◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「乗客の無事は」って?

2007-03-14 10:22:58 | 気になる言葉、具体例
                ダブルまいう
 昨日の航空機事故は、乗客、乗員、全員無事で何よりでした。ニュースで着陸の様子を見ましたが、とても安定感がありました。前輪が出ていないなんてちょっと分からないくらい、滑走路を、機体を水平にしてしばらく走り、ゆっくり機首が下がっていって接地し、少し火花が散ってやがて止まった、という具合で、機体の損傷もあまり大きくなかったようです。前輪を出すためにトライできることはすべてやって、それでも出なかったために胴体着陸せざるをえなかったということのようですが、乗客には、何度も訓練しているから大丈夫ですよとアナウンスしたようで、まさにそのとおりでしたね。
 それに引き替え、テレビのナレーションとテロップがやはりおかしくて、いやはや、情けないったらもう・・・どうしようもありません。「高知空港でANA機が胴体着陸、乗客の無事は」って・・・? 無事、事なきを得る、変わったことはない、病気をしない、けがをしない、大きなミスがない、「乗客は無事なのか」なら分かりますが、「乗客の無事は」なんてありえない言い方です。でも、こういったありえない日本語が毎日耳に入ってきますから、私は記事のネタに困ることはありません。さて、正解ですが、「乗客の安否は」ですね。「安否」という言葉はふだんあまり使いませんから、浮かんでこなかったようです。
 午後4時からの番組で、女性が牛肉と野菜の煮物を食べる直前に「肉汁(にくじる)もたっぷりで」と言ったのですが、これはどう見ても「煮汁(にじる)」。思わず笑ってしまいましたが、辞書で「肉汁」を探すと「にくじゅう」なのですね、これでまた笑ってしまいました。グルメ番組で「にくじる」に慣れていて、本当は「にくじゅう」なんだぁ~、そういえばそうだぁ~と認識し直したというわけです。私は、1月27日の写真でハムやんに「まいう」と言わせたことからもお分かりのように、あの番組は好きですよ、ぶふふ。

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