北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

ようこう,艦名は“ようこう”広島県尾道市内海造船にて建造の中型船舶1番艦進水式挙行

2024-11-29 07:01:26 | 先端軍事テクノロジー
■ようこう-基準排水量3500t
 写真については流石に広島は遠かったものですから輸送艦のと型で代用しているものですが最新の話題を。

 陸上自衛隊は昨日、広島県尾道市の内海造船において建造されていた中型船舶の1番艦進水式を挙行しました。艦名は“ようこう”、陽光を意味する艦名と思われます。先行して進水式を迎えていた小型船舶の1番艦は、にほんばれ、という過去にない艦名であったことから、中型船舶の艦名に関心が集まっていましたが、ようこう、まあ、軟着陸か。

 ようこう、基準排水量3500tとなっていて、陸上自衛隊が運用する艦艇ではありますが、海上自衛隊が過去保有した輸送艦と比較した場合、初代おおすみ型、あつみ型、みうら型よりも遥かに大きく、あつみ型の倍以上、カンボジアPKOなど海外派遣に活躍した輸送艦みうら型で基準排水量2000tですので、現行おおすみ型の8900tに次ぐ大型艦となる。

 2027年までに、ようこう型輸送艦2隻、にほんばれ型輸送艦3隻、そして更に小型舟艇4隻を就役させる方式です。陸上自衛隊は戦車など重戦力の主力を北海道に配備し、しかし南西有事などの事態に際しては北海道から機動展開させる方針でしたが、戦車は狭軌貨物列車では輸送不可能で新幹線貨物輸送は未整備であり、その為の輸送手段が課題でした。

 にほんばれ型輸送艦、ようこう型輸送艦、これまでの海上自衛隊輸送艦と比較した場合でも小型ではありませんが、根本から任務が異なります、それは輸送艦おおすみ型などは有事の際に戦闘地域へ輸送する作戦輸送を想定し、武装やデータリンク装置と指揮通信能力や電子戦能力を相応に有しているのに対し、陸上自衛隊の輸送艦は主任務が単なる輸送だ。

 陸上自衛隊輸送艦は、艦首部分に観音扉を有していますが、これらも海上自衛隊輸送艦のようなビーチング、海岸に直接揚陸する為のものではなく、あくまでカーフェリーのように港湾施設における揚陸を行うためのものです。海上自衛隊では戦闘を伴う作戦輸送と平時における輸送を業務輸送と分けていますが、この場合は高射に当るといえるでしょう。

 ただ、世界では有事の際の外交的協力、同志国を増やすべく、陸軍訓練を強化しています。現在フランスとカタールが訓練中ですし、インドもオーストラリアや東南アジア諸国との訓練、韓国は先日戦車を史上初めて中東に派遣しました。日本の輸送艦も、もう少し大型の全通飛行甲板型輸送艦を導入し、こうした用途に充てることも検討すべきでしょう。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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