自由という目的地へ

それはどこにあるのだろう
多くの血を流したどり着く地か
それとも
悟りの果ての 神の胸の中か

救護施設の夕闇

2015年06月12日 | for some reason or other 徒然


on snowy pond  panasonic DMC-GH3









   救護施設の夕闇



 手遅れと

 判定 されたひとは



 やがて 

 救護施設に

 つれていかれた



 どの 病院も

 施設も 法律も


 対応できないひと



 あらゆる 苦しみと 共に

 たどりつく 場所







 彼女は そこで


 しずかに

 微笑んでいた













 小脳が 

 萎縮していく


 難病の 体



 すこしずつ

 動かなくなり



 言葉も 

 失っていく







 二人の 子供のいる

 美しく 幸福な  主婦





 すこしまえに


 離婚の 書類に

 印を 押した





 

 それでも 


 小さな 車椅子の上で 

 微笑んでいる














 赦しという 選択肢を



 彼女は しずかに 


 進んでいく






 愛という 選択肢を



 彼女は しずかに


 進んでいく









 救護施設の 夕闇の中




 微笑む 彼女の周囲 だけが


 まばゆく 光りかがやき





 神の 祝福に
 

 満たされている




 それは

 小さな 美しい 奇跡としか

 僕には 見えなかった


          ノマド





















遠い 昔


自分が

福祉学生だったころ



はじめての 実習先の

忘れられない 記憶















 
 

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