こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

コラム・愛かぞく弁当

2015年04月09日 14時21分41秒 | 文芸
愛かぞく弁当

 夜の仕事に就いてから、そろそろ4年が近い。夜の7時から翌朝の5、6時まで弁当や総菜、仕出し料理の製造に従事している。
 そんな夜勤で唯一の楽しみが、休憩時間に食べる弁当。と言っても工場で盛り付けている弁当ではない。妻や娘が持たせてくれる愛妻、いや愛家族弁当である。
 共働きの妻が不都合だと、高校生の娘が手際よく用意してくれる、ありがたい代物だ。
 時にはアンパン一個と缶紅茶なんて手抜きもあるが、いつもは白いご飯とおかずがポリ容器にきちんと詰められた本格的なもの。
「弁当作りのプロには物足りないでしょうけど、これでも精いっぱい工夫しているんだからね」
 仕事が立て込んで忙しくて休憩が取れず、弁当を残してしまうと、妻と娘は文句タラタラ。
 彼女らの機嫌を損ねると、次の夜は卵焼き二分の一個だけとか、ウィンナー二本だけなんてはめに陥るから、帰りの車中でムシャムシャ。証拠隠滅(?)を図る。
 うまい弁当を食べるための気遣いも大変なのだ。
(2001年5月20日気流掲載)

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