武道、特に日本で形成された武道には相手と戦い勝つことはもちろん求められるんだが、その前に己に克つこと即ち自己の修練の一手段だと思う。
だから、相手と同じ条件のもと正々堂々と戦うことが良しとされ、それによる勝敗が決した場合、日本人は両者におしみなく拍手を送りその健闘を称える。
古来日本ではいろんな「道」が生まれ育ってきている。花道、茶道など文化面でも「道」である。
しかし国際化するとポイントを稼ぎ「勝」が主流となってしまい「道」は薄れてしまう。フェアプレイの精神はあくなき勝利への執念に取って代わられる。
国際化された柔道には「道」はなく日本人の精神面を含めた柔道とは異質のゲームであるというフィルターを通して「オリンピックの柔道」を見ていかないと腹立たしいことばかり目立つ。
そう言う意味で、剣道は、オリンピック競技にはならないで欲しい。国際大会はあるが、これ以上には拡大して欲しくない。
柔道と同じように「道」という精神面が薄れ、「剣道」ではなく、竹刀で相手を殴りポイントを稼いで勝敗を決するゲーム になってしまうからである。
剣道も柔道も空手道も精神面を強化する自己修練の一手段であり、日本人を形成する素晴らしい教育なんだと思う。
