衛艦の増強が必要と考える背景には、現在大陸に整備されている地対艦ミサイルや対艦弾道弾の規模、飽和攻撃の脅威を直視するならば、一隻の中枢艦に対して十分な護衛をつけたとしても、かならず一カ所に集中するならば想定以上の飽和攻撃が行われるであろう、という顕在化している脅威の直視というもの。
飽和攻撃を回避するには、分散運用するほかありません。戦力は集中するべき、という原則論で反論する方がいるようですが、それは原則論の背景をうわつらしか読んでいない証拠で、戦力の集中とは敵対勢力に対する打撃力の集中であり、言い換えれば分散することは相手の集中を阻止すること、分散した先からこちらの攻撃を集中する。
F-35B戦闘機など、航空機は母艦が分散していた場合でも相手の正面でF-35Bそのものを集中できると言いますか、これこそが航空機運用の意義です。それだけの数のF-35Bを導入する計画はない、と反論もあるでしょうが、なにも日本のF-35Bだけしか搭載できないわけではありません、どの国もF-35Bでも搭載できるのが、母艦です。
8隻の全通飛行甲板型護衛艦、F-35B自動着艦誘導システムの整備費用は決して安いものではありませんが、いったん整備してしまえば、護衛艦という文字のポテンシャルが大幅に増大することを意味します。そしてなにより、全通飛行甲板型護衛艦を護衛隊群すべての護衛隊に配備するということは、すべての護衛隊が任務対応能力を高め。
センサーノード機能力としてF-35Bを前進したセンサープラットフォームとして用いて、F-35BのAPG-81レーダーをそのまま護衛艦に搭載するスタンダードSM-6ミサイルのセンサーとして誘導する研究がありますし、この延長線上にペトリオットミサイルとイージス艦やF-35Bを連接させる実験もすでに進められているのですから意義は大きい。
F-35B戦闘機と、もう一つアメリカではMQ-9無人機の艦上型を計画しており、このMQ-9にはAEWポッドを搭載して早期警戒機としての運用能力付与の研究も行われています。陸上の基地に縛られず、艦艇として任意の位置からこれらの装備を展開できるならば、防衛力の自由度というものはかなり高まることを意味するのですから。
2020年代、既にロシアが国際公序の原則を破り、また核兵器国以外に核兵器を拡散させない事を条件に例外的に核保有を妥協する核軍備管理枠組みがロシアにより崩れつつある、台湾海峡の緊張は高いまま推移し朝鮮半島情勢では核による先制攻撃の蓋然性から核抑止への要望が高まり続けている現代、88艦隊は地域安定化へ、有用な選択肢です。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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