こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

コラム・味噌汁の風景

2015年04月10日 10時09分53秒 | 文芸
コラム・味噌汁の風景

子どもの頃の食事に味噌汁は欠かせないものだった。一汁一菜に近い貧しい食卓を補う存在だった。ミソは自家製。土蔵の前に、味噌の仕込まれた樽が白くかびていたのを記憶している。
 仕込まれた味噌と家で収穫された野菜が中心の味噌汁。具は大根の葉や青菜が多かった。時々、村のジャコトリで得たフナを焼いて干してあるのが入る。貴重なタンパク源だった。
 他におかずがないと、ご飯にぶっかけて食べたものだ。格別に旨いとは思えなかったが、それしかないのだから、腹がふくれればなんでもご馳走だった。
 正月は味噌汁に餅を入れて雑煮にする。これが苦手だった。餅にダシジャコや味噌に残る大豆のかけらがこびりつく。見た目がよくない。食欲が失せる気がした。今なら栄養満点の滋養職だ。
 味噌汁は、最近スープやコンソメ系に押されて、なかなか食卓に上がらない。市かがない。子鍋で時々、一人分の味噌汁を作ってみる。揚げ、豆腐、練り物、大根、ニンジン
……具沢山な味噌汁だ。でも、あの頃の味噌汁には程遠い代物だ。ズズーッとすすりながら昔に思いをめぐらせる。

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