雨の記号(rain symbol)

韓国ドラマ ファンタスティック・カップル 第13話(5)






 チョルスは首をかしげる。
「ともかく前向きに考えてみます」
 コン室長は悲痛な顔で頼み込んだ。
「必ず、必ず引き受けてください。チャンさんを信じてますので」
 チョルスはドックと顔を見合わせた。

「うまくいきました」
 コン室長からの連絡にビリーは喜んだ。
「よくやったコン室長」
 携帯を切り、椅子に腰をおろす。
「これでヤツとアンナを引き離す段取りはついたな」
 机上には指輪がある。それを手にする。シゲシゲと眺める。
「また返せばいいんだ」
 アンナが忘れて帰った携帯もある。手にする。
「これは返す必要もないな」
 中を開く。見て驚く。
「何だと? チャン・チョルスが短縮一番?」
 ビリーは頭にきた。
「消去しよう」
 消そうとした時、短縮二番のカンジャから電話がかかってきた。
 ビリーはびっくりして携帯を机上に落とした。
 携帯からアンナの怒った声が流れ出た。
「誰なの? 私の携帯を返して」
「…」
「何とか返事をしなさいよ」
 アンナの命令形の言葉に弱い。ビリーは恐る恐る携帯を手にする。気持ちを落ち着かせ、携帯に出る。
「もしもし…」
 アンナはいきなり怒る。
「やっぱり、あなただったのね。早く持ってきて」
 注文をつけて電話を切る。
 カンジャが携帯を覗き込んでくる。
「見つかったってチョルスに教えなきゃ~」
 電話を入れかけて思いとどまる。
「いいえ。真っ先に報告するのは格好悪いわ。返す」
 携帯を受け取りながらカンジャは言った。
「お姉さん、電話をかけさせてあげたから、私、洗濯してみてもいい?」
「いいわ。好きにしていいわ」
 カンジャは嬉しそうにする。
「じゃあ、掃除機も使ってみていい?」
「掃除機は難しいわよ。ちょっとしたコツがいる。私も、まだ苦手にしてるわ」
「大丈夫。母さんがやるの見てるから」
「そう?」
「うん」
「じゃあ、まずはチョルスの部屋で試して…うまくいったら居間もやって」
 アンナはそう言って背を返す。
「ありがとう」
 カンジャは嬉しそうにアンナの後を追った.



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