韓国ドラマ「青い海の伝説」第9話⑦
Korean Drama "Legend of the Blue Sea" Episode 9 ⑦
第9話⑥
「友達よ」
女は立ち上がって挨拶する。握手の手を出され、ジュンジェは少しだけ触れてセファの前に立つ。
「さあ、行こう」
セファを連れて行きかけて立ち止まる。態度はひそひそ風だが、普通の声で尋ねる。
「いつもここでホームレスと遊んでたのか?」
「聞こえてるわよ」
女はムッとした声で言った。
ジュンジェは頭を下げてセファの背をおす。
女はホームレスじゃない、ヒッピーライフを楽しんでいると主張したが、ジュンジェはセファを連れてさっさと立ち去った。
★★★
女は2人に向けて叫んだ。
「勘違いしないでよ」
ジュンジェは振り返り義務的に手を振る。
女はジュンジェに向かって続ける。
「私はヒッピーライフを楽しんでるの」
すると後ろでちゃりんと音がする。振り返ると女が使っていた紙コップに通りかかった者が小銭を投げ入れたのだった。
女は通行人にに向かって叫んだ。
「だからそうじゃないんだってばーッ! 施しはお断りよ」
ジュンジェは病院で昏睡状態の続くナム部長を見舞った。父親がカン・ソヒのせいで心変わりしても、ジュンジェに対し変わらぬ愛情を注いでくれた人物だった。それゆえカン・ソヒからは煙たがられていたのだった。
ナム部長夫人は夫に向けて呼びかけた。
「あなた、ジュンジェが来てくれたわ。実の息子以上に面倒を見てたジュンジェが来てくれたのよ。だから、早く目を覚まして」
「おじさんがこうなったのは事故じゃありません」
ジュンジェは言った。
涙をぬぐっていた夫人はジュンジェを見つめ返した。
「ドライブレコーダーは見ましたか?」
「故障したのか。何も映っていなかったの」
ジュンジェは唇を噛んだ。
マ・デヨンの仕業に違いない。セファの周辺に出没したのも彼だった。自分の周りにいる者の命を狙っているのは明らかだ。何とかしないといけない。
イルジュンはかかりつけの医者に診てもらった目の具合を尋ねた。
「外傷性の白内障だな」
「…」
「目に傷がついてるんだ。目を何かにぶつけたり、激しくこすったりしたことはないのか?」
「ないよ」
あっさり答える。イルジュンにそんな覚えはなかった。
「急に目がかすみ始めたので老眼かと思ってたんだが…そうじゃないのか?」
「薬を出しておくから忘れずに飲むんだぞ。このまま悪くしちゃうと合併症が起きる。角膜には血管がないから下手したら移植手術が必要になるぞ。ともかく用心しろ」
ジュンジェを待っているセファの前にチヒョンが姿を見せた。
「ジュンジェのご家族…」
チヒョンは苦笑しながら椅子に腰をおろした。
「家族だと言ってくれるのはあなただけです。彼と一緒に来たのですか?」
「前にも言ったけど彼とは別れないわよ」
セファはつんとすまして言う。
チヒョンは笑う。
「分かりました…結婚するつもりですか?」
「ええ、まあ…その前にすることがあるの」
「何を?」
「いろいろと…」
セファは続けた。
「家族って似てるものだと思ってたけど、ジュンジェと似てないのね。どうして?」
そこへイルジュンが姿を見せた。チヒョンは立ち上がった。
「お父さん…」
「チヒョンも来てたのか」
イルジュンは椅子に座っているセファを見やった。
「こちらさんは?」
セファはイルジュンを見上げる
「この人もジュンジェの家族?」
「息子のお知り合いですか?」
チヒョンが少し慌てたように説明しだす。
「実は…」
「何だ?」
そこへ病室からジュンジェが出てきた。
セファは立ち上がる。ジュンジェは父と目を見合す。
イルジュンは驚きを隠さない。何年も顔を合わせなかった息子である。2人はしばらく言葉を見失っていた。
2人はコーヒーラウンジで向き合った。
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