高木晴光の 『田舎と都市との ・ 日々こうかい記』

「新田舎づくり」を個人ミッションとし、田舎と都市とを行き来する人生・仕事のこうかい(公開・後悔・航海)日記

独居高齢者の社会問題化

2014-10-03 14:10:19 | 今日のニュースから

独居老人は半強制的に地方に移住させるべき!?
「老後破産」時代に求められる、過激な社会保障政策

http://diamond.jp/articles/-/59806

 なかなかセンセーショナルな表題の評論(竹井善昭氏)だ。  NHKスペシャルが9月28日に放映した、『老人漂流社会“老後破産”の現実』の感想だ。私は見ることができなかったが、わずかな年金で暮らし、コミュニティからも離れ、満足な介護や医療サービスが受けられない老人たちが次々と紹介されたそうだ。 竹井氏は、”「人の命を救うこと」は社会貢献の大きなテーマだが、近い将来の日本においては、「人を殺すこと」が社会貢献の重要なテーマになるかもしれない”とまで言っている。

しかし、これが現実なのだろう。

 私は昭和29年の午年生まれ、今年は還暦だ。 20年当初の団塊の世代に次ぐ人口が多い世代であり、先輩方と共々、高齢社会の真っ只中に放り込まれる。 先輩方と異なるのは、年金受給が先送りされ、減額が始まる世代であり、間違いなくやってくる医療費負担もアップも覆いかぶさる。 連れ合いといつまでも一緒にはいられない。心中をしない限りは、必ず、どちらかが先に死ぬ。それが、人の運命だ。  家は古い町営住宅の貸家住まいだ。 借金はないが、貯蓄が何不自由なく、万が一生き延びてしまった90歳まであるわけがない。 この社会問題は他人事ではないのだ。

 それにしても、「独居老人は強制的に地方に移住させるべき!?」は、乱暴な言い回しだ。 しかし、都会の高齢者の暮らしの改善が都会ではできないところまで、社会問題化しているということなのだろう。

 私は、40代後半に黒松内町に移住した。当時の黒松内の人口は3700人であったが、10数年を経て、現人口は3200人を切っている。急速な人口減は今後も進み3000人を下回るのはそう遠いことではないだろう。この要因はすでに高齢社会となっているからであり、団塊の世代の前の戦中、戦前生まれの方々の自然減である。 これは日本の田舎における一般的な社会現象だろう。人口減社会は当たり前のことであり、増える道理がないというのが、私の推定である。だからといって、その埋め合わせのように、「独居老人を地方に移住させるべき」という、言い方はないだろう。

 田舎の年寄りは働き者である。 何も都会のお年寄りが働き者でないと言っているのではない。 歳をとっても働くこと、働けることがたくさんあるのだ。 家族や親戚のための自家菜園仕事、お寺や神社、地域の仕事は、子育て中・働き盛りの家庭では、年寄りの仕事だ。 働くということは、自分の身体にとっても、地域とのつながりを保つためにも良いことだ。都会には年寄りが役割をもって働く場所がないことが問題なのだろう。 

だから、都会の年寄りを田舎に送り込んではどうか???

・・うまくゆくのは・・??? 高齢者福祉施設の経営が地域内ではできなくなってきた時の代替として??? では安直すぎる。

 たとえ、元気であっても60代、70代になって移住して、地域社会に溶け込んでゆくのも覚悟がいると思う。隣近所(といっても我が家の場合は距離的には都会の場合に比べてはるかに遠い)との関係性は、田舎でもかつてに比べて希薄になったとはいえ、都会よりずっと濃い。 都会生活になれた年寄りにとってはかなり勝手が異なるコミュニティ・人と人との関係性がある。そう簡単にはいかないだろう。

 移住を考えるならば、40代がいい。できれば40代までに実行できるといい。 できるだけ若い方が、その気にさえなればフットワークよく動ける。地域の会合に出、スポーツ同好会に入り、地域の手伝いごともする、子育て世代であると、保護者の数が少ないだけにPTA活動も多い。働きながら地域活動もするには、  しかし、それが地域とつながる機会となります。

現在進行形の高齢者問題の解決と、未来進行形の高齢化問題への対処の仕方はおのずと異なります。

 「塊の世代」と呼ばれる兄貴・姉貴達と、かつて「新人類」と呼ばれた弟・妹世代の中間にいるたちを「断層の世代」と呼ぶ社会科学者がいます。 これまでは、先輩たちの後ろ姿をみながら走っていましたが、こと高齢者の暮らし方においては、後ろをついてゆけなくなるでしょう。先輩たちの暮らし方をは、参考にはなれど、これまでのように同じ方法をとることはできない時代に突入します。すでに歪が現れています。 我が身が生きながられて、我々の世代が本当の年寄りになる70歳までに、暮らし方を変えてゆかねばなりません。

そして、次に続く世代が子育てを終えたあとに、今よりは暮らしやすい高齢時代を送れるように、社会サービスのあり方を考え、自分ができるやり方で創り続けてゆくしかないな。

 

 

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