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韓国ドラマ「病院船」から(連載206)
「病院船」第19話➡執刀医の不在⑧
★★★
ウンジェはスタッフに説明した。
「血管の形状が患者とドナーで異なるため、デハン病院から冷凍血管を取り寄せました。今からまず血管形成術を行います」
モニタ室で見ていたキム院長は大きく頷いた。
「時間がかかりそうだ」
「そうですね」
「幸い、患者の肺と心臓の状態は良好です」
それを聞いてキム院長はウンジェにサムズアップを送る。
「頼もしいですね」
キム院長はドンジュンを見て笑い声を立てる。
そして手術は終わり、朝を迎えた。
★★★
立ち眩みで気を失い、ベッドに運ばれたファン・インギョンは朝になって目覚めた。寝ずの看病で母親も寝ている。
インギョンが身体を起こすと布団に額を預けていた母親も身体を起こした。
娘の額に手をやった。
「気が付いた?」
「なぜここに…?」
「覚えてないの?」
インギョンは首を横に振る。
「昨夜廊下で倒れて―病院船の内科医が運んでくれたの」
「…」
「夜通し熱に浮かされてたわ―大丈夫かい?」
母親は額に手を当てた。
「熱はまだある。下がってないわ」
「…あの子は?」
母親は娘を見た。
「わからない」
「母さん…」
「娘が心配で孫は見てない―産後ケアを勧めても聞く耳を持たないで、今にあなたも」
「今に…何?」
インギョンは母親を睨んだ。
「ハンソルはどうなったの?」
母親は横を向いて答えない。
「どうなったの?」
険しい表情で訊ねる。
母親は顔を上げる。
「よくないみたい…昨夜は大騒ぎだったわ」
「なぜ起こさなかったの!」
「無駄だからよ。あなたも何もできないでしょ」
インギョンは泣き出し、ベッドから飛び出す。カーテンを引き、はだしで病室を飛び出した。母親も履物を握って追いかける。
インギョンは新生児室の前に立った。中に目をやった。思いもかけない光景をそこに見た。
死線をさまよう我が子は上半身裸となったヒョンの腕の中にあったからだ。
インギョンは訊ねた。
「あれは何ですか…?」
産科医は答えた。
「カンガルーケアです。スキンシップにより乳児を安定させます」
「でも、なぜそんなことを?」
「他に手だてもなくて…」
「あの子はそこまで悪化を?」
「はい」
「母親もいない中で…」
「昨夜、ハンソルは立派に闘いました。クァク先生と共に…」
「先生」インギョンは産科医を見た。「あのケアを私にやらせてください」
「風邪が治ったらです。免疫力のない乳児にウィルスは大敵です」
インギョンは泣き出す。
「私は母親なのに…我が子のために出来ることがないなんて」
「その代わりにクァク先生がいますよ。母親と同じくらいハンソルの回復を願う―優しい医者です。クァク先生が言ったんです。”科学の力が限界なら”、”人間の力を試そう”と”祈りをこめて”」
「病院船」第19話➡執刀医の不在⑧
★★★
ウンジェはスタッフに説明した。
「血管の形状が患者とドナーで異なるため、デハン病院から冷凍血管を取り寄せました。今からまず血管形成術を行います」
モニタ室で見ていたキム院長は大きく頷いた。
「時間がかかりそうだ」
「そうですね」
「幸い、患者の肺と心臓の状態は良好です」
それを聞いてキム院長はウンジェにサムズアップを送る。
「頼もしいですね」
キム院長はドンジュンを見て笑い声を立てる。
そして手術は終わり、朝を迎えた。
★★★
立ち眩みで気を失い、ベッドに運ばれたファン・インギョンは朝になって目覚めた。寝ずの看病で母親も寝ている。
インギョンが身体を起こすと布団に額を預けていた母親も身体を起こした。
娘の額に手をやった。
「気が付いた?」
「なぜここに…?」
「覚えてないの?」
インギョンは首を横に振る。
「昨夜廊下で倒れて―病院船の内科医が運んでくれたの」
「…」
「夜通し熱に浮かされてたわ―大丈夫かい?」
母親は額に手を当てた。
「熱はまだある。下がってないわ」
「…あの子は?」
母親は娘を見た。
「わからない」
「母さん…」
「娘が心配で孫は見てない―産後ケアを勧めても聞く耳を持たないで、今にあなたも」
「今に…何?」
インギョンは母親を睨んだ。
「ハンソルはどうなったの?」
母親は横を向いて答えない。
「どうなったの?」
険しい表情で訊ねる。
母親は顔を上げる。
「よくないみたい…昨夜は大騒ぎだったわ」
「なぜ起こさなかったの!」
「無駄だからよ。あなたも何もできないでしょ」
インギョンは泣き出し、ベッドから飛び出す。カーテンを引き、はだしで病室を飛び出した。母親も履物を握って追いかける。
インギョンは新生児室の前に立った。中に目をやった。思いもかけない光景をそこに見た。
死線をさまよう我が子は上半身裸となったヒョンの腕の中にあったからだ。
インギョンは訊ねた。
「あれは何ですか…?」
産科医は答えた。
「カンガルーケアです。スキンシップにより乳児を安定させます」
「でも、なぜそんなことを?」
「他に手だてもなくて…」
「あの子はそこまで悪化を?」
「はい」
「母親もいない中で…」
「昨夜、ハンソルは立派に闘いました。クァク先生と共に…」
「先生」インギョンは産科医を見た。「あのケアを私にやらせてください」
「風邪が治ったらです。免疫力のない乳児にウィルスは大敵です」
インギョンは泣き出す。
「私は母親なのに…我が子のために出来ることがないなんて」
「その代わりにクァク先生がいますよ。母親と同じくらいハンソルの回復を願う―優しい医者です。クァク先生が言ったんです。”科学の力が限界なら”、”人間の力を試そう”と”祈りをこめて”」
「祈り…」
「その祈りが通じたんでしょう。薬より効果がありました。あの数値を見てください。60しかなかった心拍数が90まで上がりました。目に見えない力がハンソルの心臓を再び動かしたんです」
「それじゃ」と母親。「私の孫は助かるんですか?」
産科医は笑顔になった。
「この調子で回復すれば大丈夫でしょう」
それを聞いて母と娘は抱き合った。2人で安息の涙を流した。
2人は新生児室を出た。その時に母親は娘の前に運動靴を並べた。
「靴を履きなさい。産後にはだしで歩きまわったら、身体によくないわ」
「母さん」
「子供を思う気持ちは私も一緒よ」母親は娘の足を取った。
「いい子だから靴を履いてちょうだい」
インギョンは母親に靴を履かせてもらいながら泣きじゃくった。
インギョンは母親に靴を履かせてもらいながら泣きじゃくった。