雨の記号(rain symbol)

韓国ドラマ「30だけど17です」(連載147)





韓国ドラマ「30だけど17です」(連載147)



「30だけど17です」第17話(おじさんが正しい)④


☆主なキャスト&登場人物


○シン・ヘソン➡(ウ・ソリ)
○ヤン・セジョン➡(コン・ウジン)
○アン・ヒュソプ➡(ユ・チャン)
○イエ・ジウォン➡(ジェニファー(ファン・ミジョン)
○チョ・ヒョンシク➡(ハン・ドクス)
○イ・ドヒョン➡(トン・ヘボム)
○チョン・ユジン➡(カン・ヒス)
○ユン・ソヌ➡(キム・ヒョンテ)
○チョ・ユジョン(イ・リアン)
○ワン・ジウォン(リン・キム)
○アン・スギョン(チン・ヒョン)
★★★

 ソリはウジンの腕を取った。
「支障は出してません」
「…」
「誰よりも早く出勤して仕事もしてるし、ベストを尽くしてるつもりです」
 ウジンはソリを見ようとしない。ソリが誰よりも頑張っているのは分かっている。彼女にほんとの理由を告げるのは辛かった。
 ソリは続けた。
「私の資料が役に立ったと言いましたよね」
「…」
「それでも足りないなら―もっと時間をけずってでも働きますから―いきなり降りろだなんて…」
 ウジンはソリを振り返った。
 握られた腕を手で押しほどいた。
「もう決めたことです。従ってください」
「嫌です」
 ソリは答えた。
 ウジンは足を止めた。
「絶対におりません」
 涙ながらに主張してからソリはバイオリンケースを手にする。
「練習に行ってきます」
 ケースを肩に背負い、口を結んで事務所を出て行った。
 ヒョンは足を止めたウジンに呼びかけた。
「どうするんですか?」
 ウジンは何も答えられなかった。

★★★


 長椅子に腰をおろして考え込んでいるウジンのところにヒスがやってきた。椅子に腰をおろし、テーブルを挟んで向き合った。
「話して」
「…」
「何かよほどの理由があるんでしょ?」 
 ウジンの険しい表情は変わらない。
「知らないと委員長とも話し合えない」
「…」
「―わかった。理由が歩かないかだけでも答えて」
「ある」
「そうよね。そうでなきゃあんな暴言を吐くはずない」
「…」
「私も納得できる理由?」
 ウジンは殊勝な声で頷く。
 ヒスはため息をつく。
「分かった―これ以上は聞かないけど、後で知って納得できなければ許さないからね」
 ウジンは頷いて席を立った。
 見送りながらヒスは顔をしかめる。
「世話がやけるわね、まったく…」


 迫る大会に向けて、チャンらの練習は追い込みがかかっていた。
 滑るボートを追って自転車で走るコーチのゲキも激しさを増している。
 自分のかけるゲキが少ないのに気づき、コーチは自転車を止める。
「今日はどうしたんだ? 息がぴったりじゃないか…?」


 当人たちもそれを自覚し合っていた。
「今日はうまくいったな。息も合ってたし、スピードも出てた」とドクス。
「ああ、団体でも金メダルいけるかもな」とヘボム。
「かもね」
 2人のやりとりを聞きながら、チャンも満足そうにバスに乗り込もうとする。
 タラップにかかった足に違和感を覚えたのはその時だった。
「どうした?」
 後ろに続くドクスが訊ねた。
「早く乗れよ」
「えっ? ああ〜」
 チャンはドクスに気付かれないようにバスに乗り込んだ。


 音楽祭の件でウジンと押し問答したソリは、ストレスを抱えたままシム・ミョンファンとの練習に臨んだ。
 しかし、モチベーションの不安定なソリに満足な演奏ができるはずもない。ソリのバイオリンは場違いな音色を響かせ、シム・ミョンファンはそんなソリを怪訝そうに見やった。弾くのをやめてソリを見た。
「どうした?」
「すみません」
 ソリはシム・ミョンファンに頭を下げ、他の協演者にもお詫びを入れた。
「ではもう一回」
 その時、椅子に腰をおろして演奏に聴き入っていたリン・キムが席を立ってシム・ミョンファンに声をかけて歩みよってきた。
「先生、休憩を入れましょうか」
 ソリを見て続けた。
「それがいいかと」
 
 休憩に入った。団員らから離れ、ひとり考え込んでいるソリのところへリン・キムがやってきた。
 そばに腰をおろして訊ねた。
「何か悩み事でも?」
 ソリは黙ってリン・キムを見つめ返す。
「練習に集中できず、ぼんやりしてたから心配になって」
 ソリは頭を下げた。
「すみませんでした」
「ソリさんを見に来る人もいるから、がっかりさせないで」
 ソリは困惑し、目を落とした。
「私を見に来るだなんて」
「逆境を克服したソリさんを多くの人が期待してると思うわ」
「”逆境を克服した”私ですか?」
「ああ〜」リン・キムは苦笑した。「余計なことを口にしたわね。ソリさんも知ってるかと思って。ごめん」
 リン・キムの話がもうひとつ呑み込めずにソリは訊ねた。
「何の話ですか?」
 
 リン・キムから詳しい話を聞かされ、ソリは両こぶしを握り涙目になりながら帰路についた。
 リン・キムは話の後に付け加えた。


― 話題性で選ばれたとしても、ソリさんにとっては願ってもない機会でしょ? 
 
― 音楽祭の舞台に立たないで。

 ウジンがどうしてあんな言葉を吐いたのか…。

― いいから降りるんだ。

 どうして手を振りほどいてまで怒りを表出させていたのか…。


 そんな言葉などがソリの頭の中でグルグル回っていた。




 その頃、ピョン・ギュチョルはソリの件で担当の記者に電話を入れていた。
「チョン記者、例の記事を流してくれ。ああ、音楽祭の前にテレビにも出す。ファンPDも来るだろ? 先に飲んでて。ああ、頼む」
 電話を終えたピョン・ギュチョルの前にウジンが立った。
「お話があります」



<script type="text/javascript" src="//translate.google.com/translate_a/element.js?2db9cb=googleTranslateElementInit"></script>  google-site-verification: google3493cdb
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「韓国ドラマ「30だけど17です」」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事