いとしさひとしお
何でもない情報番組、つまり、国語教育を目的とした番組ではないという意味ですが、妙なテロップを見ました。ある人がインタビューを受けてしゃべっている、その画面に「一入で」とあり、あれれ? 「一人」じゃなくて「一入」だ、何て読むんだ? そういえば「・・・ひとしおで・・・」とか言っていたなぁ、お、よく見れば、「一入」の上に「ひとしお」と小さな字で読み仮名が振ってあるじゃないですか。ほぉ~、こういう字を書くのかぁ・・・勉強になるなぁ・・・って、そうじゃない、そうじゃない、あのね、読み仮名を振ればいいというものではないと思うのですよ。
漢字については、以前からいろいろなテレビ番組で「楽しく学ぼう」といった趣旨で取り上げられていますから、ちょっと漢字を知っている作業者が「こんなのどぉ?」とばかりにやったのでしょうが、素早く分かりやすく情報を得ることが目的の番組で、100人中99人が読めないだろうというような漢字をわざわざテロップで使うことはないでしょう。
そもそも、今の日本人に必要なのはそんなことではないのですよ。ふだん見かけないような難読漢字なんか平仮名でいいのです。どうしてもやりたければ、もっと落ち着いてじっくり見られる番組でやってください。漢字を教えたいのなら、よく使われる漢字、大人なら読めて当然の漢字、使われなくなったら困る漢字、意味をとらえるのに役立つ漢字、意味によって読み方が違ってくる漢字、使い分けの難しい漢字、そういうものに読み仮名を振って若い人に見せてやってくださいよ。
逆に、「見る」という非常に簡単な漢字が「みる」と表記されることが多くなったことにお気づきですか? とても不可解な現象ですが、数年前、役所が「見る」を使わなくなってきているなぁと思ったのが初めで、世間一般でもだんだん「みる」に移ってきているような気がします。見る、観る、診る、看る、これらの使い分けが面倒だから何でもかんでも「みる」にしてしまえ、ということでしょうか。「医師が患者を診る」以外は「見る」でいいわけで、何も難しいことはないのです。ちなみに、「やってみる」「見てみる」「食べてみる」の「みる」は「みる」、これは「見る」ではありませんよ。
本当に問題なのは、テレビで話すことを職業としている人の話の中でも、一般の人のごく普通の会話の中でも、日本語として成立しない言い方、ありえない言い方がとても多いということであり、発音とか、イントネーションとか、助詞とか、主語と述語のつながりとか、もっともっと日本語の基礎からやり直さないといけないのです。なのに「一入」なんて100年早い!
私は、小学校から高校まで、漢字はほとんどマンガで勉強したようなもので、読み仮名というのは非常にありがたいものですが、やはりこの場合は平仮名で「ひとしお」と書くべきです。表記辞典でも、通常の表記は「ひとしお」です。はっきりいって迷惑なんですよ、一入、ひとしおかぁ・・・ふぅ~ん・・・、というふうに、そこに意識が集中してしまい、肝心の発言内容のほうは「ひとしお」から先、全く耳に入ってきませんでしたよ( ̄_ ̄)。
何でもない情報番組、つまり、国語教育を目的とした番組ではないという意味ですが、妙なテロップを見ました。ある人がインタビューを受けてしゃべっている、その画面に「一入で」とあり、あれれ? 「一人」じゃなくて「一入」だ、何て読むんだ? そういえば「・・・ひとしおで・・・」とか言っていたなぁ、お、よく見れば、「一入」の上に「ひとしお」と小さな字で読み仮名が振ってあるじゃないですか。ほぉ~、こういう字を書くのかぁ・・・勉強になるなぁ・・・って、そうじゃない、そうじゃない、あのね、読み仮名を振ればいいというものではないと思うのですよ。
漢字については、以前からいろいろなテレビ番組で「楽しく学ぼう」といった趣旨で取り上げられていますから、ちょっと漢字を知っている作業者が「こんなのどぉ?」とばかりにやったのでしょうが、素早く分かりやすく情報を得ることが目的の番組で、100人中99人が読めないだろうというような漢字をわざわざテロップで使うことはないでしょう。
そもそも、今の日本人に必要なのはそんなことではないのですよ。ふだん見かけないような難読漢字なんか平仮名でいいのです。どうしてもやりたければ、もっと落ち着いてじっくり見られる番組でやってください。漢字を教えたいのなら、よく使われる漢字、大人なら読めて当然の漢字、使われなくなったら困る漢字、意味をとらえるのに役立つ漢字、意味によって読み方が違ってくる漢字、使い分けの難しい漢字、そういうものに読み仮名を振って若い人に見せてやってくださいよ。
逆に、「見る」という非常に簡単な漢字が「みる」と表記されることが多くなったことにお気づきですか? とても不可解な現象ですが、数年前、役所が「見る」を使わなくなってきているなぁと思ったのが初めで、世間一般でもだんだん「みる」に移ってきているような気がします。見る、観る、診る、看る、これらの使い分けが面倒だから何でもかんでも「みる」にしてしまえ、ということでしょうか。「医師が患者を診る」以外は「見る」でいいわけで、何も難しいことはないのです。ちなみに、「やってみる」「見てみる」「食べてみる」の「みる」は「みる」、これは「見る」ではありませんよ。
本当に問題なのは、テレビで話すことを職業としている人の話の中でも、一般の人のごく普通の会話の中でも、日本語として成立しない言い方、ありえない言い方がとても多いということであり、発音とか、イントネーションとか、助詞とか、主語と述語のつながりとか、もっともっと日本語の基礎からやり直さないといけないのです。なのに「一入」なんて100年早い!
私は、小学校から高校まで、漢字はほとんどマンガで勉強したようなもので、読み仮名というのは非常にありがたいものですが、やはりこの場合は平仮名で「ひとしお」と書くべきです。表記辞典でも、通常の表記は「ひとしお」です。はっきりいって迷惑なんですよ、一入、ひとしおかぁ・・・ふぅ~ん・・・、というふうに、そこに意識が集中してしまい、肝心の発言内容のほうは「ひとしお」から先、全く耳に入ってきませんでしたよ( ̄_ ̄)。