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京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

ウクライナ情勢-ロシア軍にBMP-3装甲戦闘車はどれだけ残っているのか

2024-11-28 07:00:10 | 国際・政治
■防衛情報-ウクライナ戦争
 先ず最初にウクライナ軍の無人機戦果について。

 ウクライナ軍はカスピ海のカスピースク基地を無人機により攻撃した、イギリス国防省11月15日付ウクライナ戦況分析によれば、攻撃は11月6日に実施、標的はロシア海軍カスピ小艦隊で、カスピースク基地にはフリゲイトを含む複数の艦艇が停泊していた模様、この攻撃によりゲパルト級フリゲイト2隻が小破したものと分析しています。

 ゲパルト級フリゲイトはもともと1990年代にロシアがインド海軍向けに提案したものの外洋作戦用に不適としてインド側が採用しなかった案をロシア海軍がカスピ小艦隊向け艦艇として建造したもので、満載排水量1930t、フリゲイトとしては最小規模の艦艇ですが同程度の艦がヴェトナムに輸出された、カリブル巡航ミサイル運用能力があり、カスピ海からシリアを攻撃した事例も。

 カスピ小艦隊はロシアウクライナ戦争開戦後、ウクライナ領内へもカリブル巡航ミサイルによる攻撃を実施したとされていますが、イギリス国防省によれば今回攻撃を受けたフリゲイトがウクライナ本土を攻撃した可能性は考えにくいとしています。ただ、黒海艦隊ではなくウクライナ本土から離れたカスピ小艦隊を攻撃した意味は大きい。

 日本の場合は保管せず廃棄するのですが、ロシアにBMP-3装甲戦闘車はどれだけ残っているのだろうか、今回は少し備忘録的な内容となるのですが素朴、だけれども重要な疑問です。旧ソ連末期に製造が開始砂荒れたBMP-3装甲戦闘車は少なくない数が量産されているのですが、100mm低圧砲と30mm機関砲という強力な火力を持つ装甲戦闘車として、ロシアウクライナ戦争では大量投入され。

 オリックスというオランダのオープンソースインテリジェンス組織が武力紛争における装備品の破壊状況を公開画像や報道画像などから分析しているのですが、破壊された車輛、その証拠となる写真を含めて、BMP-3の少なくともロシア軍が装備する八割が破壊されていることとなる、それもオリックスは2022年に更新を終了しているため、2022年中に。

 ソ連時代に大量生産された装備は退役後も保管され、今回のウクライナでの損耗に対応すべく現役復帰の作業が行われていますが、備蓄には上限が有るという、そして少なくともBMP-3は生産数が少ない為に大半が現役であった。するともうBMP-3はほとんどないのではないか。T-72,T-62,T-80,BMP-2,BMP-1,これらを含めて、残っているのか疑問です。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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