林の梢が邪魔をしているから、当分の間山際の畑に陽の光は届かない。
野菜くずなどのゴミは、リサイクルのためこの畑に捨てに行く。
動物性の生ごみは原則 畑に捨てない、野生動物を利するからである。
今日も野菜や果物の皮、傷んだ根菜等を凍土の上に捨てて帰りかけると、物陰から狐色の猫が素早く駆け寄ってきて、捨てた野菜くずを漁り始めた。
普段人影を見ると敏捷に物陰に隠れる野良である、私が近くで見ていることに気づかない様子でリンゴの皮などを舐めている。
腹の足しにはならないだろうが、それでも舐め続けていた
よほど腹を空かせているのだろう、焼き魚の骨を市の収集車に乗せず持ってきてやればよかったと思う。
しかし 気まぐれな憐憫が、野良の跋扈を助長していることは間違いない。
動物愛護とは野良に魚の残滓を与えることなのか、黙殺するべきか