体操・全日本種目別選手権最終日(6日、千葉ポートアリーナ)世界選手権(10月、中国・南寧)などの代表最終選考会を兼ねて男女計10種目の決勝が行われた。男子床運動で昨年の世界選手権(ベルギー)金メダルの白井健三(17)=神奈川・岸根高=が16・100点と、ただ一人、派遣標準記録(16・000点)を超え、同種目2連覇を果たした。代表に選出された世界選手権では2連覇を目指す。
最後に、自らの名「シライ/ニュエン」と命名された後方伸身宙返り4回ひねりを見せた。着地時に足が一歩前に出たが、歓喜のガッツポーズ。白井が男子床運動で堂々の2連覇だ。
演技の途中で披露した「シライ2」(前方伸身宙返り3回ひねり)の着地で足が場外に出た場面を悔しがりつつも、昨年の世界選手権での自身の優勝得点(16・000点)を基準に設定された派遣標準得点を0・1点上回っての戴冠。17歳は「自信につながります」と振り返った後、こう続けた。
「周りで神経を使ってくれた方々へ感謝しないと。今回は恩返しとして演技しました」
先月15日に右足首を捻挫。練習再開まで6週間かかるという診断で「(この大会には)絶対に出られないと思った」という。だが、父の勝晃さん(54)によると事情は少し違う。歩くことすらできない状態だったにもかかわらず、けがをした直後に父に宣言した。
「骨が折れていても出る」-。復帰への“突貫工事”では勝晃さんを中心としたスタッフから全力サポートを受けた。
けがの後、床運動の通し練習をしたのは前日が初めて。それでも、この日は「床に立ったら、去年と同じだなと、楽しみながらやれた」と笑う。その回復力と精神力に、勝晃さんは「(優勝は)奇跡です」と感嘆した。
2年連続の世界選手権代表。昨年大会で一躍、脚光を浴びた種目別での2連覇を狙う。そして、今回は団体戦もある。
「失敗しないよう、0・05点でもチームに貢献したい」
若武者は、新たな目標にも狙いを定めた。(サンスポ)
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