雨の記号(rain symbol)

韓国ドラマ「ベートーベン・ウィルス」から⑤

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 「ベートーベン・ウィルス」を全話見終わった。GyaOさんのおかげである。
 この8月は猛暑にやられて大変だった。だが「ベートーベン・ウィルス」と「ファンタスティックカップル」の二つに出会えたことでそれを苦にもしなかった。これらにふれあっていた時間が心地よかった。
 ふたつとも期待以上に面白かった。
 韓国ドラマを見始めてドラマの「ベスト10」というようなことを考え始めた。その時、パっと思い出したのが酒井美紀主演で1995年にフジテレビでオンエアされた「白線流し」だった。僕はこのドラマにはまった。はまったという形容が自身に当てはめられるのは間違いなくこのドラマが最初だ。僕はビデオテープが擦り切れ、伸びてしまうほど繰り返しこのドラマを見たものだった。
 あれからすでに15年。日本のドラマで「白線流し」ほど夢中になったドラマはついに現れなかった。

 「ファンタスティックカップル」は粗い映像で見たため、目が相当ダメージを受けた。最後までぐいぐい引っ張られていったのは、ハン・イェスル扮するタカピーレディが不思議な魅力であふれていたからである。
 このたび、GyaOさんで第1話から配信が始まった。宣伝のお手伝いをするわけではないが、毎週火曜の配信でいまなら最初から見れる。もう一度、1話から見ていくつもりだが、おすすめです。僕的には「ベスト10」に飛び込んでくる勢いと感じた。
  「ファンタスティックカップル」がそうだったが「ベートーベン・ウィルス」も終わったら何やらとたんに寂しさを覚えた。
 昔、場末の映画館で映画を見終えた後に時々そういう気分にさせられたことがあった。今はそれが部屋で起こる。時代は変わったものである。
 「ベートーベン・ウィルス」は登場人物におかれたそれぞれの世界が走馬灯のように駆け過ぎていったドラマだった。カン・マエもトゥ・ルミもカン・ゴヌ、その他おおぜいのキャラたちに、それぞれ物凄い運命(ベートベンウイルスとはここからきている?)の変化がのしかかっている。
 ひとりひとりの情熱や思いが交錯しながら火花を散らしていく。恋、恨み、憎しみ、嫉妬、ジレンマ、音楽への情熱・・・それらは大団円をなしたり崩れたりしながら、ひたすら前へ向かって突き進むのだ。
 そして、主人公カン・マエは、多くの者に本物の音楽の感動を伝え、愛犬トーベンとともに遠くへ去っていく。
 話としてもひとつひとつの感動のあり方がじつにいい。たとえばガビョンとイドゥン。二人のエピソードひとつとっても浪花節的号泣ものだが、さらっと流すことですましている。
 カン・マエとトゥ・ルミの恋もそう。カン・マエは自分の気持ちを「トーベンがお前に会いたがってる」と書いて伝えた。自分が会いたい、とは書かなかった。そこにカン・マエはもどかしさを感じている。
「私、ミュンヘンまで会いに行ってもいい?」
「いや、今はまだだめだ」
 とカン・マエは答えた。
 彼はトゥ・ルミに対して、はっきり気持ちをかためた時、自分から彼女を迎えに戻ってくるつもりなのだ。
 それから、最後で「第九――合唱」の指揮をカン・マエが行ったところ。見ている方はもう少し見ていたかったが、あそこも惜しいと思えるほど短く切り上げた。
 部分としては物足りなかったが、全体としてはこの方がよかった。
 トーベンを連れてカン・マエが去っていくところはカッコよかった。
 ゴヌたちには、「おかげで飛行機乗り遅れてしまったじゃないか。早くここを離れたがっていたトーベンもカンカンだよ」なんて憎まれ口を叩いたことだろうが。
 このドラマも「ベスト10」に入れるかどうかで大いに悩むところだ。
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