昨日のお遍路で事件があった。
私が首に巻いている唐草模様の手ぬぐいは泥棒みたいで縁起が悪いからお遍路で使うのをやめたらということだった。
むちゃくちゃ驚いてしまった。
唐草模様って泥棒のイメージっていうこと自体むちゃくちゃである。
確かに、漫画やアニメなどに登場する泥棒が、盗んだモノを包むために持っている風呂敷にはたいてい唐草模様が使われているために、なんとなく安っぽくネガティブなイメージがある。
しかし、実際はスピリチュアルな意味合いを含んだ、とてもおめでたいものなのだ。
唐草は四方八方に伸びて限りが無いことから、延命長寿や子孫繁栄の象徴として縁起の良いものとされている。
また、唐草模様の風呂敷は婚礼道具や布団などを包むものとして使われていて、唐草模様の風呂敷で包むことによって、布団などにその縁起のよいエネルギーを入れるという意味もあるという。
「唐」草というと、中国が原産なの?と、思ってしまうが、実際に日本に伝わったのは中国からであっても、唐草はかなり古いモチーフで、エジプトやメソポタミアがその起源だと言われている。
それらの国で使われていた、草が繋がったモチーフが集まって現在の形に近くなったそうだ。
唐草模様は世界各地で目にすることができ、アラブ諸国でも繁栄をもたらす模様とされて、イスラム教の寺院である「モスク」の装飾として頻繁に使われている。このことから、ヨーロッパでは唐草模様のことを「アラベスク(アラブ風)」と呼んでいる。
唐草模様のように同じ模様が幾何学的に反復されている模様は、イスラム教の世界観によると、物質的な世界を超えて広がる「無限」を象徴している。
話は長くなったが、唐草模様というのは起源もとても古くからあるもので、スピリチュアル的な要素が大きい。
日本では泥棒のイメージがあるが、そんなことはない。
「たとえどんなに悪いことがおこっても、それを克服し、途切れることなく未来永劫栄える」
という縁起のいいものである。
余談ではあるが、
お遍路=聖地を巡礼する
88箇所=無限
イスラムの世界観に似ている]?
唐草模様と世界観とお遍路より。