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ウクライナ情勢-ドローンの脅威!FRV無人機対策は結局小銃によるしかないのかもしれない-ウクライナ軍の研究

2024-12-13 07:01:45 | 先端軍事テクノロジー
■防衛情報-ウクライナ戦争
 無人機対策は本邦でも重要な課題ですがかなり高価なスマートスコープを陸上自衛隊が調達しようとしている現在にウクライナより参考となる事例が。

 FRV無人機対策は結局小銃によるしかないのかもしれない、ウクライナの第一線について猛威を振るっているなかにあって、その生存方法を模索した結果、電子妨害装置など様々な方法が模索されているものの、これら妨害システムは必ずしも有効に機能せず、特に兵員殺傷を狙う無人機を最後の100mで迎撃するには小銃しかなかった、という。

 ワシントンDCに所在する海軍分析センター顧問サムベンデット氏の研究によれば、結局小銃以外には兵士が身を守る手段はないものの、一方で最後の距離でFRV無人機を防ぐことができるかは結局小銃手の射撃技量に左右されるとしつつ、この状況でFRV無人機を正確に操縦できるかについてもドローンオペレータの技量によるとしました。

 手探りの検討の中で、ロシア軍では現在小銃に多用されている5.45mm弾薬に銃弾を取り外したうえで散弾銃の弾薬から取り出した散弾ペレットを再装填した自作の対無人機弾薬を造っているとのこと、またロシア軍は小型無人機対策に一般的な猟銃で多用される12ゲージ散弾の使用を強化しているともウクライナ情報機関の情報分析があるようです。

 ウクライナ軍はFRV無人機への散弾銃試験結果を発表しました。これは第一線歩兵部隊に対する脅威となっているFRV無人機へ、これまで電磁波による妨害などが試みられていますが、最後の100mの段階に入りますと、無人機を防ぐにはやはり小銃手は小銃をもちいるほかない、という状況が再確認された為です。

 散弾銃として、イタリアのベレッタホールディングス系列であるスウェーデンの弾薬製造企業ノーマが参加しており、AD-LER対ドローン長距離有効射程弾薬を提供、この試験では距離50mで使用した場合、通常の散弾銃を用いた場合でも飛行している7機の無人機のうち6機に致命的な損害を与えて撃墜する事が出来たとしています。

 FRV無人機に対して散弾銃が有効であると考えられる背景には、特にこの種の無人機の母体として用いられているのが中国のDJI社製無人機であり、機体を安価に収めるべく薄いプラスティック製部品を使用しているため、スポーツ用の12g程度の弾丸でも簡単に破壊され、特に飛行中の無人機は不安定であり、簡単に無力化できるとしています。

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