■橘逸勢と空海
文章を書くという事は実に何かを吐きだしているようで愉快であると発言したのは明治の文豪夏目漱石でしたか。
私事ながらPIXIVに小説を投稿し始めていまして、これはとある友人、この方にもらったものは飾り棚に大切に並べていますが、とある同人小説の二次創作で、自分の推しているキャラクターが大変な被害に見舞われたので助けてやってほしい、と頼まれて。
PIXIVはイラストをみるためにアカウントだけは持っていたのですが、なるほど、右上をタップすると小説が投稿できるという。第二北大路機関の執筆時間を転用して、書いているのですが、二次創作、これにはある程度超えてはならないものがあるとおもう。
神護寺の歴史は出会いの歴史であることは既述の通りです。それは絵巻物にも描かれ、いや空海と神護寺は映画“空海”にも描かれている。空海は北大路欣也さんが演じられていましたが、あの映画でひと際印象深かったのは頼りない役人の橘逸勢という。
空海、いい映画だ、人に薦めたい邦画をニ十本選ぶならば、まあ、日本のいちばん長い日、激動の昭和史-沖縄決戦、潜水艦イ57降伏せず、連合艦隊、太平洋の嵐、新平家物語、風雲児-織田信長、宮本武蔵-般若坂の決斗、と並べて映画空海はお勧めしたい。
橘逸勢は映画空海の登場人物で、石橋蓮司さんが演じられていた、劇中では、このまま日本に居ても出世できない事から遣唐使に加わることを願い出て、しかし下級役人という事で後ろの方の船団、空海と乗り合わせるも難破し、それでもなんとか空海と入唐を。
外国語というのは奥が深い、中には苦手という人も多い、どちらかというとわたしもそちら側なのですが、石橋蓮司さん演じた橘逸勢もこちらがわの人でして、中国語ができないのに白をつけるべく遣唐使に加わったが、唐の学校で語学の壁を思い知らされる。
唐は、歴史を見ますと政治学も宗教学も土木工学も天文学も、日本が当時必要としていた学問全ては全部中国語が必要であるため、どうにか彼を素晴らしい学問とめぐり合わせる方法を苦労して配慮、これこそ苦慮か、したのちに、琴と書道を学ばせる。
音楽と書道ならば、たしかに語学は政治学と土木工学よりは障壁が低い。けれども、当時の遣唐使は修学20年のところを、空海が2年で恵果和尚から灌頂を授かったことを受け帰国するさいに、一緒に日本へ戻ってきてしまうのだ、なんだか親近感がわくはなし。
空海も20年の修学を2年で大学生が国一に通った為に中退する感じで帰国してしまい、これは摩擦を生むのですが、その過程で同じく橘逸勢も同じ立場であることから知己を深め、映画の中では結局、空海の入寂、その瞬間まで付き添う、僧侶以外の友人となる。
橘逸勢、しかししかし、映画を見た後で調べてみますと、日本音楽の元祖というべき第一人者となっていますし、書道においても嵯峨天皇と空海とならぶ三偉人となっていたのに驚き、なるほどあれが映画の脚色というものか、と監督の配慮を感じ入りました。
佐藤純彌監督作品である空海、なるほど、ゴルゴ13や新幹線大爆破、野生の証明に敦煌、超大作を幾つも後世にのこし2019年に旅立たれた監督さんだ。この方、映画ですので史実に脚色をするのですが、超えてはいけない一線は明確にしているとおもった。
PIXIVの二次創作、いや二次創作で被害に遭った艦娘たちを軌道修正して大団円に持ち込むだけの三次創作は、超えてはいけない一線を軌道修正する初の試みなのですが、歴史というものを知ることが二次創作の逸脱への良心となるのかな、とこの神護寺で思ったのだ。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
文章を書くという事は実に何かを吐きだしているようで愉快であると発言したのは明治の文豪夏目漱石でしたか。
私事ながらPIXIVに小説を投稿し始めていまして、これはとある友人、この方にもらったものは飾り棚に大切に並べていますが、とある同人小説の二次創作で、自分の推しているキャラクターが大変な被害に見舞われたので助けてやってほしい、と頼まれて。
PIXIVはイラストをみるためにアカウントだけは持っていたのですが、なるほど、右上をタップすると小説が投稿できるという。第二北大路機関の執筆時間を転用して、書いているのですが、二次創作、これにはある程度超えてはならないものがあるとおもう。
神護寺の歴史は出会いの歴史であることは既述の通りです。それは絵巻物にも描かれ、いや空海と神護寺は映画“空海”にも描かれている。空海は北大路欣也さんが演じられていましたが、あの映画でひと際印象深かったのは頼りない役人の橘逸勢という。
空海、いい映画だ、人に薦めたい邦画をニ十本選ぶならば、まあ、日本のいちばん長い日、激動の昭和史-沖縄決戦、潜水艦イ57降伏せず、連合艦隊、太平洋の嵐、新平家物語、風雲児-織田信長、宮本武蔵-般若坂の決斗、と並べて映画空海はお勧めしたい。
橘逸勢は映画空海の登場人物で、石橋蓮司さんが演じられていた、劇中では、このまま日本に居ても出世できない事から遣唐使に加わることを願い出て、しかし下級役人という事で後ろの方の船団、空海と乗り合わせるも難破し、それでもなんとか空海と入唐を。
外国語というのは奥が深い、中には苦手という人も多い、どちらかというとわたしもそちら側なのですが、石橋蓮司さん演じた橘逸勢もこちらがわの人でして、中国語ができないのに白をつけるべく遣唐使に加わったが、唐の学校で語学の壁を思い知らされる。
唐は、歴史を見ますと政治学も宗教学も土木工学も天文学も、日本が当時必要としていた学問全ては全部中国語が必要であるため、どうにか彼を素晴らしい学問とめぐり合わせる方法を苦労して配慮、これこそ苦慮か、したのちに、琴と書道を学ばせる。
音楽と書道ならば、たしかに語学は政治学と土木工学よりは障壁が低い。けれども、当時の遣唐使は修学20年のところを、空海が2年で恵果和尚から灌頂を授かったことを受け帰国するさいに、一緒に日本へ戻ってきてしまうのだ、なんだか親近感がわくはなし。
空海も20年の修学を2年で大学生が国一に通った為に中退する感じで帰国してしまい、これは摩擦を生むのですが、その過程で同じく橘逸勢も同じ立場であることから知己を深め、映画の中では結局、空海の入寂、その瞬間まで付き添う、僧侶以外の友人となる。
橘逸勢、しかししかし、映画を見た後で調べてみますと、日本音楽の元祖というべき第一人者となっていますし、書道においても嵯峨天皇と空海とならぶ三偉人となっていたのに驚き、なるほどあれが映画の脚色というものか、と監督の配慮を感じ入りました。
佐藤純彌監督作品である空海、なるほど、ゴルゴ13や新幹線大爆破、野生の証明に敦煌、超大作を幾つも後世にのこし2019年に旅立たれた監督さんだ。この方、映画ですので史実に脚色をするのですが、超えてはいけない一線は明確にしているとおもった。
PIXIVの二次創作、いや二次創作で被害に遭った艦娘たちを軌道修正して大団円に持ち込むだけの三次創作は、超えてはいけない一線を軌道修正する初の試みなのですが、歴史というものを知ることが二次創作の逸脱への良心となるのかな、とこの神護寺で思ったのだ。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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